笑うマトリョ―シカ（涼を求めて）

笑うマトリョ―シカ（涼を求めて）

                 神宮　みかん

東京都知事選に出た石丸伸二の演説（元安芸高田市長）

「恥を知れ。恥を」

　素晴らしい言葉だな、と思う。ただ、聴衆を惹きつけたのはこの言葉ではなく、この言葉の後に付け加えた一文と語調ではないだろうか。私はそう思う。また多くの人がそう思うに違いない。

　まさしく『笑うマトリョ―シカ』

同時に拝金主義が色濃くなる社会において貧乏自慢が好まれなくなっている。でも、石丸氏は貧乏であることを自慢にし、その反骨精神を大事にし、成長を続けている。

　ここで夏だけに私の涼を求めた貧乏自慢を一つしたい。

私の部屋はクーラーが点かなくなっている。

　点かない？　という表現に対して間違っているよ。クーラーがないだけでしょ？　それか壊れているのでしょ？　と読者は思うだろう。違う。ブレーカーが落とされているのだ。

　何で？　と思うだろう。どこで涼を得ている？　と思うだろう。

でも、答えは無数ある。それが、想像で人を楽しませる文字の良い所である。