ネパールの教育現場を見てきた話④

うちのNGOの現場を視察に行ってきました。普段から活動報告はNGOのFBページでしているのですが、少し専門的な見解も交えて視察報告を簡単にしようと思います。今回は子どもたちが読む絵本についてです。

サルタックの主要な活動の一つがサルタック学習センター・サルタック読書クラスでの絵本の読み聞かせと、サルタック読書タイム(日本の朝読書活動と同じもの)です。サルタックでは現地の提携書店から本を購入することで一冊当たりの購入コストを抑えているので、絵本1冊辺りのコストは日本円にして100円以下とかなり節約することができています。

しかし、現在サルタックが直面している課題、いやネパール全体として直面している課題があります。それは絵本のクオリティーです。確かにいろいろな団体がネパールに本を送っているのですが、その殆どが英語の本です。もちろんネパール人の中には英語が出来る人もいるのでネパール語の翻訳を横に振ることは可能です。

ただ少し想像してほしいのですが、日本の子どもが英語の絵本のに日本語の翻訳が振ってあるものを読んでいると考えると如何でしょうか?子どもたちはスラスラと絵本を読んで、読書の習慣を身に付けてくれるでしょうか?ちょっとそんな絵本だと幼い子どもたちにとってはゴチャゴチャし過ぎですよね。しかもそもそも、ネパールでネパール語を母語とする子どもはそれほど多くありません。事実、サルタックが活動している地域では子どもたちの母語はネパール語ではありません。低学年の子どもたちが読む絵本、と考えるとせめてネパール語で書かれた絵本を提供したいところです。

しかし、ネパール語の絵本の市場というのが大きくなく、良質な絵本を見つけることが難しいのが現状で、況や子どもたちの母語の絵本をやという状況です。サルタックでは自ら出版会社を立ち上げて、英語や日本語の絵本の版権を買い取り、ネパール語やネパール様々な少数言語の翻訳絵本・並びに自前の絵本を作成していきたいと考えています。

上の写真は、私も申請書を書いたのですが、アメリカの援助団体から助成金を受け取り、その資金で購入したネパール語の絵本です。まだ2年目の団体なので資金難に直面していますが、こうやって助成金を獲得してネパール語の絵本を子どもたちのために調達できたのは大きな一歩だったと思います。

今後日本の助成金にも応募していきたいと思いますが、現地で現地語の絵本を調達したり、現地語の絵本を自前で出版するためにも、ぜひこの記事を読まれた方のご支援を頂ければ幸いです。


10月10日にサルタック活動報告会兼セミナー「震災後ネパールの教育のために日本の市民社会ができること」を開催します。教育政策や国際協力の国際的な潮流を踏まえたお話をさせて頂くのでぜひご参加ください!お子様連れも大歓迎です!

FB: https://www.facebook.com/events/469122606625663/

HP: http://www.sarthakshiksha.org/ja/seminar20151010/

参加登録: https://ssl.form-mailer.jp/fms/446e6174389898

サルタック・シクシャは、ネパールの不利な環境にある子供達にエビデンスに基づいた良質な教育を届けるために活動していて、現在は学校閉鎖中の子供達の学びを止めないよう支援を行っています。100円のサポートで1冊の本を子供達に届ける事ができます。どうぞよろしくお願いします。