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非力ながらトルネード被災地に寄付します

アメリカのケンタッキー州と云われても、多くの日本人にとっては「ケンタッキー・フライド・チキン」しかイメージできるものはないかと思います。
実際、ケンタッキー州の大学を出た私は、これまでそのように何十回も言われてきました。

ケンタッキー州は、合衆国の中央部よりやや東寄りに位置し、南北戦争のときには中立でしたが、文化的には南部に含まれる地域です。

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野球もフットボールもバスケットボールもホッケーも、プロチームはありません。
だから日本人になじみが薄いのは仕方ないのですが、トヨタの工場はあります。

フライドチキンのCMでも使われていた「ケンタッキーの我が家」という古い歌は、ケンタッキー州の公式州歌でもあり、ケンタッキーには家族でテーブルを囲むような牧歌的な雰囲気があります。
だからこそ、カーネル・サンダースは60才を超えてケンタッキーの片田舎で売りはじめたフライドチキンのビジネスを拡大して、遠く離れたユタ州に第一号店を出したときに「ケンタッキー・フライド・チキン」と名付けたのです。
ケンタッキーにはそのほかの名物として、競馬のケンタッキーダービー、バーボンと呼ばれるケンタッキーウィスキーなどがあります。
私は競馬はしないのですが、バーボンには毎晩のようにお世話になっています。メイカーズ・マーク、オールドクロウ、ジム・ビーム、I.W.ハーパー、フォアローゼス、アーリータイムズなど、飲まない人でも耳にしたことがあるであろうこれらのウィスキーは、すべてケンタッキーウィスキー=バーボンです。

州のニックネームは「ブルーグラス・ステイト」。
マンドリン、フィドル、バンジョーなどを使うブルーグラス音楽も由来は同じで、ケンタッキー・ブルーグラス(日本名「ナガハグサ」)という植物からきています。牧草としてもよい草で、ケンタッキー州をクルマで流せば、青々としたうつくしい牧草地に、馬や牛が草を食む姿がそこここに見られるはずです。

私が卒業したWestern Kentucky UniversityはBowling Greenというケンタッキー西部の町にあります。
大学とコルベット博物館以外なにもない小さな町(といってもKY州の中ではルイビル、レキシントンに次ぐ三番目の大きな町)なので、よく”Boring(退屈な) Green”と冗談にされました。

そんな町の名前をニュースで見ることになるとは思いませんでした。

アメリカの中西部と南部で、40前後のトルネードが多発して、1000以上の家屋が破壊され、ケンタッキー、イリノイ、テネシーを含む5つの州で死者が出る大災害になりました。現在の行方不明者数も考慮に入れると、100人以上の命が失われることになりそうです。

こちらは2015年に私がカナダでひと夏カウボーイの仕事をしたのちに母校を訪ねたときの写真です。

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大学は丘にあり、そこからの眺めが好きでした。

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以下は、いまでもケンタッキー州に住む元ルームメイトからの写真です(彼自身は家族もふくめ無事です。ただ、電力会社勤務なので復旧作業が大変みたいです)。

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「なにかできることはないかなー」と考えていたところ、スナワチで取り扱うKIGOのウォレットに”KENTUCKY”の文字があるのです。
これは米国にかつて存在したユニバーサル社のジッパーを、その商標を保有する日本のYKK社が復刻させたものです。
KIGOディレクターの内山高之氏は、そのジッパーをブル革のレギュラーウォレットに採用しています。

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これもなにかの縁ですので、「この財布の売上の10%を、スナワチから米国赤十字社に寄付しようと思います」と、彼にお話ししたところ、
「じゃあ15%にしてください。僕も乗りますよ」
と言ってくれました。

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そんなわけで、この財布の売上の15%を赤十字社を通じてトルネード被災地に寄付いたします。
期間は2022年1月末日まで。

今日KIGOから仕入れた分はすでに寄付しました。

カラーは、ブラック/ブラウン/ネイビー/レッドです。
特別色のクレイ(粘土)もありますが、いまは画像がないのでまた後日…。

この製品の特長は「デカい」ことです。
空っぽの状態で、財布パンパンのような形状をしています。なので、本当に中身がいっぱいになってもほぼそのままの見た目です。
サイズはW19×H10.5×D3.5cm
重量は330~380g程度。

中の構造もすべて革を使っていますので、とにかく頑丈。
カードは5枚くらい入るポケットが4つあるので20枚は収納できます。
詳細はこちらからKIGOレギュラーウォレットをご覧ください。

シボ(革のシワのこと)に大胆な差異があり、つるっとしたもの、シワシワのもの、ズバッとトラ(縞々の紋様こと)が走るものなど、それぞれです。
ですので、大阪ストアでご覧になりたい方はぜひお越しください。
遠方の方は、どんなのが届くのかおたのしみにどうぞ。

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私、前田将多自身も使っています。デカくて、いい。

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こういう企画ってむつかしいんですよね。被災地を商業利用しているだけになるのは不本意ですし、ケンタッキーへの想いは私の個人的なものですので、お客さんからしたら知ったこっちゃないかもしれません。

でも、もしかしたらこれを機にKIGOの財布を持ってもらって、ジッパーに小さく刻印された”KENTUCKY”の文字を見るたびに、遥かなるケンタッキーについて一瞬だけ想ってもらって、いつかなんの偶然か、ケンタッキーを訪ねる人がいるかもしれないじゃないですか。
もしくは、バーカウンターにて、バーボングラスを傾けながら、財布の話をするかもしれないじゃないですか。

なにとなにが、どうつながるかなんて、わかりません。人と人もそうなら、人とモノ、人と場所だってそうです。

私の第二の故郷であるかの地で、”ケンタッキーの我が家”を失くしてしまった方々に思いを致しつつ、私も今夜は(も)バーボンを飲ろうと思います。
Thanks.

「愛せるモノを、持たないか?」
スナワチ
大阪市西区阿波座1丁目2-2
sunawachi.com

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