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あの頃、君は可愛かった……
4月にうちのおばあちゃんがリハビリ施設に入ってから、家の中をどうにかしなければと思って少しずつ片付けを進めているのだが、最近、昔の写真が発掘された。
亡くなった旦那が結婚前の若い頃に家族旅行に行って、こちらもすでに亡くなったおじいちゃんと一緒に写っている写真や、息子が幼かった頃の写真なんかが色々と出てくる。
旦那、相変わらず、かっこええな、と思いつつ、こっちはどんどん齢を重ねていくだけさ。遺影の中の旦那は若いときのままだけど、こっちはどんどんシワも増えて婆さんモードに突入していく。
もともと見た目じゃ釣り合わん夫婦だって周りに思われていたから、まあ、しょうがないけど。
すでに成人した息子が、まだ幼稚園に入るかどうかっていう頃の写真も出てくる。まだ幼かった頃は本当に可愛いね。
子どもは3歳までに、その可愛さで一生の恩を親に返すっていうけど、あの頃の君は本当に可愛かった。目に入れても痛くなっていうのは本当かもしれない。
今ではいったい………
LINEを送っても、緊急の用事でなければ未読無視される日々。未読無視は心配になるから、せめて既読無視にしてくれとお願いしたら、既読はつくようになったけど、、、、
あんなに幼かった子どもも、今では逞しいかどうかわからないけど、一応成人までは育ってくれて、多分、自分の道を模索しながら頑張っているはず。
子どもが大きくなったんだから、私も歳を重ねるはずだ。私以上に孫育てに奮闘してくれたおばあちゃんは介護生活に突入だし。
こうやって、世代は順繰りに回っていく。この少子化の世の中で、息子から先の世代がつながるかどうか、かなり怪しいところだけど。
あんまりそのあたりうるさく言い過ぎると、なんとかハラになっちゃいそうだからね。なかなか難しい世界になった気もする。
あれだけ幼くて可愛かった息子は大人になり、夢中で子育てしていた私も完全におばさんモード全開で、息子を自転車の後ろに乗せてかっ飛ばしていたおばあちゃんは、施設で車いす生活を送っている。
時間は流れて取り戻せない。それで一人の人生はいつか来る終わりに向かい、そして世代をつないでいく。この循環を果てしなく大切にしていきたいとつくづくと考える今日この頃。
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