小祥
素人が歌を詠んで上達していくマガジン 間違いがあれば教えてください
湯けむりで行く手が見えないように 私たちの未来もまたはっきりと見えていないけれども 月に照らされた一本道のように 生涯、明るいものであってほしい
初夏の宵 人の寂しさ 賑やかさ あなたの願い 私の未来 春の災禍も一旦落ち着き、また暑い夏がやってきた 友に会えなかった寂しさも、今宵の宴に癒される 寂しさを癒すのも人であれば、人を寂しくさせるのもまた人である 賑やかさの中で思い出すあの人は何を願っているのでしょうか その願いが私の未来になれば
覚えなき 昔日写す 微笑みの 愛されていた 証になれば 楽しそうに微笑んでいたこの日のことを 君はきっと覚えていないだろう せめて大きくなってこの写真を見たときに 愛されていたことを知ってもらえれば
子が巣立ち 寂しくなやむ わが母に 花をささげし 汝の心 子供のためにすべてを捧げたあなたは、 子供も巣立ち、仕事もじきに引退します 遠くで暮らす子供たちの身を安じ、 寂しさからか身体を壊したあなたにこの花を捧げます あなたに教わった思いやりの心を込めて
美しき 奇禍に忍ばん 胡蝶蘭 報謝の向後 ともにあらんや わたしたちを苦しめる未曾有の災禍にもかかわらず この美しい胡蝶蘭は、より一層力強く咲いているようだ 胡蝶蘭に込められた、 あなたの大切な人たちへの感謝の心はとても美しく これからの人生にとってきっと力になるだろう そしてわたしもその傍らに
花ぐもり いかで見ばやと 思ひつつ 思い余るは かの花袴 外では桜がきれいに咲いている でも私が見たい花は、 美しい花柄の袴を着たあの人である
霞立つ はるか彼方の 富士山の 心に迫るは 吾妹のごとし 遠くにいるあの人に早く会いたい そんな思いで向かった駅の駐輪場からは 大きな富士山が見えた こんなに遠いのに美しく、私の心を打つ まるであの人のようだ
てをつなぎ ゆくすえおもふ はるかぜに やくそくしたひは そばのこうかな 3月のある日のこと 4月から始まる新生活に不安を抱きながら 寄り添い合うことを誓った あなたのお側で、あなたの香りを感じながら食べた あの蕎麦の香りとともに あの日のことが懐かしく思い出される