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Awe(オウ)体験が脳磨きにつながる!

 Awe体験という言葉に出遭った。
 Awe体験というのは、もともとは大自然とか大宇宙の広大さとか悠久さに心が震える体験を指した。宇宙飛行士が宇宙空間から青く美しく光る地球を見ると、自分は大いなる何者かに生かされていると実感して深い感謝の念が湧いてくるという。こうした心震える感動体験をAwe体験といい、宇宙の悠久さや自然の広大さを前に「自分を小さい」と感じるとき、人は非常に謙虚な気持ちになり、そして素直に感謝の気持ちを持つ。その結果、前向きにもなり「世の中のため、誰かのために役立ちたい」という思いを強くする。Awe体験は大自然の前でちっぽけな自分を感じた時や、徳の高い人の言動に感動した時などにも体験することがある。そのような強烈なAwe体験をしているとき、脳は通常の何十倍、ときには何百倍も活性化していることが多くの研究から明らかになってきている。

 これまでの人類の歴史で、いろいろな哲学でいうところの「Sublime(荘厳で気高い心の状態)や、中国古典にある「良知」というものも、仏教の「悟り」というようなことも、脳の活動を調べることで「Awe体験」を指しているようだと脳科学の分野では言われるようになってきている。このようにみていくと、とてつもなく高まった心の状態や、深淵な哲学を極めた状態、道徳的に生きるということ、そして、高いパフォーマンスの経営に至るまで、ベースになる脳の使い方は「Awe体験」と見られるようになってきている。Awe体験をしていると、凄まじいエネルギーが、自分だけでなく周りの人たちにも伝播していく。みんなの心が繋がって「この仲間で一緒に頑張ろう!」という状態になることを脳科学では「感情伝播」という。

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