ショーペン

小説をあげます。将来どうしようかなぁまじで。サラリーマンダセェなぁ。死んだほうが早いな

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最近の記事

【短編】 剥がれ落ちる

砂利を踏みしめる革靴には、吐瀉物が点々と模様を点けている。 スーツの裾にも同じ様な模様が連なっている。だが靄がかかった彼の視界には足元など少しも映らなかった。ただただ眼前に広がる見覚えのあるぼんやりとした景色を辿っていくだけで手一杯だった。 半分ほど残っていたスポーツドリンクを一息に飲み干し、手から離した。砂利の上に転がったペットボトルはカランと音を立て、闇夜の静寂に迎え入れられた。 酒臭い酔っ払いに解放された喜びを静かに噛み締めているであろう。つい1時間前までそのペッ

    • 【短編】 タオル

      誰かと風呂に入るのが嫌いだった。 それは家族であれ、友達であれ、まだ見ぬ恋人とさえも。 「いやー、人が入った風呂とか無理なんだよね。俺なんとなく。潔癖なのかもしんない。」 それがいつもの断り文句だった。しつこく誘ってくる人間もいたが、ほとんどがそれを聞けば諦めた。 それが例え表向きの理由だとわかってはいても。 中学や高校生になると、友達の家で泊まりで遊ぶ事も増えた。 そういう時は決まって、近くの銭湯にみんなで行こうという話になるのだった。 例の断り文句を言っていつも避

      • 今日こそは絶対に手を出す ー8/8ー

        「お邪魔しまーす。」 シューツリーの入った男物の革靴とパンプスが隅に一足ずつ並べられている。 Sと旦那との写真が飾られているのを横目に、自分のナイキのスニーカーを足で揃えて上がった。 24階の角部屋だった。豪勢なエントランスにはグランドピアノと本棚があり、革張りのソファがいくつも贅沢に空間を使っていた。 「いらっしゃーい。駅まで迎えに行けなくてごめんね。」 赤ちゃんを抱いていつもよりラフな格好をしたSが迎えた。 ゆったりしたパーカーのせいで身体のラインはわからなか

        • 今日こそは絶対に手を出す ー7/8ー

          太陽が一番高く空に上がった頃、ベッドで目を覚ました。まだ起き上がる気持ちになれなかった僕は、ひとまず携帯を手に取った。 いくつかのSNSを見ている中で、産まれたばかりの赤ちゃんの写真を見つけた。スライドすると、その子を抱えて疲れ切った笑顔のSの姿が表示された。 『頑張ったね。無事に産まれてくれてありがとう。』 沢山のいいね!とコメントがその投稿に連なっている。綺麗な言葉しか書かれていない文字列の中には、過去に関係を持った男もある程度混ざっているんだろうなと考えると気持ち

        【短編】 剥がれ落ちる

          今日こそは絶対に手を出す ー6/8ー

          腰を動かす度に、神経を伝って下半身からゆっくりゆっくりと快感が登ってくる。破裂音の様な、乾いた肌と肌がぶつかる音が規則的に耳に入り鼓膜を揺らす。その後を女の悲鳴の様な喘ぎが追いかけて来る。 「あっ・・・あっ・・・あっ・・・!」 女の背中を見ながら徐々に溜まり続けて行く快感を楽しんでいた。 あーあぶね。イキそうだ。抑えるか。 BPMを落とす。すると女の声のキーも自然と下がった。 「あっ・・・あっ・・・あっ・・・」 ふぅ。 奥迄は侵入せず、抜けてしまいそうな程に腰を

          今日こそは絶対に手を出す ー6/8ー

          今日こそは絶対に手を出す ー5/8ー

          「わー久しぶり!元気だった?」 最後にSと会ってから、6ヶ月が経っていた。想像していたとはいえ、お腹が大きくなっている姿に驚いた。 「お腹凄いね。出歩いて大丈夫なの?」 世の男性は、妊娠についても妊婦についてもパートナーが経験していなければ全くと言って良い程、無知である。ご多聞に漏れず、僕にもなんの知識もなかった。 「うん。全然普通に生活してるー。ていうかこっちまで来てもらってごめんね。」 待ち合わせは豊洲駅だった。先月に引っ越してきたらしいこの街は、背の高いビルが

