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民の安全・安心とは何かを問い続けた知足の人:保科正之公

   什の掟
一、年長者の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人と言葉を交へてはなりませぬ
 ならぬことはならぬものです

 これは会津藩「じゅうおきて」にある言葉だ。会津武士の子どもたちへの、「このようにしなければならない」という心構えとしての教えだ。この「什の掟」が登場したのが、2013年NHK大河ドラマ「八重の桜」だ。山本八重は同志社大学の創始者・新島襄の妻として、幕末から明治・大正・昭和にかけて活躍した女性だ。会津地方ではすでに「八重の桜」ブームに火がついて、観光土産店では八重グッズの売れ行きが好調だった。しかしながら、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方にスポットを当てた大河ドラマとして、原発事故からの復活の起爆剤になることが期待された。「八重の桜」の主人公である新島八重は日本のジャンヌダルクと呼ばれたが、東北地方の観光復活のジャンヌダルクにもなった。

 平成18年に長野県伊那市は高遠町と長谷村と合併した。そして、旧高遠町と会津若松市が友好都市の関係であったことから、合併後の伊那市と会津若松市は、引き続き友好都市の提携をした。
 長野県の高遠と会津若松の友好の理由は、会津藩の藩祖として、また江戸につめながら、徳川家光や家綱を補佐し、善政をした保科正之にある。会津藩種になる前は高遠藩主として善政をおこない、領民からも幕府からも全幅の信頼を得ていた人だったからだ。平成16年には「名君保科正之の大河ドラマを作る会」が発足し、保科正之のNHK大河ドラマ化を目指しているとのことだ。                   <字数:3423文字>

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