マジックショーMirageの裏側
2020年10月24日に山口県山口市で開催されたマジックショー 「ミラージュ」。
岩根佑樹さん、鈴木駿さんをゲストに迎え、約90分のショーをお届けしました。
・Mirage見てみたかったけど、見れなかった方
・ショーを見て感動してくれた方
はもちろん
・自主イベントを開催していきたい方
にも読んでいただきたいです。
この記事では
・ショーの内容の振り返り・裏話
を通して
・自主開催イベントのやり方(準備や宣伝など)
についてお話したいと思います。
ファンの方には純粋に見て知って楽しんでいただき。
また、これから自主開催でイベントを行う方の参考になると嬉しいです。
そして特典として(あくまでおまけですが)この記事をご購入頂いた方はMirageのダイジェスト映像がご覧いただけます。フル演技はいくつかの演目のみしかありませんが、収録時間は37分と大ボリュームです。かなり楽しめます。
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※ダイジェスト映像の視聴リンクは本文の一番下にあります。
新型コロナウイルスが猛威を奮い、現在イベント業は廃業もしくはそれに近い状態にまで追い込まれています。
2020年はオンラインでのショーやレクチャーなど色々なことにチャレンジしました。
そして初めての「ホールでの自主公演」も。
それが「Mirage」です。
MAGIC SHOW "Mirage"
今回は194名のお客様にご来場いただきました。会場はもともと512席。200席限定でのご用意でしたが、惜しくも満席にならず。それでもたくさんの方に見ていただくことができ、主催者としてとても幸せでした。
〜出演者〜
岩根佑樹
18歳で、3年に一度開催されるマジックワールドチャンピオンシップ"FISM"のマニピュレーション部門3位を獲得。(世界最年少記録)
現在弱冠20歳でありながら日本のマジック界を牽引している。
高重翔
山口県宇部市出身。23歳でプロマジシャンとしてデビュー、26歳で「FISM」クロースアップパーラー部門世界三位を獲得。(日本人史上初)
TV・CM・イベント出演等で活躍している注目の若手マジシャン。
鈴木駿
世界大会FISMアジア予選の今シーズン日本代表選手。次世代を担うステージマジック界のホープ。
山田香織(MC)
ラジオパーソナリティやTVCM出演を中心に、婚礼やイベント司会者としても活躍中の美人アナウンサー。
開催を決めたきっかけ
・自ら仕事を創出する
・文化庁の補助金を利用したい
・地元の皆さんに良いショーを見せたい
というのがメインです。
個人的には
「岩根さんともっと仲良くなりたい」というのもありました。
ファンですからね。
仲良くなってその天才的上手さの秘密を知りたい。
それくらい、岩根さんは僕の尊敬するマジシャンです。
彼を知らない方は、まずはSNSで探しましょう。間違いなく今後の日本マジック界を背負って立つ方です。
メインゲスト岩根さんとの出会い
マジックの世界大会「FISM」では部門は違えど同じ3位を受賞しています。
ですが大会期間中は全く接点がありませんでした。
ステージ部門の選手とクロースアップ部門の選手はスケジュールにズレがあり、お互いの部門の演技を見ることはかなり難しいのです。
例えば、ステージ部門本番中、別会場でクロースアップのリハーサルをしていたり。
世界大会では岩根さんの演技を見ることはできませんでした。
特に話す機会もなく
接点と言えば、受賞後に記念写真を撮った時くらいです。
そもそも、あまりクロースアップ代表とステージ代表って今まで接点が少なかったような気もします。
☆クロースアップ部門出場者が世界大会で活躍するには、ステージ部門の演者から学ぶのが良いと個人的に思っています。FISMを目指すマジシャンの方はぜひ意識してみてください。
初めて岩根さんの演技を見たのは、2018年の年末くらいにNHKのEテレで放送された「沼にハマって聞いてみた」という番組です。「天才高校生マジシャン」として取り上げられていました。
番組で演じられたのはFISMアクトのショートバージョンでした。
凄すぎて、TVの前で固まりました。一瞬で大ファンになりました。
”美しい”という境地
マジックの技術的な熟達レベルは、このような段階があると考えています。(個人的見解)
①「やり方を覚える」
②「種がバレなくなる」
③「人前で演じることができる」
④「美しい」
