見出し画像

カルチャーという言葉を理解すること

企業の経営力を高めていく中で、組織の「カルチャー」はとても重要な要素だと感じます。

カルチャー、組織文化、組織風土、など色々な言葉を使われることが多ですが、何をすれば良い方向に進んでいけるのかがいまひとつ掴みきれない。

重要なのはわかるが、何をしていけばカルチャーが強まるのか、、
成長している企業はカルチャーが浸透していて、それが最大の強みになっていると聞くが、そのカルチャーはどう作られたのか

意図して強烈なカルチャーを作っていくことができれば、競合優位性を持つことができる

人事という立場だからこそ、意図してカルチャーをつくるということを解明していく必要がある

そのためにもまずは、言葉の定義を揃えていくことが大事
曖昧かつ感覚的なものこそ基本的な考え方を整理しておくが大切


カルチャー、組織文化、組織風土の定義

1)組織風土・・・会社問わずに共通性が高いもの
         環境や状況から生まれてくるもの
         自然発生性、無意識的
         良い/悪いがある
2)組織文化・・・会社ごとの個別性、独自性が高い
         成功体験から価値観が生まれる
         自覚的、意識的
           強い/弱いがある
3)カルチャー・・組織風土+組織文化=カルチャー

組織風土は心理的安全性を確保していくもの

組織風土は良い、悪いという区別ができるものになる
風通しがいい、前向きである、主体的、協力的などその組織がもつ風土は無意識的に出来上がる。もちろんある程度、人工的な部分はあるが、組織に属する人材の普段からの行動から影響を受ける。
挨拶ができているのか、相談されたら時間をとることができているのか、困っている人が居たときに助けてあげれているか、、。
何気ない行動がその組織の風土を形つくる。そして、その行動がその組織の心理的安全性を創っていく。心理的安全性が低いと感じる組織は、普段のコミュニケーションや行動を振り返ってみると改善の糸口を見つけることができる。

組織文化は競争力をたかめる「心理的エンジン」になる

組織風土が一般的なものに対して、組織文化は「個別的、独自的」なのになる。わかりやすく表現すると「組織内で働く人たちが当然のように信じている価値観や信念」のことだと言える。
そしてこのような価値観や信念は、組織が成功をおさめることで強まる
組織文化を形成するためには「成功」という過程が必要不可欠だ。
それぞれの組織の歴史における「成功が残していったもの」が価値観になり信念。それが組織文化をつくる重要な要素になる

ただし、過去の成功体験に縛られ変化ができなることが、組織の成長を弱めるということも同時に知っておく必要がある

組織文化は企業経営において「目に見えない資産」であり、強い組織文化はそれじたいが競争優位性になる。しかしこれが「成功の復讐」にも繋がる可能性があるということだ。

成功の復讐とは、成功をおさめた企業は、その成功要因によって自滅するという言葉を刺す。環境が変化しているのにも関わらず過去の成功体験から脱却できずに衰退していくことである。
重要なことは、上手く回っており余力があるときにこそメンテンナンス(時代や外部環境の変化に合わせる)を怠らずにやり続けることが大事です。

組織文化とは「らしさ」の表現

「らしさ」とは、個性でありこだわり、DNA(遺伝子)である。その「らしさ」こそがオンリーワンでありナンバーワンの企業へ成長する手助けになる。
「らしさ=目に見えない資産」を創り出す本質的な価値を考える。

1)組織文化とは「深さ」
組織文化を表す言葉というのは、ものすごくオリジナリティがあるものはない
トヨタ:カイゼン(どこの会社でも言われていること)
サントリー:やってみなはれ(チャレンジが大事というのはどの会社も同じ)
リクルート:圧倒的当事者意識(経営者の常套句)
どの企業の文化も当たり前のことばかりである。しかし、これが競合優位性まで昇華させているのは、「徹底と執着」が他社とは雲泥の差だからである
自分たちの「らしさ」にこだわり、それを愚直に実践し、PDCAを回し続けて他社ではたどり着けないレベルにまで「深く」したことで、その企業を表す「らしさ」に繋がってる。

2)組織文化とは「成功体験」である
「らしさ」に共感し、腹落ちした社員は自らが当事者として実行し、実践しようとする。そうすると自分なりの「成功体験」に遭遇する。その経験こそが、「他者の信念」が「自分の信念」に変わる瞬間である。
組織に入る新しいメンバーが、その組織の信念や価値観のおかげで成功を収めているのをみることで、これは「正しい」に違いない。と思うようになる。外から見れば「宗教」のように見えることもあるが、それこそが強い組織文化に繋がっている。

3)組織文化とは「アイデンティティ」である
組織文化が強烈な会社は、それじたいが個性的な会社になり、その文化が「アイデンティティ」となる。既存の社員も新しくはいる社員も会社に属することじたいが誇りに思えるようになる。
組織文化が帰属性を高め、仲間意識を醸成し、組織に対する忠誠心を生み出す。自分の会社を好きになり、肯定感を高めることに繋がる。

組織文化は戦略的に生み出すもの

組織文化の形成において重要になるのは「過去における成功体験とそれが生まれるまでの過程でおきた様々なエピソード」だ。
どんな会社にも成功体験は存在する。そしてその成功までの間に経験した多くの挑戦と失敗が、組織文化形成の源となる。
自社の過去の歴史を掘り起こし、そのエピソードを言語化させることで自分たちの「らしさ」を体験することができるのだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?