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第108話 カブトムシの味。

今日、カブトムシを食べました。

生まれて初めての体験。

年齢もそこそこいくと、初めての体験は、減ってくる。

今日は、貴重な日だった。

午前中に会社に届いた袋。

カブトムシとコオロギの昆虫食、2種類。

恐る恐る袋を開けたとき、ホンマに、カブトムシが7〜8匹入っていた。

見た瞬間、わかっていたけどドン引き。

これ、食えるかー?。

ニオイもかなりのもんだ。

羽の部分は、ゴキブリと大差ない。

会社の薬剤師の先生から、ちょっと見せてと言われ渡した。

一匹手に取り、そのまま、頭を食いちぎった。

進撃の巨人ばりの食べっぷり。

バリバリ食べる音が、なんとも恐ろしい。

不味いなーといいながら、食べてる。

心が折れかけていた。

送ってくれた人から、味の感想を聞くラインが鳴り止まない。

お昼ごはん前。

意を決して、カブトムシを、口に放り込んだ。

イヤな香りを無視して、一気に噛み砕く。

固ぁー。

なかなか、羽と足が噛み切れない。

何も考えずに、ひたすら噛んで、噛んで。

ようやく飲み込む。

なんとも言えない後味。

その後、ごはんを、食べたあとも、後味が消えない。

歯を磨いても、なかなか消えなかった。

食べる瞬間の勇気と、噛み砕いているときの勇気。

自分を褒めてあげたい。

人にもあげて、残り3匹。

残り、一体、誰が食べんねん。

まだまだ、世の中は、わたしの知らないことが多い。

次は、何を食べようか。

初めての挑戦と経験を、なるべく積み重ねていこう。

できれば、楽しく幸せなことで。

今日は、貴重な一日だった。

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