③の段階まではある程度の練習と実戦経験でたどり着けます。しかし④までたどり着くには相当な努力と才能が必要です。
美しさを表現するには手先だけの問題ではありません。
立ち姿・衣装・顔だち・表情・仕草全てに拘らなければ美しくはなりません。
体の向き、視線の動き、指先の繊細な動作一つ一つに意味があり、みている人の感情を動かします。
「手を開く」という動作だけでも、指先から色気を発し、魔法を感じさせることができるのです。
☆ただ開くだけじゃダメ。
日本には多くのマジシャンがいますが、「美しさ」を感じさせてくれるマジシャンはほんの一握り。
特に岩根さんは「美しさ・魔法感」へのこだわりを強く持っているように感じます。
当時18歳。きっとアスリートのような修練を重ねてきたに違いありません。
ちゃんと話したのは2019年1月
福岡の黒崎博人さん主催の「THE WORLD CLASS」というショーが2019年1月6日に開催されました。
ありがたいことに、岩根佑樹さんと僕をゲストに呼んで頂きました。
控え室が同じで、この時初めて挨拶を交わしました。
リハーサルで、衝撃を受けます。
岩根さんはフル手順を演じたのですが、ショートバージョンとの違いに驚き。
次元が違いました。かれこれマジックに10年以上携わっているのにもかかわらず、目を疑う現象の数々。
生で見てしまった事で、さらにファンになりました。
2019年8月にもマジックポットコンベンションで共演させて頂きました。
その際、弟子の鈴木駿さんというマジック上手すぎモンスターにも知り合うことに。
教えるのも上手い
2020年2月、岩根さんのレッスンを受ける機会に恵まれました。
教えて頂いたのはカードマニピュレーションの基本。
レッスンでは技術的なことだけではなく、考え方まで教えて頂けます。
特に
【自分が魔法が使えると仮定したときに、どのような動きをするか】
【指先の動きで、魔法を表現する】
この2つが心に残っています。気になる方はぜひレッスンを受けてみて下さいね。
鈴木駿さん
鈴木さんは全日本学生マジック選手権の優勝者で、次回のFISM日本代表に選出されている実力者です。
全てのスライハンドが研ぎ澄まされているのは当たり前、間の取り方や表情の作り方、テンポなど、あらゆる点において素晴らしい演者です。岩根さんから「鈴木君も出すのはどうでしょうか」とご提案いただきまして、僕としては願ったり叶ったりでしたので、お願いすることにしました。
既にフライヤーを印刷済みで、鈴木さんを載せられなかったのが申し訳ないです。
プロマジシャンとは?
鈴木さんはまだ学生さんで「アマチュア」ということになりますが。ここまでできるプロは日本にはほとんどいません。
もはやプロとは何なのかと考えさせられます。
マジックはタネや仕掛けの優秀さによって成り立っているものも多く、初心者でもある程度練習すれば形になるものも多いです。
「マジシャンの技術レベルの違いなんて一般のお客さんにはわからないからプロマジシャンになるのは簡単」だと最近まで思っていました。
しかし本当にそうでしょうか。一般のお客さんもバカではありません。演技をちゃんと見た時に、「その人がどのくらいマジックと真摯に向き合ってきたか、修練を積んでいるか。」そんなバックグラウンドを多少は感じるはずです。
起きている現象だけを見て反応できるほど単純じゃないはずです。
人前に立つ人は皆同じだと思いますが
「コンテンツを通してその人自身を見せている」のだと思います。
お客さんはマジックを見にきたけれど、その奥にある人間性や努力、ざっくり言うと「魂がこもっている何か」が垣間見えた時に感動するんだと思います。
今回のショーでは、お二人の魂がバッチリお客さんに伝わったようで、とてもうれしかったです。
きっと「マジックのイメージ」が変わった方も多かったはず。
そんな演技ができる人が「プロマジシャン」と呼べるのではないでしょうか。僕はそう思っています。
自主公演の準備とは
ホールでの自主公演を行うのは初めてでした。
今までの公演はマックスキャパ50名の小さな会場で「クロースアップマジック」メインのワンマンショーでした。
準備するのは会場、助演の出演者・会場スタッフバイト。
くらいでした。音響も自身でやっていました。
ホールでの公演がどれだけ大変かわかっていなかったんです。
ホール公演に必要な準備
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