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絵画の道行き ~ステキな作品との出逢い~

 家族でふと名古屋市術館を訪れてみた。行ってみると、𠮷本作次という岐阜県出身の特別展が開かれていた。残念ながら今まで全く知らなかった方の作品展だ。内容を紹介するチラシには、
 「うねるような力強いストローク(筆触)と重厚なテクスチュア、それとは全く対照的なグラフィカルなイメージや浮遊するかのようなフォルム。それらが展開する大画面は、正しくスぺクタクルを伴いながら「絵画」を頌歌するものでした。」
と書かれている。何を意味しているのか芸術に詳しくない私たちには何のことやらよくわからない。家族で協議した結果、せっかく来たから観賞してみようという結論に達した。

 『絵画の道行き』と銘打たれた絵画展。1959年、岐阜県で生を受けた吉本作次氏は、1985年ごろから画家としての一歩を始めたようだ。当時の𠮷本氏の作品は「黒」のイメージがかなり強く現れ、抽象的ながらも力強さを感じる作品が多いように感じた。

 1990年代後半になると、中国絵画の筆法を取り入れ、力強い作品から繊細な線の要素が取り入れられた作品へと進化を遂げる。しかも、絵画の中に小さく人間の姿が描かれるようになり、とてもほのぼのとする。絵の中のどこに人が描かれているのかを見つけるのが楽しくなった。

森の学者

 個人的には2020年に描かれた「森の学者」という作品がステキだと思った。

 展示の最後に、木枠に貼られていないキャンバス(帆布)だけに描かれた作品が3作あった。学芸員の方にお話を伺うと、今回の催しが始まる直前まで𠮷本氏が手掛けていた作品のため、キャンバスに貼らないままの展示がされているとのことだった。それがまた素晴らしい作品なので最後に紹介しておきたい。

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