「ONE PIECE FILM RED」について


 ONE PIECEの最新映画は歌姫的な新キャラが登場するという話は聞いていた。別の映画に関する記事でも少しだけ言及したが、歌姫ヒロインを採用するアニメ映画というのはここ最近のトレンドであるようにも思える。私にとってONE PIECEがどういう漫画かはこの記事を参照してもらうとして、ここ数年はあまりちゃんと追えていなかったというのが正直なところである。その最大の理由はやはり、ワールドトリガーがSQに移籍してジャンプ本誌を読む習慣がなくなってしまったことであろう。以来私は古本屋で単行本を立ち読みする程度の関わりになってしまっていた。ただ、なにやら最終章に入るとか何とかで、にわかに興味が再燃してきた今日この頃といったところである。

 今回の映画にあっては、主題歌を担当するのはAdoとのことだ。飛ぶ鳥を落とす勢いとは彼女のための言葉かという印象もあり、納得の布陣である。先日YouTubeを眺めていると、彼女の新曲、もとい本作の主題歌が目にとまった。

新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED) - YouTube

 さて本作のヒロイン・ウタの歌唱パートはAdoが務めるということだ。まぁ当然。だが通常パートの声優が誰かは知らなかったので、調べてみると、なんと名塚佳織とのことである。適当なゲスト声優ではなくちゃんとしたマジモンを連れてきてくれただけで及第点である(評論家気取りオタク特有の上から目線)が、やや不安も感じた。というのも、私の印象では名塚さんは線が薄いというか繊細な声という印象があり、Adoのパワフルさと噛み合わないのではないか、という心配が生まれたのである。

 相手はプロの声優、そんな心配するだけ失礼というものだ。どうとでも料理してyou lose!って気分にさせてくれるに違いない。というわけでYouTubeで予告編とかを観ることにした。歌ってないウタは結構珍しく、よく分からなかったがイメージよりは芯の通った声だ。これなら大丈夫そうだ、とか思いつつもやっぱり相手がAdoだけに力負けしないか払拭しきれない不安が残る。そんなこんなで関連動画をYouTubeで探し続けていた私の目に飛び込んできたのは衝撃の動画であった。

【ウタ日記】#1 配信はじめるよー!【FILM RED】 - YouTube

 時代はこんなところまで来ていたのか

 これはやばい。あまりにもやばい。どれくらいやばいかというと明日は早いからもう寝ないといけないのにこんな記事を書き始めてしまうくらいにはやばい。ついでに酎ハイをもうひと缶開けてしまうくらいやばい。

 歌姫ヒロインって最近のアニメ映画のトレンドだよね~とか分かった風なことを言っていた自分をぶんなぐってやりたいものである。確かにVtuberと歌唱や声優という領域は極めて親和性が高い。公開に向けてこういうライブ配信風の動画を投げることによる効果は計り知れない。もうこの衝撃が大きすぎて声優問題はとうに後景へと退いてしまった。ただVの者としての名塚さんも素晴らしく思えたのできっと大丈夫だろう。

 素直に白状するが、私はVの界隈に親しくない。今や殆ど見ることはなくなった。これについてはここで話すと不必要に重くなるから詳述を避けるが、とかく私が心配しているのは、私があまりに界隈に対する理解が足りないばかりに頓珍漢なことを言ってはいないか、というものである。この領域に関してはおそらくかなり解像度が低い。だが、アニメの世界と現世を一挙に架橋してしまうこの力学をどうして軽視できようか。なんかもっと気の利いたことを言えそうな気がして勢いで筆を取った割に存外中身のあること言えず動揺しているのは内緒である。衝撃が過ぎた。

 今の段階でいえることは少ないが、今後も動向を注視していきたい。

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