諸々の感想

 6月にTVアニメ「推しの子」と「久保さんは僕を許さない」を見終わったあと、私は感想記事を書かなければならないと思った。各季ごとにアニメの感想記事を書くのは定跡だったので、今回も書かなければならないと思ったのである。

 7月上旬に小説「成瀬は天下を取りに行く」を買ったとき、私は読み終わったら感想記事を書きたいと思っていた。かなり期待していたし、久々に読む小説だから書き甲斐もあると思ったのである。読み終わった私は、何を書こうか考え始めた。

 7月14日に映画「君たちはどう生きるか」を観に行った時、私は見終わり次第記事を書こうと決めていた。上映開始時間を待っている間に書いたのが次の文章である。

【注意】
 本稿はジブリの新作映画「君たちはどう生きるか」(以下本作)を観てきた感想記事である。ネタバレ等の配慮は行わないので各自で自衛していただきたい。また、本作が公開にあたって徹底された情報統制が行われたことを鑑み、観る可能性が少しでもある方は本稿を読む前に劇場に足を運ぶことを強く推奨する。なお、この注意書きは主に映画の視聴前に主に書かれたものであることを断っておく。本題である鑑賞後の感想は、20行後から始まるものである。

 ここまで書いた後、続きが書かれることはなかった。

 どれも面白かったのだ。しかしそれを言葉にするのは難しかった。いや、もしかしたら、面倒くさかっただけなのかもしれない。そして意を決して書こうと思い立った時には、すでに賞味期限は切れていた。おそらく、賞味期限切れというこの説明自体甘えである。恥を忍んで甘えを受け入れボツにすることにしたが、それだけでは何とも口惜しい。この場を借りて言及し、供養とさせていただきたい。

 …それだけでは寂しいので少しだけ一言コメントを添えよう。「久保さん」は、悪くなかった。花澤さんが可愛いだけといっても良い。ただ、久保さんの可愛さが際立つたびに、高木さんの偉大さが光る。高木さんは偉大。あと誠太(主人公の幼い弟)が可愛すぎる。妹が可愛ければ十分かと持ったが弟もこんなに可愛いなら悪くないかもしれない。久保さんよりもかわいい。

 『推しの子』は面白かった。よかった。私は赤坂アカ原作と聞いててっきり『かぐや様』のようなハッピーラブコメかと思っていたので少々敬遠していたのだが、実はサスペンスで驚いた。本作は、前世の人格を引き継ぐ設定という補助線を引くことでインセストタブーの問題を回避しつつも、母親を物語から早々に退場させることでその現実化を防いだ上で、復讐の対象として父親を設定することでエディプスコンプレックスの現代的再論、あるいは挑戦を目指しているのだ。父殺しというフロイト以来の問題意識を継承した、現代の精神分析である。以上は適当に述べただけなのでフロイト研究者は真面目に論じてみてほしい。

 『成瀬』は面白かった。滋賀は好きでたまに行くので、ローカルネタは少し通じた。だが、完全には通じなかったのでやはり地元の強みにはかなわない。ただ、帯の「最高の主人公!」みたいなのはどうだったんだろう。たしかに魅力的なキャラではあったが、そこまでだろうか。とはいえ、私がこのように思ったのもおそらく本作の計算であろう。本作はずっと成瀬を他人から見た構成で描かれるのに対し、最後一章だけ成瀬目線で描かれ、孤高の最強だった成瀬の弱さが見えてくる構成だったからである。この辺も含めて、気持ちのいい作品だったのは間違いない。

 『君どう』は面白いとか面白くないとかではない。良かったかよくなかったかでいえばよかった。迷ってるなら見た方が良い。ヒミ様~。ついに駿は男主人公を描く気になったんだな。それはそうとマザコンきめえな。そういうとこ大好き。これでこそジブリのファンタジーだよな。…ジブリのファンタジーって何だったっけ?結局なんで真人は自傷したんだっけ?傷を触って己の穢れを主張する辺りはナウシカ的だよね。こんな感じです。

 この記事を書いた感想は次のとおりである。
 
 書きたい感想は早めに書こう!


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