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地球沸騰化時代の到来

 「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」
 世界の7月の平均気温が観測史上最高の16.95°Cを記録した昨年、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が、上記のような強いメッセージで警鐘を鳴らし、各国に気候変動対策を強化するよう求めた。<2,335文字>

 今年の夏は昨年よりもかなり暑い日が続いていることを危惧している。日本人も世界で暮らす人々も、「ゆでガエルの法則」を甘く考えているのか、少しずつ夏の気温が上昇し、「温暖化」という呼称が「沸騰化」に変わってもその対策に積極的に取り組んでいるとは言えない。

 思った通り昨年よりも暑い夏がやって来てしまった。日本に暮らす私たちは、数十年に一度といわれる大雨が毎年のように少しずつ増え、5月には熱中症になる人が年々増え、猛暑日が大幅に増加している現実に直面しても、それが「あたりまえ」だとでも言わんばかりに危機感を持っていない。

 18世紀半ばに始まった産業革命以来、世界の平均気温はすでに約1°C以上上昇した。地球沸騰化により、世界各地で極端な気温上昇、豪雨、干ばつなどの気候変動が顕在化しているのだが…。1992年にリオでスピーチしたカナダ人のセヴァン=スズキさん、数年前から気候危機に対するの大人の取り組みの甘さに怒りを込めて訴えているグレタ・トゥーンベリさんの「声」は、各国の首脳や大人たちには届かない。自然災害による人命や生活・インフラの危機、農業の不振による食料難や貧困層の増大、熱波による健康被害、生態系の破壊など、さまざまな面で影響が出ており、気温の上昇が続けばさらに影響は甚大なものになるといわれているのに…。

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