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進化する国際比較教育学に、日本の教育学はついてこれるのか?

うちのNGOのブログの、私の担当回の記事を更新しました。今回の記事のポイントは、国際的な教育データの整備や国際的な共同研究が進んでいることに加えて、教育経済学や教育文化人類学のようなデータ分析ツールが発展し、今世紀に入って国際比較教育学が新たな局面に突入した、という点です。しかし、日本の教育学部に教育経済学や教育文化人類学の専攻が出来たという話は聞いたことがないので、進化する国際比較教育学に日本の教育学がついてこれるのか、ちと心配な所ですね。

10年以上前になりますが、日本比較教育学会で、ネパールの教員給与システムが米国のそれを取り入れたものになっているので、米国式の教員給与システムがネパールという文脈でどう機能しているのか(機能していないのか)?、という修士論文の内容を発表しました。

その質疑応答の際に、ネパールの水資源や観光について持論を語る先生に当たってしまい、そんなの知らんがなと辟易としたのを覚えています。あれから少しでも日本の国際比較教育学が進展していると良いのですが…。ちなみにですが、その発表の場には修士論文の調査を陰に陽に助けてくれたサルタック・ネパールの元代表もいたのですが、あれから10年経った今でもネパールで実施する予定の博士論文の調査について彼に対して「助けてドラえもーん」、と泣きついているので私の方こそ進化しなければなりませんね。あれから世界銀行やユニセフで10年間世界中を飛び回ったのに、今でもこの有様というのはちょっとあれですね…、どうしてこうなった…(苦笑)


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あと、最近下の日本の記事も執筆しましたので、よろしければどうぞ↓

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サルタック・シクシャは、ネパールの不利な環境にある子供達にエビデンスに基づいた良質な教育を届けるために活動していて、現在は学校閉鎖中の子供達の学びを止めないよう支援を行っています。100円のサポートで1冊の本を子供達に届ける事ができます。どうぞよろしくお願いします。