マイケルジャクソン: Thriller 40周年記念版発売。
ファンとしては喜ばしいニュースなので記事にしてみました。
最後まで是非お付き合いください。
史上最も売れたアルバムの記念版
来る11月18日、人類史上最も売れたアルバムであるマイケルジャクソンの「スリラー」40周年を記念した拡張版が発売されます。
この拡張版にはオリジナルアルバムに加え、未発表曲やレアトラックで埋められたボーナスディスクなるものが追加されています。今まで出ていたロングバージョンやリミックスなども同封されたものもあるようですが、そちらはハイレゾやストリーミングサービスのみの仕様になるみたいです。
この情報が出始めたのが今年の5月頃だったと考えると、時間の流れは恐ろしいものです。もう2022年終わっちゃう…
その最初のアナウンスの時点でプレオーダーが開始された記憶ですが、その時に発表されたパッケージデザインがこちら↓
控えめに言って、左上のロゴはダサいですねwww
これが世に出た時、ものすごい批判が出ていました。
まぁ、これならしょうがないですよね。まだオリジナルのロゴを踏襲して、それっぽい字体で40と入れた方がマシですからね。
あまりにも多い批判に対してマイケルジャクソン遺産管理団体から声明が発表されたほど、このロゴは炎上しました。
以下はその声明です。DeepL翻訳で翻訳しました。↓
まぁ。そういったことらしいですね。新鮮で今風か…
踏襲するべきものと入れ替えるべきものを見誤っているのがこの遺産管理団体ですからね。だから今まで、残された未発表曲を新しい伴奏に入れ替えることすら意図も容易く承認し、クソを量産してきたのです。
こりゃあこのまま変わらんだろうなと思っていました。が…
その数日後にサイレントで別のデザインに差し替えられていましたw
この銀の部分はどうやらスリップケース仕様となっているようで、代替案にしてはかなり凝ったものに変わっていますね。ジャケの方はオリジナルを踏襲し、ディスクデザインは微妙に変更されていますね。
まぁ、これなら40thという中途半端な周年祝いとしては十分じゃないでしょうか。僕はどちらかといえば、ビートルズのような50周年記念版の方を心待ちにしています。それまでは出し惜しみくらい耐えられますよ。
トラックリスト
今回の40th Expanded Editionにてリリースされるトラックリストはこちら
今回初めてリリースされる曲は、太文字に*をつけてあります
今回の目玉はなんと言っても、ディスク2に収録される未発表曲でしょう。
特に注目なのは、完全未発表だった曲5つですね。
近年のマイケル音源に関しては、ラウドネスウォーによる音圧マシマシマスタリングの餌食になっていた気がします。その辺を改善しつつ、まともな音質になっていることを願うばかりです。
ちなみにハイレゾも配信されるみたいですが、どうやら44.1/24なんですよねぇ…。いつも通りの96/24じゃねぇのかよ…と思いました。
さらにいくつかのお楽しみも
今回新たに発表される未発表曲はもちろんなのですが、個人的な楽しみは他にもあるんですよね。それを紹介します。
①: ミュージックビデオの4K・フィルムレストア
これは全てのファン待望のものですね。僕もマイケルのミュージックビデオがフィルムから直接レストア、リマスターされる日をずっと待っていました。今まではフルHDですらなく、ただただSD画質を変換したものや、それらをもとにAI処理をかけただけのなんちゃって4Kしかなかったのです。
それに比べてどうでしょうかこのクオリティ。
画質、質感、鮮やかさ、迫力。全てをとっても今までを凌駕するクオリティじゃないですか?AIで画像を無理やりアップスケールすること、無理やりフレームレートを60にすることが本当に正しいことだと、これを観た後でも言えますか??
こういうことは公式しかできないので、どんどん進めてほしいプロジェクトですね。
・Beat It (11月16日現在4Kで視聴可能)
・Thriller (11月19日現在 4K視聴可能です!)
