ソニックシンフォニー / トロント公演でのハプニング
2月17日はソニックシンフォニーにとってのカナダ初公演となるトロント公演がありました。会場の『Meridian Hall』は3,000席ほどあるものの、チケットはほぼ完売。ありがたい。
僕以外のバンドメンバーは東京公演翌日にアメリカへ戻る便に乗り、僕は1日遅れでアメリカへ帰国。そして公演前日の16日に全員トロントへ。
現地調達する機材に加えて、ソニックシンフォニーのテックチームは約60〜70ポンドほどの重量がある機材ケースを4つ持参します。中身はイヤモニのトランスミッター、レシーバー、プレイバック用のラック、ボーカルマイク、オーケストラの譜面、など様々。
いつものように荷物を預けてゲートを潜り抜け、飛行機の遅延もなく出発。
到着後に入国審査を済ませた後、全てのケースに入れてあるアップル社のAirtageからの位置情報を確認してみると、なんとケースが1つボストンに残されたまま。このケースの中身は、僕のステージ衣装とギターのペダルボード。そして運悪くいつも使ってるカスタムイヤモニまで…
航空会社にそれを伝えたら「オッケー、今夜にはホテルに届けるから大丈夫」と返答をもらいホテルへ。しかし夜になってAirtagを確認すると、位置情報はカリフォルニア州のサンフランシスコを示してる。どうしてそうなった。
すぐにプロダクションマネージャーのマークが航空会社へ電話して猛抗議したものの、ケースはさらにバーバンクへ移動し、翌日のサウンドチェックまでに届くのは絶望的に… 即座にテックチームと情報共有し、同じペダルを探してトロントにある全ての楽器店へ電話。運良く1軒だけ見つかり即予約。
そして公演当日。
テックチームと僕はいつもと同様に朝8時会場入り。一通り指示を出し終えたらUberを調達。開店時間に合わせて楽器店へ突入して、急いでペダルのレンタル手続きを済ませて会場にトンボ返り。会場へ戻ってペダルをテクニカルディレクターに手渡すと、凄まじい速さでセットアップしてくれた。さすがこのペダルの開発に関わってる人間だ。すごい!
彼のおかげもあってサウンドチェックは無事終了。
しかし、今度は届かないケースに入ってたステージ衣装をどうにかしなくてはいけない。本番開始まで残された時間は2時間。近くのショッピングモールに行ったものの、全然良いものが見つからない… そして周辺にもあまり目ぼしい場所が見当たらない。
色々検索すると、車で30分くらいの距離にハイエンドなショッピングモールが。そこに行くしかない。Uberに飛び乗り、車内からモール内のお店に電話して大きなライブ出演があること、そして必要なものを伝える。到着したらお店に直行して、ソニック並みの速さで試着から購入まで完遂し、買ったものを着けた状態で再び会場へトンボ返り。
ようやく会場に戻ったのは、第1部の3曲目が始まった頃。
そんな感じで色々とあったけれど、バンドが参加する第2部は問題なく完走。窮地を乗り越えた日は、決まって打ち上げもいつも以上に盛り上がる。案の定この日もそうなった。
夜が明けてAirtagを調べたら、ケースがバーバンクからサンフランシスコに戻ってる。
全然近付いてないじゃないか!笑
諦めて帰国した次の日、ケースは当初の目的地であるトロントに到着したとのお知らせが届いた。そこで2日間立ち往生したあと再び各地を転々としてから、ようやく手元に戻ってきてくれた。
ボストン、サンフランシスコ、バーバンク、サンフランシスコ、シカゴ、トロント、インディアナポリス、ボストン、という壮大な旅を終えたケース。おかえり。長旅おつかれさま。
航空会社はステージ衣装に費やしたコストを一部被ってくれた。全額とまではいかなかったけれど、結果ライブは成功したので妥協できる範囲内。
ありがとう。
でも実はこう思ってたんだ。
「それよりも、ケースが旅した分のマイルくれないかな」
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