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3.エアコンと温暖化

皆さんこんにちは!shotaです。

もうすぐ6月に差し掛かり台湾でも熱くなってきました。
皆さんも熱中症にならないよう、こまめに水分補給をしている事でしょう。
さて、暑い季節の必須アイテムといえばクーラーですよね!

僕もどうしても暑い日は部屋でクーラーをつけています。
昔ネットで調べたことがあるのですが、クーラーは環境に悪いと聞いたことがあります。
そこで今回は「クーラーは環境に悪いのかどうか?」についてまとめてみました。


1.ヒートアイランド現象

知ってる人もいるとは思いますが、改めて簡潔に説明すると、

ヒートアイランド(heat island=熱の島)現象というのは、都心部の気温が周囲よりも高くなる現象のことです。
気温を分布図で描いてみると、高温になる領域が、都深部を中心にして、島のような形に分布するため、ヒートアイランド(熱の島)現象と、呼ばれるようになりました。

ヒートアイランド現象は地面がアスファルトなどで覆われて、太陽光やエアコンの室外機などから放出された熱が地面や木々にに吸収されずに、コンクリートのビル郡によりさらに熱の反射をうけ、その熱が大気中にそのまま上昇していきます。

エアコンの室外機なども影響の1つです。
しかし、地球温暖化とヒートアイランド現象は別物です。

地球温暖化は人間のエネルギー活動が原因で気温の上昇をもたらすという点では同じです。

ヒートアイランド現象の概念図

ヒートアイランド現象は、高層ビルなどの人工的な構造物や、先ほどのエアコンの室外機などの排熱が影響し、気温が上がる現象です。

なので勘違いしてしまいがちなのですが、その仕組みや現象の規模が、全く異なっています。


2.エアコンと温暖化の関係

大気中のCO2濃度が増えているのは、石炭や石油などの化石燃料の使用が増加したことが原因。
そこで思い出したいのは、私たちが家庭で使う電気は、発電所で石炭や石油を燃やして作られているという事実です。風力発電や水力発電など複数ある発電方法の中で、日本では、化石燃料を燃やす火力発電が全発電量の約8割を占めています。
つまり、私たちが電気を使えば使うほど、その電力を作るために発電所で多くの化石燃料を燃やしてしまうことになるのです。

日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」

こうしたヒートアイランド現象による気温上昇の一因でもあるエアコン使用の影響。
そのエアコンの使用方法で、地球温暖化防止に役立つことを紹介します。

冷房の設定温度では、東京都では「室温28℃」を目安にすることを推奨しています。
冷房の設定温度を20℃の場合、一時間消費電力はで約5~6KWになります。
これが28℃だと約3~4KWになるのです。

日本の主な電力の供給源である火力発電で、この1KWあたりの二酸化炭素排出量を考えると、約0.4~0.7kgになります。

ちなみに、暖房の場合は、「室温20℃」を目安が推奨設定温度としています。

たかがエアコンの温度設定と思われるかもしれませんが、地球温暖化対策で、エアコンを使用する際の影響を考えれば、推奨設定温度にすることの大切さがわかるのではないでしょうか。


3.CO₂排出量

東京工科大学がまとめた記事によると、
クーラー一台分のエネルギー消費、約100Wの人工熱によって地球がどのくらい暖まるのかを概算してみた場合。

これが全部熱に変わって地球を暖めるとしましょう。

地球の熱のバランスに新たに QH [W]の人工熱を加えると、その影響で変化する地球の温度 ΔT は

ΔT ≒ 1/4 T (QH/QS)

と評価されます。ここで T は地球の温度で 300K としましょう。QS は太陽から来るエネルギー でアルベドを考慮した値で 3.04×1016 Wです。QH = 100 W として値を計算すると

ΔT ≒ 2.47×10-13 K

となりました。
要するに「四兆分の1℃」。こどもの口げんかみたいに「すごーく小さい」値だということが分かると思います。例えば世界の人口が100億人になって皆が一斉にクーラーを使ったとしてもまだ「四百分の1℃」です。
これは温室効果の影響を計算したものではなく、どちらかと言えばヒートアイランド現象(の一部)に類似した効果です。

温暖化の効果は、100Wの電力を使用するとどのくらいのCO2が出るかというと、計算は省きますが、先ほどのヒートアイランド現象と同じ、 
2.0×10-13 ℃です。
この計算は「100Wを一年間使い続けたら」という計算であり、
本当は一年当たりの温度上昇、あるいは温度上昇速度なので 2.0×10-13 ℃/y と表現すべき値であり、そもそも単位が違う様です。

排出された CO2 は大気中に残り続けるのですから、地球温暖化の効果を1℃以下に抑えるには
世界の人口が100億人になって皆が一斉にクーラーを使った場合、世界の人々はクーラー400台分のエネルギーしか使えないとも言えるのです。
それも一生涯で、いえ、子々孫々に至るまで。そう考えるとどうでしょうか?
この場合、本当は「クーラー400台分」も余裕はないことになります。

気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」では、産業革命前を基準に世界の平均気温の上昇をできるだけ1.5度以内に抑えるため、批准した各国に対して、21世紀後半までにCO2排出を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にすることを求めています。
日本はこれに対して、「-46%(2013年度比)さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていく」と表明しています。
ちなみに、2013年の日本の二酸化炭素排出量は14億800万トンと、過去最高でした。

CO2を排出しない再生可能エネルギーへの転換が完了するまで、私達がこの制限から解放されることはありません。


いかがだったでしょうか?
たかが1℃といっても、それがどれだけ深刻なことか理解できたでしょうか。僕もクーラーに限らず電化製品は出来るだけ使わないことを心がけます。
皆さんも、地球の為に小さな努力を継続していきましょう!

それでは、また次回の投稿で!


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