島ノ葉の指す順通算戦績 真相解明編

 本稿は昨日の記事の続きである。一晩寝かせてみると色々と気づきがあったので付け加えていきたい。前回述べたとおり、私の指す順通算成績は居飛車が17勝10敗で勝率約63.0%、振り飛車が19勝18敗で勝率約51.4%であった。三間飛車をエース戦法としている私としては振り飛車でこんなに勝てていないのかと驚いたところである。そこで私は思い出した。9勝2敗と好成績を収められた昨季第8期は、確かに居飛車を持つ機会が多かった気がする。

 というわけで第3期から第8期までの各期で居飛車を持った回数を調べることにした。結果は第3期・第4期が3回ずつ、第5期・第6期が5回ずつ、第7期が2回、第8期が8回であった。最も良い成績を収めた第8期がもっとも居飛車を持った回数が多く、次いで好成績であった第5期が二位タイで続いている。また、最低の成績だった第7期は居飛車を持った回数も最低だ。このことから、居飛車を持った回数と最終的な成績の間には強い相関があることが分かる。私の戦型選択はほぼ常に受動的で、自分が居飛車をやりたいから居飛車を持っているわけではなく、単に振られたから居飛車にしているだけである。以上により、次の極めて有力な仮説が得られる。私が昇級するかどうかは振り飛車党と当たる割合が多いかどうかに依存している、というのがそれである。

 これではあんまりだ。私の成績はマッチング運で決まっているなんて受け入れがたい。もっと何かしら希望のある結論を引き出せないだろうか?そこで私は振り飛車の通算成績をもう一度調べ直すことにした。一言で振り飛車と言っても振る場所は4か所ある。三間飛車を主軸にしている私だが、残りの場所にも何度か振っているのだ。まずは三間飛車の戦績を調べよう。その結果は、15勝9敗の計24局で勝率62.5%であった。…ちゃんと勝ってるじゃん。勝率六割超えてるやんけ。流石はエース戦法、三間飛車はしっかり勝てていたのだ。

 ちなみに居飛車を持った時のメインは左美濃であるが、こちらは14勝7敗の計21局で勝率約66.7%であった。居飛車の勝率を押し上げているのはこいつの力だと言えよう。

 ここで一つ興味深い事実に気づいた。これまで私が指す順で指した将棋は全部で64局である。ということは、三間飛車の24局と左美濃の21局は、それぞれ全体のほぼ1/3ずつを占めていることが分かる。私の戦型選択はおおよそ1/3が三間飛車、1/3が左美濃、1/3がその他といった具合になっているのだ。そして、三間飛車と左美濃がしっかり勝てているとすれば、足を引っ張っているのはその他ということになろう。その他は19局で7勝12敗である。なるほどここに問題がありそうだ。内訳を見ていこう。まず居飛車系が3勝3敗。まぁ指し分けなら目を瞑ろう。中飛車が1勝1敗。どちらも第3期の将棋である。そして向かい飛車が1勝3敗、四間飛車が2勝5敗である。

 お前らが諸悪の根源か!

 その他が大きく負け越しているのは向かい飛車と四間飛車が吐き出していたものだったのだ。三間飛車が6つ勝ち越しているのにここで5つ負け越していたらそりゃあ振り飛車全体で見ればトントンになってしまうというものである。三間飛車を指すことが続くとついつい目線を変えたくなってしまうのだが、そこで悉く負けているということなのだろう。振り飛車の勝率を落としていた最大の要因はこの安易な変化球採用にあるといえそうだ。

 さて、とりあえずは救いのある結論を導くことが出来た。ただ、来期以降どう立ち回るかは悩ましい。効率から言えば三間飛車に専念する方が良いのだろうが、振り飛車を指す身からすればエース振り飛車とは別にサブ振り飛車も持っておきたいという気持ちもあるのだ。この感覚、振り飛車党なら分かってくれませんかね?しかしなぁ…。さしあたり第9期の目標は、三間飛車と左美濃をしっかり勝ち切ることにしておこう。裏芸については、もう少し時間があるのでゆっくり考えたい。

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