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Claudeのツール使用機能:AIの可能性をさらに広げる革新的な機能を徹底解説【日本語版】

要約

Claude 3に搭載されたツール使用機能は、ユーザーが独自のツールをClaudeに提供することで、その能力を拡張できる革新的な機能です。これにより、Claudeは外部データへのアクセス、複雑な計算、外部API連携、クライアントサイド処理など、多岐にわたるタスクをこなせるようになります。

特に、パブリックベータ版では、ストリーミング、ツール使用の強制、画像のサポートといった新機能が追加され、より柔軟で高度なツール連携が可能になりました。

原文はこちら
https://docs.anthropic.com/en/docs/tool-use?utm_medium=email&utm_campaign=5-16_tool-use


Claude 3に待望のツール使用機能が実装されました!この機能を使うことで、Claudeは外部のツールと連携し、これまで以上に多様なタスクをこなせるようになります。この記事では、この画期的な機能について、基礎から応用、注意点まで徹底的に解説します。

ツール使用機能とは?


Claudeのツール使用機能は、ユーザーが独自のツールをClaudeに提供することで、その能力を拡張できる機能です。これにより、Claudeは以下のようなことが可能になります。

⚫︎外部データソースへのアクセス : 最新の天気情報や株価などのリアルタイムデータを取得できます。

⚫︎複雑な計算の実行 : 電卓ツールなどを利用して、高度な計算処理を行えます。

⚫︎外部APIとの連携  : さまざまなWebサービスと連携し、多様な機能を利用できます。

⚫︎クライアントサイドでの処理 : ツールの実行をクライアント側で行うことで、柔軟性とセキュリティを高めます。

ツール使用機能 パブリックベータ版リリース!


ツール使用機能は現在、パブリックベータ版として公開されています。この機能を利用するには、APIリクエストに anthropic-beta: tools-2024-05-16ヘッダーを含める必要があります。

ツール使用の仕組み【詳細解説】


1. **Claudeにツールとユーザープロンプトを提供する (APIリクエスト):**
  * `tools` パラメータでツールのセットを定義します。各ツールは、`name` (ツール名)、`description` (詳細な説明)、`input_schema` (入力スキーマ) で構成されます。
  * ユーザープロンプトは、ツールの使用が必要となる可能性のある質問や指示です。

2. **Claudeがツールを使用する (APIレスポンス):**
  * Claudeはユーザープロンプトを分析し、適切なツールを選択します。
  * `tool_use` コンテンツブロックを含むAPIレスポンスを返します。このブロックには、使用するツールの `name`、`id`、`input` が含まれます。
  * APIレスポンスの `stop_reason` が `tool_use` になることで、ツール使用の意図を示します。

3. ツール入力を抽出し、コードを実行して結果を返す (APIリクエスト)
  * クライアント側で、`tool_use` ブロックから `name`、`id`、`input` を抽出します。
  * 抽出した情報に基づいて、対応するツールコードを実行します。
  * ツールの実行結果を `tool_result` コンテンツブロックを含む新しいユーザーメッセージとしてClaudeに返します。
  * `tool_result` には、`tool_use_id` (ツール使用リクエストのID)、`content` (ツールの結果)、`is_error` (エラー発生の有無) を含めます。

4. Claudeがツール結果を使用して応答を生成する (APIレスポンス)
  * Claudeはツールの実行結果を受け取り、最終的な応答を生成します。
  * ツールの実行結果がエラーだった場合は、エラーメッセージを適切に処理します。

ツール定義のベストプラクティス【実例付き】


*ツールの機能、使用すべき状況、各パラメータの意味、注意点などを詳しく記述します。

json
   {
     "name": "search_web",
     "description": "指定されたクエリでウェブ検索を実行し、関連性の高い検索結果のスニペットを最大5件返します。このツールは、ユーザーが事実情報や一般的な知識について質問したときに使用してください。",
     "input_schema": {
       "type": "object",
       "properties": {
         "query": {
           "type": "string",
           "description": "検索クエリ"
         }
       },
       "required": ["query"]
     }
   }



