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【うつ病薬を飲みたくない方必見!】うつ病薬の効果と副作用について

憂うつな気分を改善させる手段のひとつとして、抗うつ薬があります。

「抗うつ薬の種類は?」
「飲んで本当に効果があるの?」                         「副作用にはどのようなものがあるの?」

このような疑問を抱えたことはありませんか。

本記事を読むことで、うつ病治療や治療薬に関する正しい知識を学べます。
また、薬剤に関する正しい知識を身につけると、生活の質向上にもつながります。

そこで本記事では、

うつ病薬の種類
うつ病薬の効果
うつ病薬の副作用
避けた方がいい飲食物

について解説します。
メンタルクリニック門前の調剤薬局で勤務経験のある筆者が、学んだ知識をもとに解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

目次


うつ病薬の種類とは

うつ病薬の種類はさまざまありますが、治療に応じて用いる薬剤が変わります。
また、どの薬剤が自分にあっているかは実際に使用してみないことにはわかりません。

まず、うつ病は気分障害のひとつと考えられています。


精神障害のうち、長期間にわたり悲しみで過度に気持ちがふさぎ込む(うつ病)、喜びで過度に気持ちが高揚する(躁病)、またはその両方を示す感情的な障害を示す障害を気分障害といいます。うつ病と躁病は気分障害の両極にある状態です。

双極性障害(以前の躁うつ病)では、抑うつ状態と躁状態または軽躁状態(軽度の躁状態)が交互にみられます。躁状態は、過度の身体活動や、置かれた状況と著しく不釣り合いな高揚感を特徴とします。

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うつ病治療で用いられる抗うつ剤の種類は大まかに以下にわけられます。

三環系抗うつ薬


アモキサピン(アモキサン)、ノルトリプチリン(ノリトレン)、アミトリプチリン(トリプタノール)、イミプラミン(トフラニール)、クロミプラミン(アナフラニール) など

四環系抗うつ薬


マプロチリン(ルジオミール)、ミアンセリン(テトラミド) など

SSRI


フルボキサミン(ルボックス)、パロキセチン(パキシル)、セルトラリン(ジェイゾロフト)、エスシタロプラム(レクサプロ) ポルチオキセチン(トリンテックス)

SNRI


ミルナシプラン(トレドミン)、デュロキセチン(サインバルタ) など


NaSSA


ミルタザピン(リフレックス) など

SDA


リスペリドン(リスパダール)、パリペリドン(インヴェガ)、ペロスピロン(ルーラン)、ブロナンセリン(ロナセン) など

MARTA 


クエチアピン(セロクエル)、オランザピン(ジプレキサ)、アセナピン(シクレスト)


また、躁うつ病にはリチウム製剤やてんかん治療薬であるバルプロ酸が用いられることもあります。
不安症状が強い場合には抗不安薬、不眠症状が強い場合には眠剤がともに用いられます。


うつ病薬の効果


上記にあげた抗うつ剤は、主に落ち込んだ気分を通常の状態へ戻す効果があります。
初めは低容量から用いて、症状に応じて徐々に増減することが多いです。

炭酸リチウムは抗うつ薬とは異なり躁うつ病の躁状態を改善させる効果があります。
また、バルプロ酸は本来てんかん治療薬ではありますが、炭酸リチウム同様、躁うつ病の躁状態の改善に用いられます。

うつ病治療と併用して用いられる抗不安薬は、不安な気分を落ち着かせる効果があります。
睡眠薬は種類により作用時間が決められており、不眠の状態に応じて用いる薬剤を医師が決定して処方することが多いです。


うつ病薬の副作用

一方、上記にあげた薬剤にはもちろん副作用も存在します。

三環系、四環系抗うつ剤には口の渇き、便秘などがあります。
服用中には唾液の分泌を促すためにシュガーレスのガムを噛んだり、適度な水分摂取を行う必要があります。

SSRIやSNRI、NaSSa、SDA、リチウム製剤には眠気を及ぼす作用があります。
なかでもMARTAに属する薬剤であるクエチアピンは血糖上昇作用があるため、糖尿病患者に用いることは禁忌とされています。
同類のオランザピンも食欲増進作用があるため、結果として血糖値の上昇を招く恐れのある薬剤です。

数ある薬剤のなかでも抗うつ剤は用法容量を超えて使用することで、これらの副作用が強く出ることが考えられるため、用法用量を守って使用することが重要です。

自己中断をしてしまうと、かえって症状が悪化してしまったり、副作用が出ることもあります。
初めのうちは効いているのか不安だと思うことが多いですが、薬剤の成分が身体のなかで安定する目安として2週間程度かかると言われています。



普段の生活で気をつけること


ここまでうつ病治療に用いる薬剤の効果と副作用に関して説明しました。

ここでは普段の生活のなかで摂取している食物との相性や、生活する上で気をつけた方がいいことについて解説します。

アルコール


抗うつ薬全般に言えることは、アルコールとの飲み合わせです。
アルコールと一緒に服用してしまうと、薬の作用が強く出過ぎてしまう恐れがあるからです。
そのため、極力、抗うつ剤の服用中にはアルコールの摂取を控えることが望ましいでしょう。

カフェイン



カフェインは眠剤の服用中に摂取すると、覚醒作用により眠剤の効果を半減させてしまう恐れがあるため、コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲料の過剰摂取は行わない方がいいです。

また、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)と呼ばれる薬草を用いたハーブティーの摂取も薬の作用を増強させる恐れがあるため、普段からハーブティーなどを愛飲している方は気をつけましょう。

まとめ

抗うつ病薬に関してのポイントをあらためて確認しましょう。

・抗うつ病薬にはさまざまな種類がある
・治療によって用いる薬剤の種類が異なる
・副作用は用法用量を守ることで防げる
・効果が出るまでには時間がかかる
・併用しない方がいい食物もある

うつ病薬に限らず、薬剤は用法用量を守ることで安全に使用することができるでしょう。
ただし、服用したからといって必ずしも症状が改善するとは限りません。

あくまでも薬剤の服用は治療の手段のひとつとして検討しましょう。

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