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ひき肉の日

今日はひき肉の日だ。毎月第一火曜日は、国民にひき肉を食べさせるという政府の方針により、スーパーではひき肉が半額になる。私はいつもこの日を楽しみにしている。ひき肉は安くておいしくて、色々な料理に使えるからだ。
今日は何を作ろうかなと考えながら、私はスーパーに向かった。店に着くと、ひき肉コーナーには人だかりができていた。みんなひき肉の日を狙っているのだろう。私も急いで列に並んだ。
やっと順番が回ってきたとき、私は驚いた。ひき肉のパックには、見慣れないラベルが貼られていた。それは「人間由来」と書かれた赤いラベルだった。
私は店員に尋ねた。「これは何ですか?」
店員は平然と答えた。「人間由来のひき肉ですよ。政府からの指示です。人口削減の一環で、死刑囚や老人ホームの入居者、不良少年などをひき肉に加工しています。安全で衛生的ですし、栄養価も高いですよ」
私は信じられなかった。「でも、これは人間ですよ!人間を食べるなんて!」
店員は苦笑した。「そんなこと言ってると、あなたもひき肉にされちゃいますよ。冗談ですよ、冗談。でも本当に、これは国の方針なんです。反対すると逮捕されますよ」
私は恐怖に震えた。こんなことが本当に起こっているのだろうか。私はひき肉を買うのをやめて、店を出ようとした。
すると、店員が声をかけてきた。「お客様、どうされましたか?ひき肉を買わないんですか?」
私は必死で答えた。「いえ、今日はもう用事があるので」
店員は不審そうに見た。「そうですか。でも、あまり無駄遣いしないでくださいね。あなたも知っての通り、今日はひき肉の日なんですよ」

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