【近世将棋史駒落ち編⑤】江戸時代の角落:下手三間飛車美濃囲い対上手象眼の隆盛【ゆっくり解説】について

 先日動画を投稿した。角落ち、興味あるんですよね。同志はこの動画を拡散するんだ。

 それでは振り返っていきたい。

 今シリーズの第一回では、角落ち定跡は現代との違いが一番少ないと紹介した。

まちがってました

 多分飛車落の方が変化が少ないと思う。とはいえ、あのように言ったのも何も理由が無かったわけではない。角落ちにおける下手三間飛車も下手矢倉も、確かに1600年代中葉には既に指されているのだ。そういう意味では、現代定跡のルーツが非常に古いのは間違いない。ただ、三間飛車定跡が現代の形で成立したのは1700年代中葉であるし、矢倉は1700年代初頭に一時流行するものの現代定跡に直接つながるのは明治以降の展開である。このあたりはリサーチの結果わかったことで面白かった。

 本当は、象眼と宗看の表記ゆれを軸に台本を作る予定であった。この点は本当に面白いと思い、いろいろと調べていたのだが、もっとちゃんと将棋の内容自体を調べようと思いリサーチしなおしたところ、そっちの歴史をしっかり描いた方が面白そうだと思いその方向にシフトチェンジしたのである。結局本編では少ししか触れられなかったが、言いたいことは全部言えたので満足である。

 それにしても角落ちは棋譜が増えて大変だった。今回は将棋DB2に収録されているすべての角落ちの棋譜を並べてデータベースを作ってから台本作りに臨んだのだが、そのせいでなかなか時間が足りず駆け足での台本作りになってしまった感は否めない。毎週投稿は難しい。

 今回はサムネイルとタイトルに関しては中々難しかった。サムネイルは局面+フレーズの定跡通りにしようと思っていたので、フレーズ案とタイトル案をいくつか考えることにした。
①本定跡の隆盛と下手矢倉の起源
 本定跡と矢倉を並立させた案。現代定跡がこの二つが主なので、それを押し出そうとしたもの。だだ、動画の比重としては本定跡が大きいのでそこがどうか。
②角落ち本定跡の本定跡たる所以
 「本定跡」という定跡名自体が面白いと思ったので、それを押し出そうと思った案。これを少し改変したのが、本譜のサムネイルのフレーズとして用いたもの。
③下手三間飛車美濃囲い対上手象眼の隆盛
 「本定跡」を押し出すなら、その内容を分かりやすく示す必要もあるかと思って考えたもの。本譜ではタイトルとして採用した。

第一案

 たたき台として作ったサムネイル。さすがに地味すぎると思い色を調整したのが本譜である。局面も、大橋印寿(九代大橋宗桂)VS八代大橋宗桂戦から、現代の本定跡の局面に変更している。同一局面自体は江戸時代から多く指されているので、わざわざ頑張らなくても良いかなと思った。フレーズの「本流たる所以」は個人的には良いと思っているのだが賛否がありそうにも思う。難しい。

 数字はよくない。再生数も回っていないし、維持率もギリギリ許容といったレベル。とはいえ登録者数は微増傾向にあるので、まぁまぁまぁって感じである。

 今週の動画は左香落編です。実はPCの液晶にひびが入ってしまって、かなり萎えている。修理に出したらその間動画投稿が止まってしまうのだが、どうしたものか。早めに出した方が良いのか、少し粘るか。うーん…

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