パケ化されないかなぁ。
②モービルフィデリティサウンドラボのリマスター
はい。これですよ。オーディオマニア的には、今回の企画の中で一番興味深いものではないでしょうか。今回はハイブリッドSACD、33 1/3回転 LPがまず発売され、後日には2枚組45回転LPが発売されるそうです。
なぜこれが注目かというと、このリマスターはThrillerにとって初めて、「アナログマスターテープからのリマスタリング」と公式言及されたアイテムだからなんです。
今まで出たリマスターは、レーベルがデジタル化しておいたコピーマスターやそれをもとに作られたリマスター音源をもとに、さらにリマスタリングが行われることが多く、ぶっちゃけマイケルの場合、音源目当てで現行のCDを買うメリットは99%ありません。500円で買う初版US版CDの方がまともな音を鳴らしてます。
けど今回は違う。1982年、まさに当時レーベルに提出された、正真正銘のオリジナルマスターテープ(のはず)から直接リマスターされた音源がやってきます。
ちなみにハイブリッドSACDとは、SACD(DSD音源)を収録した層とCD(CD音源)層を同時に収録したディスクのことを指し、SACDプレーヤーではDSDハイレゾを、CDプレーヤーではCD音源を再生できます。
モービルフィデリティサウンドラボとは、アナログマスターテープが持つ最大限の旨味を引き出すことをモットーに、高品質なオーディオフォーマットを販売する会社です。
販売枚数を少なめに絞り高額に設定することで、すでにデジタル化されたコピーマスターではなく、オリジナルのマスターテープをレーベルから借り入れられるんですね。
ちなみに気になるお値段…
LP一枚で100ドルです。約14000円。送料抜きです(!?)
45回転二枚組だと125ドルになります。
いやクソたけぇwww
ちなみに僕の場合、アナウンスが出た直後に予約していたので、今みたいな円安よりも前の値段で予約できました。
え?私はもちろん2つとも予約してますよ。45回転も、予約が始まったら予約します。開封はしねぇけどな(!?!?)
じつはモービル社、今回の再販で、これまで作られてきたLPは全てオールアナログ工程(LPを作る過程でデジタルを一切介入させない方法)だとされていたのが、一部デジタルを用いて盤が作られていたのがバレてしまい、海外では炎上していましたw
っというのも今回の再販、LPは約4万枚のコピーが作られるというアナウンスだったのですが、この4万枚という枚数、実は今までのモービル社が設けてきた限定枚数と比較しても、圧倒的に枚数が多かったんですよね。例えばボブディランの「Highway 61 Revisited」モノラル版の場合、その枚数は3000枚でした。それを怪しく思ったレコードマニアが追求したそうです。
なぜ一部デジタルを用いていたのか、細かい理由まで書くとなると新しい記事が丸々一つできてしまうくらい長い話になるので、簡潔に説明します。
アナログテープはレコードと一緒で、再生する度に劣化が進んでいきます。テープの磁性体をテープヘッドに擦り付けて再生するわけですから、次第に磁性帯は剥がれていきます。レーベルとしては、貸し出しているオリジナルマスターテープは唯一のものであり、何度も再生されることは好まないはず。それを避けるには、まずそのテープをいかに最高の状態でデジタル化するかに懸かっています。
レコードの制作工程とモービル社のLPを知っている人ならここで察しがつくと思いますが、それがLP制作における品質維持につながるわけです。まぁしょうがないよねって部分が多いです。大人の事情ってやつですねこりゃあ。
さて、そのデジタルデータをもとに盤を作っていくわけですが、
もとデータはDSD256だそうですw えぐいわ。
SACDに入っているDSD64よりも、さらに4倍以上のデータ量が詰まっているわけです。まー、Thrillerの頃にはデジタルシンセも導入されているだろうし、DSDとはかなり相性は良さそうな感じがしますけどね。
オールアナログ工程が、必ずしも100%の成功を保証するわけではないと個人的には思ってます。
「おそらく史上初のオリジナルマスターテープからリマスターされるThriller」を、「テープを再生して感じる熱気を閉じ込めるプロ」が手がけるわけです。これは超絶楽しみです。
モービルフィデリティサウンドラボのThriller関連の特設サイトはこちら
騒動後モービル社は、作られたLPがどのような工程で作成されたのかを、作品ごとに明記しています。
ThrillerのLPの場合、
1/2インチ(約1.27cm)、30ips(76cm/毎秒回転)のアナログテープから直接DSD256変換した音をアナログコンソールを経てカッティングしている
といった感じですかね。
地味にすごいのは、オリジナルマスターが何インチで何回転のアナログテープかが明記されている点。これ地味に初出し情報だと思うんだけど。
さいごに
実は二週間前くらいにこの記事を書いていたのですが、情報がある程度揃うまで放置していました。というのも、ボーナストラックが一週間に1トラックずつ公開とかいうキチゲ仕様だったんですw
まぁそれはさておき、この記事を公開する約35時間後、ついに、マイケルジャクソンの未発表曲が約8年ぶりに、新たに解禁されます。
8年ですよ!? 長かった…。
未発表曲とSACDのレビュー記事書こうかな。考えておきます。
………
……え?リボルバーはまだかって?
ごめん。