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新聞記者やめた僕が、それでも新聞を届けたい理由 #就活の真実

2019年9月末、新卒で8年半勤めた新聞社を辞めた。記者クラブのくたびれたソファーに座り、自分の署名が入った新聞記事に目を通す。何枚もページをめくった指先はインクで黒く汚れ、少し感傷的な気分になった。「もう、新聞を作ることもないんだな」

その5カ月後。なぜか僕は、締め切り間際の新聞の校閲作業に追われていた。

それは、僕がずっと作っていた新聞と何ら変わらなかった

中部地方にある中日新聞社を退職した僕が、次に選んだ職場はワンキャリアという会社だった。就職活動サイト「ONE CAREER」の編集者として、就活生に記事を届ける。主戦場は紙からWebに変わった。

自分でも驚くくらい、戸惑いは少なかった。むしろ、就活という人生の転換点を迎える学生の力になれることが、うれしかった。マス(大衆)を相手にする新聞では、なかなか得難い感情だった。

新聞記者を卒業したんだな。そんなことを考えていたら、社内の会議で、こんな企画が飛び込んできた。

就活生新聞


3月1日、就活情報が解禁されるこの日、不安を抱えてスタートを切る学生も多い。そんなときにワンキャリアができることは、「確かな情報」を読者目線で届けることだ。それを形にするため、就活生新聞を作ることになった。

ONE CAREERに集まった30万件以上のクチコミに加え、学生への追加取材を行った。記事こそプロのライターや編集者、デザイナーらと作り上げたが、まさに学生の声から生まれた新聞だ。

前の職場では、よく災害現場を取材した。「行方不明の息子のことを知りたい」「遠くにいる親戚に、自分は無事だと伝えてほしい」。出会った人たちの不安を和らげるためには、正しい情報を読者に届けるしかない、と思った。

就活生新聞でも、読者の気持ちに寄り添おうと、当事者の声に耳を傾けて一文、一文を書き上げた。それは、僕が前の職場で作っていた新聞と何ら変わらなかった。

いや、それ以上に「誰のための新聞か」という問いを強烈に突きつけられた。

新聞に込めた「就活の真実」を届けたい。ご協力してくださる人を募集中です

今年の就職活動は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、例年とは違う動きになっている。説明会などのイベントは中止になり、不安を抱える学生もいる。

就活生新聞も当初は号外として大々的に配布する予定だったが、衛生面を考えて大規模配布は中止。現在は全国3ヶ所(渋谷109前、JR大阪駅の構内、名鉄名古屋駅の構内)のみで手に入れることができる。だが、それもまもなく終了する(渋谷は3月6日(金)、大阪・名古屋は3月8日(日)まで)。

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新聞記者だった自分なら、こんな状況はいたたまれないだろう。でも、ワンキャリアの社員となった今、僕にはできることがたくさんある。

相次ぐ説明会中止を受けて、ワンキャリアでは急遽YouTubeで企業説明会のライブ配信を実施している。就活生からの質問もリアルタイムで受け付けている。

そして、サイト上ではこれまで通り、就活記事を発信している。Web面接をする企業が増えるかもしれないと、その対策法をインタビューした記事も公開した。

それでも、やはり、就活生新聞は届けたい。「就活の真実」というキャンペーン名だけだと仰々しいが、「就活生の役に立ちたい」と仲間と共に作り上げた不安な人へのエールだと思っているから。

今まで僕が関わった新聞の中で最も学生に読まれた、いや、役に立った新聞にしたい。

就活生新聞を届けるために協力してくださる方を、募集中です。

【大学関係者の方々へ】
今回、1.5万部を刊行した「就活生新聞」を無料で送付します。
学生の方々へ届けるために、以下フォームからお知らせください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfk5CaNRBEs4OkJM5U3MwBBNGTdXkZaP-X-_jqzqqC1OuR9BQ/viewform

【メディア関係者の方々へ】
「就活生新聞」を無料で送付します。以下フォームからお知らせください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeWGNhztuAQofMHL6of_W2Eo9J-fpPwUIMragMja8IoaTnZUA/viewform

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