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生分解性プラスチックは地球を救うか?

 地球環境問題として、海洋のプラスチックごみ汚染が深刻化している。。1950年以降に生産されたプラスチックは83億トンを超え、63億トンがごみとして廃棄されたと推定される。特に、捨てられたプラスチック容器が海に流れ込んだ海洋プラスチックごみは、徐々に劣化・微細化してマイクロプラスチックになり、生態系や海洋環境の悪化などの問題を引き起こし世界的に注目されている。

 例えば、死んだ海鳥の胃からプラスチックが見つかったり、また投棄された網などの漁具が海洋生物に絡まったりするなど、生態系だけでなく漁業そのものにも悪影響を及ぼす。

 プラスチックごみ問題についての解決策のひとつとして提案されているものに「生分解性プラスチック」がある。

 「生分解性プラスチック」は、製品の使用後に、特定の条件で生分解されるプラスチックだ。通常のプラスチック製品と同じように取扱いできるが、使用後は自然界に存在する微生物の働きにより分子レベルまで分解され、最終的に「二酸化炭素(CO2)」と「水(H2O)」になる。

 生分解性プラスチックとは
●微生物産生系:微生物を利用して作られるもの。
●天然物系:植物由来のセルロースや、トウモロコシなどの穀物類、ジャガイモなどのイモ類から抽出されるもの。
●化学合成系:化学合成反応により生産するもの。

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