見出し画像

なぜ「まずい特産品」はできるのか。

世羅町の第三セクターが運営している「せらワイナリー」のワインがなかなか売れない理由として、「まずいから」という発言をしたことで辞職勧告まで決議されたということで話題になっています。

せらワイナリーのワインはこれから飲むことにしていますので、本当にまずいのかどうか、は私としての判断は留保しますが、まずい、とか、まずくない、というのは主観もありますので、誰かにとって不味いものも、誰かにとってはうまかったり、その逆もまた然りでございます。

ただ、財務状況などから察するに売れて売れて仕方ないという状態ではないことはわかりますので、経営議論の中で商品性そのものに問題があるという指摘はあっても分からないではないな、と思います。

最近私も北海道余市での事業立ち上げをしているので日本ワインも最近いただくことが多いですが、本当に品質の高いもの高く、値段もそれなりについています。国内のみならず海外の有名レストランなどにもオンリストされるように品質のものを作っていれば、在庫が余って仕方ないのではなく、「在庫が足りなくて出したくても出せない」という声を聞くほうが多いのです。だから、実際に余市のトップワイナリーはそもそもワインが買えません。需要のほうが旺盛で、供給が追いついていないという状態だからです。つまりは、ちゃんとした日本ワインであれば、一定の需要はすでに国内、海外にもありますから、売れ残って毎期赤字が続くというのはなかなか考えにくいものです。巨額の設備投資などをしてその償却費を抱えていれば分からないでもないですが、そのあたりは本コラムにおける決算書分析で見てみたいと思います。

それにしても、私も幾度となく地方にいって地元の方にご案内頂き、試飲、試食させて頂いて、まずくてびっくりした商品群はそれなりにあります。商店街などでの販売モニターをやってほしいと依頼を受けてやったらとんでもないものが出てきて、しかもそれが改善されないという問題とぶち当たっています。

それらの構造的課題について整理したいと思います。

○ 動画ダイジェスト解説

ここから先は

6,657字 / 2画像
この記事のみ ¥ 1,000

サポートいただければ、さらに地域での取り組みを加速させ、各地の情報をアップできるようになります! よろしくお願いいたします。