今週の小話#4

カミュとカレー 

 私はカミュが好きである。ここで言うカミュとは、『異邦人』などで知られるアルベール・カミュのことではない。ドラゴンクエストのキャラクターの方だ。主人公との相棒感がなんと言っても最高である。ちなみに『異邦人』を含めカミュの作品はどれも読んだことはない。いつかは読んでみたいものだ。

 私はカレーも好きである。ここで言うカレーとは、大陸ヨーロッパをグレートブリテン島とつなぐ港湾都市カレーのことではない。料理の方だ。ここ数年味覚が変わってきて、辛いものを美味しく食べられるようになった。ちなみに港町カレーには一度も行ったことがない。いつかは訪れてみたいものである。
 
 さて、上記の文章二つは、元々それぞれ独立して思いついた小ボケに過ぎなかった。が、フランス繋がりという共通点がある。カミュはフランス人であるし、カレーはフランスの都市だ。カミュがアルジェリアの出身であることと、カレーが長らくイングランド領であったこともなんだか縁があるように感じられるがおそらく考えすぎだろう。それでなんとなく併記してみたのだが、別に面白味が増えたわけではなさそうだ。難しいね。

古き良きラノベアニメ

 先日ふと思い立ってアニメ「変態王子と笑わない猫」を観た。このアニメは私がアニメ沼にハマってしまった最初期に一度見たことがあり、非常に面白いと思った覚えがある。すっかり色んなエンタメに慣れた今見ても良アニメだった。私は後輩キャラ萌えを自認しており、大好きなのであるが、変猫を見たころは初期すぎてまだそうした性癖は確立されていなかった。私の後輩萌えは一色いろはによって確立され(私は7.5巻で初登場したときからすでに注目していた)、姫柊雪菜と栗山未来によって完成されたのだが、それ以前に見ていたこのアニメの後輩ヒロインについてはまだ理解が浅かったと言わざるを得ない。当時は完結したら全巻揃えてもいいなとか思っていたのだが、実は数年前に完結していたようだ。今度本屋に行く機会があったら手に取ってみよう。
 それから暫くして鬼滅の刃を見始めたのであるが、いつかの記事で書いた通りキツくなって投げ出してしまった。そうして逃げ込んだ先は「這い寄れ!ニャル子さん」であった。これも特に理由はない。強いて言えば突然脳内に恋は混沌の隷なりが流れてきたからである。これも数年ぶりにみたのだが、まぁ面白かった。これを観た当時はクトゥルフ神話に関する知識がまるでなかったので、そう言うものなんだなぁとしか思っていなかった。いまcocに関する知識を少し身につけてから観ると、いろんな小ネタが散りばめられていて面白い。
 これらの作品は放送されてからまだ10年も経っていないはずだが、既に多くが過去のものになってしまっているのを感じた。まだガラケー使ってるやん!とかめっちゃ思った。また、うまく言語化することができないが、主人公が登場する、メインヒロインが登場する、困難に巻き込まれる、二人で解決する、のような話の動かし方が実家のような安心感だ。古き良きラノベアニメとでも言おうか。久しく摂取できていない気がするものだ。

謙虚さの概念

 私は謙遜が嫌いだ。正確には、謙遜の名の下に自己卑下が美徳として正当化されるのが嫌いだ。自分のことを卑下するさまは見たくない。私は誰かの悪口を言うのを好ましく思わないし、あまり聞きたくもない。それが私の好きな人に対するものなら尚更のことだ。そしてそれは、その悪口が言った本人に対するものであったとしても同様だ。私は私の好きな人が私の好きな人を軽んずるところを見たくない。自分のことについてなら何を言ってもいいと思っているなら、それこそ傲慢の極致ではないか。真の謙虚さは、いかに自分を卑下してしまわないよう表現するかというギリギリのせめぎ合いの中にこそある。
 せっかくなので将棋の話をしよう。例えば快勝したあとに褒められて、「いやいや私なんてまだまだ弱いですよ」と答えるならどうか?これは許されない。何の権利があって自分は弱いと言ってしまえるのか。それはこれまで勝ってきたたくさんの方々を、そして自分のことをライバルだと思ってくれている多くの方々を、一括して「弱い」の名の下に押し込んでしまうのだ。これのどこが謙虚であろうか。むしろ私には、何を言っても良いという思い上がりとしか思えない。とは言っても、仕方のない場面もある。ひどい負け方をして、思わず「俺は弱い!」と叫ぶとしよう。これは謙遜ではなくただの本心、あるいは自棄である。誉められた行為ではないと思うが、仕方のないことだ。それを抑え込めるほど人間は強くない。また、「もっとちょうだい」という意味で謙遜する場合もある。この手筋は私もよく使うので、許されて然るべきだろう。
 私は、「もっとぼくをすこれよ」という言葉を好んで使う。が、本当は、私のことよりまずは自分ことをすこってほしい。もしすこれているならば、自分に正直に、思ってもいない謙遜をして自分と周りの人々の価値を下げることはしないでほしい。それが謙虚さなのだと、誠に勝手ながら私はそう思っている。

辿り来て、遂にキクモト。

 先日ドラクエ6をプレイし、ついにあのキクモトを仲間にすることに成功した。この一文だけでその凄さを理解できた人は立派なドラクエ通である。以下この文章はそれがいかに凄いかを説明するだけだ。要するに手のこんだ自慢である。
 sfc版dq6には、仲間モンスターというシステムが採用されている。魔物使いという職業に就く事で、一部のモンスターを仲間キャラとして使えるようになるのである。使えないモンスターも多いが、終盤に出現するモンスターには強力なものも多い。その最たるものが、ランプの魔王である。こいつはなんとクリア後の裏ダンジョンでしか勧誘できない。つまり存在自体がやり込み要素みたいなモンスターなのだ。しかも勧誘率は驚異の1/256である。ドラクエの仲間モンスターシステムは、そのモンスターと戦って倒すと乱数で仲間になるというものなのだが、その確率が約0.4%なのである。
 こうして仲間になったランプの魔王は、カダブウという名前でパーティに加入してくれる。ちなみにこいつは育てれば裏ボス単騎撃破楽勝である。強すぎ。もちろんこんなに強いだけあって、一匹仲間にすると二匹目は仲間にならない。そこでカダブウを逃して、再度勧誘活動を行うとする。再び1/256を乗り越えて起き上がってくれると、こいつはダブリンと名乗る。二匹目なので名前が変わっていると言うわけだ。この名前は四匹目まで用意されており、その4番目の名前キクモトなのである。つまりこいつを仲間にしたと言うことは、1/256を4回乗り越えた証ということなのだ。ドラクエ史上最もレアな仲間モンスターと言われる所以である。
 実は主人公とバーバラの二人旅でダークドレアムまで倒したので、そのあとのやり込みとしてキクモト探しをやっていたのだが、無事達成できて何よりだ。ドラクエ6を遊び尽くした感のある大きな出来事だった。


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