          今日こそは絶対に手を出す ー5/8ー

          今日こそは絶対に手を出す ー4/8ー

          その後も1ヶ月程、Sとはゆるく連絡は続けていた。内容は他愛もない話が中心で、次に会う約束を取り付ける様なものでもなかった。一回飲んでから、すぐにまた誘う事はしなかった。がっついていると思われても癪だ。 しかし次に誘いやすくするために何か種を仕込んでおくべきだった。「あの映画見たい」だとか「あのお店行ってみたい」だとか何でもよかった。いつもならしているはずの事が出来なかった自分を叱ってやりたかった。 『来週の金曜空いてない?』 何気ないやり取りの最中、突然向こうから誘いが

          今日こそは絶対に手を出す ー4/8ー

          今日こそは絶対に手を出す ー3/8ー

          「よ!久しぶりじゃん。」 待ち合わせ場所で声をかけられ、一瞬体が強張った。 「おう。めっちゃ久しぶり。元気そうじゃん。」 「うんめっちゃ元気。て言うか急展開だね。」 彼女はそう言って笑うと、綺麗な黒髪が揺れた。 あーこの笑顔な 僕は五年前この笑顔にやられた。クラス替えをした初日、教室で初めて見た彼女の笑顔と変わっていなかった。 冷静に見たら顔を見たら、別に整っている方じゃない。100人に聞いたら20人ぐらいはまぁ可愛いと答えるかどうかレベルの顔だ。でも僕は好きだ

          今日こそは絶対に手を出す ー3/8ー

          今日こそは絶対に手を出す ー2/8ー

          「ちょっと待ってがっつき過ぎ・・・ちょ」 首に舌を沿わせ少しずつ進めていく。数センチの距離で水分の無くなる舌をこまめに口に戻し、唾液を補給しながら滑らかになぞる。女の肌が小刻みに震えるのが分かる。耳の後ろまで来たところで女が口を開いた。 「今日は・・・最後まで出来ないからね・・っ」 耳を舌でなぞりあげる。声にならない吐息が漏れた。 「いいよ。」 大きくビクッと震えた。 「ちょっと・・・耳元で喋んないで・・・あっ・・」 スカートの上から小さく引き締まった尻を手のひ

          今日こそは絶対に手を出す ー2/8ー

          今日こそは絶対に手を出す  ー1/8ー

          滑らかな曲線を描く女の背中を指先が滑り降りていく。お尻の割れ目に沿って更に進めていくと、指先が滑りを感じる所まで到達した。 「っはぁ・・・」 吐息交じりの声が漏れる。その部分を何度かなぞり上げると、合わせて女の身体が小さく震えるのが可愛らしかった。 滑りを帯びた指先で、小さく主張する硬くなった芽を摘むとビクッと大きく身体を揺らした。 「だ・・・めっ・・・っ」 愛撫を続ける指先から、伝ってきた液体が指の付け根まで濡らした。 月明かりがスポットライトのようにベッドの上

          今日こそは絶対に手を出す  ー1/8ー

          髭とコーヒー

          僕は2019年12月、令和が2年になろうとしている時期に7年働いていた会社を休み始めた。 今日は2020年2月5日だ。 毎日がweek end(引用:ocean view/BAD HOP)になってから丸々1ヶ月を過ごした。その間やった事といえば遊ぶ事ぐらいだ。 働いていない友達とせんべろで有名な町である赤羽で昼間から飲んだり、 平日休みの友達と若者達で溢れるクラブで朝まで騒ぎ倒したり、 ガラガラのTOHOシネマズでポップコーンとコーラを片手に特に興味も無い映画を観た

          髭とコーヒー