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教育虐待の元凶【1/2】親が認識すべき「遺伝と成長」(2024/4/5 #1112)

木下斉
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[本日の要点]
各地域において職能が多岐にわたり、進学率も一部に留まっているうちはよかったものの、社会全体の所得が向上し、技術面では偏差値教育が導入されて全国的な序列構造が明瞭化。さらに一部の進学者たちが恵まれた職業についている事実を見たうえで、その成功パターンを自分の子供たちに押し付ける。ある意味における「世帯単位の遺伝子の生存競争」の一つとも言える構図となっていると思います。自分の遺伝子を優位に世の中に残していくという上で、明瞭な競争、食料などだけでなく、社会階層としての優位を築きたいという欲の結実とも言えます。

ただ私はここには2つの大きな問題があると考えています。それは遺伝的影響と成長スピードの違いです。

◯ 遺伝的影響を受け入れる
ただそこには世の中の事実を子供であれば達成できるという過度な期待を抱く親が、自らの遺伝的な制約と相違点、子どもの成長過程などの変数を全く考慮せずに、皆が同じ可能性をもっているという幻想に基づき動いています。足の速さや球技など身体能力は遺伝によって制約うけることを理解している(脳と筋肉の連動)にもかかわらず、なぜか脳の論理的理解や数理的理解などが遺伝的な制約をうけると理解していない。さらに遺伝のみならず、親の学習習慣や言語能力の影響をうけるという事実と向き合わずに、子どもにすべての責任を追わせてしまう。ある研究では、音楽の才能は約90%、スポーツの才能は約80%が遺伝の影響と報告しているものもあります。気になる頭の良さ、については、児童期が約40%遺伝の影響を受けるのに対し、成人期初期には約70%の影響を受けると言われています。遺伝的な影響は大きく、教育効果も10%程度あるとのことですが、あまり無理を強いるのはほどほどに、と思います。

◯ 成長スピードの違いを受け入れる
さらに教育ビジネスは「恐怖」をもって親に向けて商売し、親はさらに疑心暗鬼になってその不安を子供にぶつけていく問題があります。遺伝のみならず、子供には成長スピードがまちまちに存在し、小学生で伸びる場合もあれば、中学で伸びる場合もあったりするわけです。なのでそのタイミングは必然的に受け入れなくてはならないのですが、それが恐怖によって正しく判断できない場合も多いと思います。
目に見える慎重がいつ伸びるかに違いがあることなどは人々は認識していますが、脳内がどのようなスピードで成長するのか、待てない人は非常に多い。学年制や受験のタイミングなどに引きずられすぎているとも言えます。

教育虐待がなぜ起こってしまうのか、私達が実は現実と向き合い、制約条件を受け入れることがとても大切なのではないかなと思っています。

明日のプレミアム放送では小宮山さんの体験を聞きながら実感した親にできる成長を待つ姿勢、そして「機会の提供」と子どもの変容について触れたいと思います。

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