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反戦歌「花はどこへ行った」より

 2022年2月26日、歌手のMISIAさんが名古屋市でのコンサートで、反戦歌「花はどこへ行った」を歌った。2月24日にロシアがウクライナに侵攻したことを受け、この日の曲目に加えたという。「花はどこへ行った」は米国のフォーク歌手ピート・シーガーさんが作った曲で、1960年代にベトナム戦争に反対する若者の間で広まり、世界的に大ヒットした。日本では、加藤登紀子さん,Yellow Magic Orchestra,Mr.Children,忌野清志郎さんらがカバーしてきた反戦歌だ。

 加藤登紀子さんが日本語に訳した歌詞は以下の通りだ。
  どこへ行ったの 野に咲く花は
  遠い昔 そして今も
  野に咲く花は 少女に摘み取られた
  いつになったら 人は気付くのでしょう

  どこへ行ったの 可愛い少女は
  ずっと昔いえ つい昨日のこと
  可愛い少女は 若者の胸に
  愛を求めて その身を捧げた

  どこへ行ったの 若者たちは
  少女が愛した若者たちは
  銃を手にして兵士になった
  愛する人を 置き去りにして

  どこへ行ったの 兵士たちは
  故郷遠く 離れて
  兵士たちは 墓の土になった
  誰にもしられず 見捨てられて

  どこへ行ったの 兵士の墓は
  時が流れて いつの間に
  兵士の墓は 野に咲く花に
  誰も知らない 野に咲く花に

  どこへ行ったの 野に咲く花は
  遠い昔 そして今も
  野に咲く花は 少女に摘み取られた
  いつになったら 人は気付くのでしょう

 MISIAさんは「とにかく、嫌だって思う。人が殺して殺されて、悲しみ、苦しみ、恨みが残るのは歴史の中で分かっている。平和への祈りを込めて歌いたい」と観客に語りかけた。少女が花を摘んで愛する人のもとへ行き、その人は兵士となって戦死し、戦場の墓にはただ花が咲いているだけ。そんな戦争の悲哀を静かに伝える曲を切々と歌い、「戦いのあとに残されるものは いつの時代も悲しみだけ いつになったら 人は気付くのでしょう」と歌詞をアレンジして思いを乗せた。

 8月6日の朝日新聞にMISIAさんの記事が載っている。長崎市出身のMISIAさんは、中学生のころ、長崎市の原爆資料館で子どもたちが被害に遭った写真を見た。親族からも原爆が落とされた日に、多くの人が水を求めていたという話を聞いていた。名古屋のコンサートで「花はどこへ行った」を歌おうと決意したのは、ステージダンサーの中にウクライナ出身者がいたからで、すぐにウクライナ支援プロジェクトを開始した。ウクライナの子どもたちに、夢にチャレンジできないまま戦争で命を落としてほしくないと語っている。

 宇宙飛行士たちは、地球の外から地球の美しい姿を見て、心底感動すると聞く。奇跡のような美しさの地球をいつまでも守りたい、地球の美しさが永遠に続くように祈るとともに、戦争や環境破壊の愚かしさを実感するという。宇宙から見た美しい地球には国境もなく、争いも感じられないからだ。

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