「ONE PIECE FILM RED」を観て

 今朝目が覚めると、友達からLINEが来ていた。「ONE PIECEの映画最高だった。多分お前も好きだと思う」かくして私はそのままスマホで予約を取り、昼には映画館で鑑賞し、今5時すぎに本稿を書いている次第である。今回は感想メインで、核心的なネタバレは一応避けるが、気にする方は映画を見てから読むことをオススメします。

 とは言ったものの、映画を見た直後はこのような感想記事を上げるつもりはなかった。というのも、映画として諸手を上げて絶賛できるものではなかったからだ。もちろん、面白くなかったというわけではない。感覚的には、未完であるようにおもわれたのだ。この映画単品で完成というよりは、今後この話を受けて本編で展開があるのだろうなと感じた。なんとなくワンピっぽくないと私の主観ながら感じたことやシャンクスへの深堀りが結構なされたのが原因であろうか。したがって、本作の評価は今後の本編の展開を受けてからでないとやってもしょうがないように思われたのである。だが、そんな小難しいことは考えてないでとりあえず映画を見た感想を軽い気持ちで書いてもバチは当たらないだろうと思い直し筆をとった次第だ。

 ただ、今後どう展開があったとしても擁護しようがない不満点があったのでそれだけ指摘しておきたい。

 中将の格大暴落しすぎ!

 いやもう中将という階級が噛ませ役になるのは百歩譲って受け入れるよ。メイナードみたいな救いようのない奴もいるし。けどさぁ、モモンガオニグモヤマカジストロベリードーベルマンみたいな古参中将は優遇してやってくれよ。モモンガとかファンも多いやろきっと。泣くぞみんな。なんなら本作では黄猿さえ格を落とした気がする。映画で自由に動かせる大将が黄猿しかいないからって毎回酷使されすぎて可哀想よ。黄猿も好きだからかなしい。

 海軍にはもう少しシャキッとしてほしいものである。

 さて、本作でもっとも注目されるべきは、何と言ってもシャンクスと赤髪海賊団にかんしてかなり掘り下げられたことであろう。これまで幹部はベン・ベックマン、ヤソップ、ラッキー・ルウくらいしか明らかになっていなかったが、かなり多くの幹部がネームドで登場した。来場特典の40億巻では、設定画なども公開されていた。赤髪海賊団には四皇という以外の情報がほとんどなかったので、こういう情報は興味深いものである。

 次に言及されるべきはやはりヒロイン・ウタについてであろう。このキャラについては、ポッと出だの後付けだの批判が絶えない。なんなら私もそう思っていた。ただ、観てみるとそこはあまり違和感なく受け入れることができた。ルフィが海に出て以来、ずっと音楽家を仲間にしたがっていたことをすぐに思い出したからである。仮にウタがポッと出の後付けキャラだったとしても、ルフィが音楽家を仲間に入れたがっていた理由の説明として十分な強度を持っていると感じられた。あと、ウタという具体的なキャラを想定していたかはともかく、おそらく最初からおおまかな構想としてはざっくり持っていたんだろうと思う。尾田先生はそういうのやりそう。

 それにしても、歌姫ヒロイン映画が増えている時代とはいえ、こんなに歌い続ける映画は流石に珍しい。来るとこまできたなという感じで、ほぼずっと歌っていた。私は最初からAdoのライブに行くつもりで本作を見に行ったのだが、それで合ってると言われた気がした。そして何よりそんだけ歌い続けるキャラが味方じゃないっていうね。敵がずっと歌い続ける映画。めずらしー。楽曲はどれも最高でした。

 まさしく気になるのはその楽曲の部分である。本作で歌われる曲は中田ヤスタカやMrs. GREEN APPLE、秦基博など錚々たる面子が楽曲提供を行っており、どれも素晴らしく映画ともよくあっていた。それぞれの楽曲とその場面や展開がかなりリンクしたものになっており、曲の内容と映画が関係していた。これってこういう曲調でこういうキーワードを使って作詞作曲してください、って発注して楽曲提供してもらったのか、あるいは曲が上がってきてからシナリオ作ったのかどっちなんでしょうね。まぁ大体前者なんだろうけど、曲自体がシナリオにどれくらい影響を与えたのかも気になるところ。

 最後に触れておかなければならないのがウソップの活躍である。何を隠そう私はウソップがONE PIECEで一番好きなキャラだからだ。本作ではかなりラスボス撃破のキーとなる活躍をしていた。もはや作中最強レベルの見聞色使いなんじゃないかと。stampedeでもウソップ大活躍だったし、2作連続でのプッシュは熱い。公式に推されてて幸せです。

 ワールドトリガーがSQに移籍して以来本誌は追っていなかったのだが、また追い始めても良いかなと思わされました。ついにシャンクスの全開戦闘が見れて僕は満足です。






以下若干のネタバレを含む小話





 本作の最大の戦犯はどう考えてもゴードンである。こいつがウタの育て方を間違えたのが諸悪の根源だ。ただ、ゴードン目線だと致し方なさを感じるのも事実である。とすれば、1番の問題はなぜシャンクスは娘を預けられるほどゴードンのことを信頼していたのかということだ。この点が全く解決されないまま本作が終わったのは大層不満である。だがこの点については、いつか本編での回収があると信じて、批判の対象にはならないものと私は考えている。

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