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オーバーエデュケーション議論と雇用慣行【2/2】働き学ぶのクロスエデュケーションで優位性を作る時代(2024/4/9 #1118)

木下斉
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※試聴版。オリジナル版(29:22)はメンバー特典記事が追加されているプランに加入すると視聴可能。

進学については色々と考えるタイミングがきている。新卒一括ではなく、キャリア採用中心に変化する中で、無理をして奨学金を借りて大学にいってリターンがある大学かどうかは精査は必要。働いたうえで大学に通うことも可能で、就職において人手不足を鑑みても問題はなく、新卒採用市場が崩れていく中で、学びと実務をクロスできる人材こそが生き残っていくと考える。10代、20代のショート・タームで考えないほうが良い。

実際には人手不足の時代において、人材に求められる能力はより多様になります。新卒一括採用からOJTの社内教育だけでは回せなくなり、常にすべての社員が転職していく、転職してくることを前提としてそれぞれがどのような「仕事」をしてきたのか、そして「学び」を生かしたきたのか、が問われると思っています。この点は学ぶだけでなく、それを活かすこと、さらに複数の領域を横断にして強みをつくる「クロスエデュケーション」が大切に。

・学んだ内容をいかにして現場に活かすかという、現場・実務と学びをクロスさせる
・複数の分野をクロスさせ、ユニークな立ち位置を作る

この2つがとても大切に。

さらに単なるホワイトワーカーになるのではなく、AIなど駆使できる人海戦術を乗り越えられるホワイトワーカーになるうえでも学習と実践させるクロスエデュケーションは大切。学歴が生かされないような事務仕事はどんどん減っていくので、むしろそれらを置き換える側にまわれるかどうかが大切に。

さらにブルーワーカーはむしろAIでは置き換えが難しく、実務をやらなてくはならない。遠隔医療などは可能になるけど、実際の病院での患者というフィジカルなものを取り扱う医師や看護師の絶対数はなかなか減らせない。フルオーケストラの人数は常に決まっているみたいなものと一緒で生産性の罠がある。だけどここが実はかなり重要になってくる。実務をわかったうえで、さらに新たな学習をすることで、高度なネオブルーワーカーになるという立ち位置だ。多言語話せて文化知識のある寿司職人、地質学から機械プログラムまで可能な掘削技術者、といった具合に、生産性の罠でなくならない分野で、今までの単なる作業員を超える「エデュケーション」を受けたからこその強みを発揮していくというネオブルーワーカーだ。個人的にはもともとホワイトワーカーといっていた分野も実際には肉体こそ使わないけど、言われたことをやるみたいな使用人としての仕事ばかりということが多いのが日本社会。これがいよいよ人手不足で変わっていくタイミングで、変化を加速させる側に回れるならばチャンスは多数あるわけです。

特に10代は現場・体験不足が問題
20代以降は働き始めたあとの学習不足が問題。

常にクロスを続けられる環境をいかにして作れるか、が試されていると思います。

そういう意味でやはりオーバーエデュケーションというのは経過的なもの、需給で一時期発生したものであって、これからの日本ではますます学習もますます行い、実践ともますます接続させる、クロスエデュケーションが鍵だなと思います。

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