*例も役立ちますが、ツールの目的やパラメータを明確かつ包括的に説明することが重要です。

*エラー処理を適切に行う:** ツールの実行中にエラーが発生した場合、エラーメッセージを `content` に含め、 `is_error` を `true` に設定して返します。

   json
   {
     "role": "user",
     "content": [
       {
         "type": "tool_result",
         "tool_use_id": "toolu_...",
         "content": "ConnectionError: 検索サービスに接続できません。",
         "is_error": true
       }
     ]
   }

より高度な活用方法


*思考連鎖の活用 : Claude 3 Opusモデルでは、`tool_choice` が `auto` に設定されている場合 (デフォルト)、思考連鎖 (段階的な推論過程) を表示できます。これにより、Claudeがどのような思考プロセスでツールを選択し、使用しているのかを把握できます。

*ツール強制 : `tool_choice` フィールドで特定のツールを指定することで、Claudeに特定のツールを使用させることができます。

*JSON出力 : ツールはクライアントサイドの関数である必要はありません。JSONスキーマに従った出力を得たい場合にも利用できます。例えば、特定のスキーマを持つ`record_summary`ツールを使用できます。

*ストリーミング、ツール使用の強制、画像のサポート : これらの機能は、パブリックベータ版で新たにサポートされました。ストリーミングは、応答をリアルタイムで受信できる機能で、ツール使用の強制は、Claudeに特定のツールを強制的に使用させる機能です。画像のサポートは、画像をコンテンツとして返すツールを作成できる機能です。

注意点と制限事項


*モデルの選択 : 複雑なツールにはClaude 3 Opus、簡単なツールにはClaude Instantが適しています。Opusはより多くのツールを同時に扱うことができ、引数の欠落を検出する能力も優れています。一方、Instantはより頻繁にツールを使用しようとしますが、明示的に指定されていない場合はパラメータを推測することがあります。

*ツールの数 : Claude 3モデルは、数百の簡単なツールや少数の複雑なツールを扱うことができます。ただし、ツールの数が多すぎたり、ツールの構造が複雑すぎたりすると、パフォーマンスが低下する可能性があります。

*複雑なツール : Claudeは、シンプルなインターフェースとツールの方が効率的に動作します。ネストされたJSONオブジェクトなど、複雑な入力スキーマを持つツールは避けるようにしましょう。

*ツールの順次実行 : Claudeは、一度に1つのツールを使用し、その出力を次のアクションに利用することを推奨します。複数のツールを並行して使用することも可能ですが、パラメータの推測などが発生しやすくなるため、注意が必要です。

*再試行 : Claudeのツール使用リクエストが無効な場合、エラー応答を返すことで再試行を促せますが、数回失敗すると諦める可能性があります。

*デバッグ : 思考連鎖の出力や特定のツールを強制的に使用させることで、デバッグできます。

*`<search_quality_reflection>`タグ : 検索ツールを使用する場合、`<search_quality_reflection>`タグと検索品質スコアが返されることがあります。これを停止するには、プロンプトの最後に「Do not reflect on the quality of the returned search results in your response.」という文を追加します。

今後の展望


ツール使用機能は、まだパブリックベータ版であり、今後のアップデートでさらなる機能強化や改善が期待されます。例えば、サードパーティプラットフォーム(Vertex AI、AWS Bedrockなど)での利用や、より複雑なツール連携などが実現される可能性があります。

まとめ


Claudeのツール使用機能は、AIの可能性を大きく広げる画期的な機能です。この記事で紹介した情報を参考に、ぜひこの機能を活用して、あなたのビジネスやプロジェクトに新たな価値を創造してみてください。

最後に


この記事は、Anthropic社の公式ドキュメントに基づいて作成されています。より詳細な情報や最新情報については、以下のリソースをご確認ください。

https://docs.anthropic.com/en/docs/tool-use?utm_medium=email&utm_campaign=5-16_tool-use

**免責事項:** 本記事は、現時点での情報を元に作成されており、将来のアップデートによって内容が変更される可能性があります。

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