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とんかつ屋で思ったこと

とんかつが好きなので最近はよく食べに行く。今回の記事では、ある2つのお店で食べてみて、その特徴について書こうと思う。

はじめに説明するお店は、全国各地に店舗を構える有名なとんかつ屋だ。とんかつが美味しいことはもちろんのこと、それ以外のサービスも充実している。例えば、ご飯と味噌汁、キャベツは無料でおかわりができる。キャベツにかけるドレッシングや、お茶も自分で注げるよう急須が用意される。また、たれの入ったお皿やとんかつにのせる大根おろし、玄米塩も配膳されていた。

メニューを伝えるときや、おかわりをする際には、ボタンを押して従業員を呼ぶ。わざわざスタッフに気を配って、声をかけるタイミングを伺う必要がない。上記で述べた、自分でお茶を注げるようはじめから急須が用意されていることなど、自由で気軽に食事を楽しむ配慮がなされている。

一方、もう一つのお店は特徴が全く異なる。こちらは老舗で、全国に店舗は展開されていない。僕が食べた定食の価格は先に紹介したお店とほとんど変わらなかったが、物質的なサービスはそこまで充実していない。とんかつとご飯と味噌汁、キャベツのみが用意される。とんかつはソースを直接かけて食べる。キャベツにドレッシングはない。非常にシンプルだ。ご飯のおかわりは無料だが、その際やお茶を頂くときにはスタッフに声をかける必要がある。ボタンを押す形式ではない。

しかし、ここがすごい。例えば、食べるものが決まり、メニューの冊子を閉じているお客さんには、すぐに従業員が向かい、注文を伺う。また僕はとんかつを半分残した状態でご飯をおかわりするのだが、ご飯はないがとんかつが残っている状況から、ご飯のおかわりを推測し、店員さんの方から声をかけてくれた。料理をしているスタッフとお客さんとの会話も見られ、常連と思わせるような振る舞いをする人も見られた。

このような配慮は、物質的なサービスとは異なるもので、気遣いや配慮といった人間の精神面に直接的に関与するものが含まれる。どちらのサービスを好むのかといったことは人によって異なる。それが客層が異なる理由でもあるのだろう。不特定多数の人から求められる要素を、上記のような形で明確にして差別化してるところが、見ていて非常に面白かった。

2021年11月29日

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