トレーニングを続けるためにできること

はじめに

私はトレーニングが嫌いです。暑いし寒いしつらいしめんどくさいし、できることなら部屋の中でずっとぐうたらしていたい。
しかし、残念ながらオリエンテーリングは走るスポーツなので、仕方なくトレーニングをしています。
この記事は、
・オリエンテーリングが速くなりたい
・そのためにトレーニングをしたい
・でもトレーニングは嫌い
という人が、如何にして継続して走るかについて書くものです。

自己紹介

練馬OLC / あざおOLC の前中脩人です。昨年度は表のほうで投稿させていただきました。今年度もエントリーしたものの、面白そうな内容が思いつかないので、昨年度の焼き直しのような記事をひとまず書いています。お許しください。
オリエンティアとしての大きな実績はありませんが、比較的トレーニングを頑張っているほうだと思います。走行距離に大きな意味があるとは思っていませんが、今年度は平均して230kmくらいは走っています。それくらいを目指している人には参考になるかもしれませんし、ならないかもしれません。

インカレや全日本が終わったあと、「これからは頑張って走って速くなるぞ!」と思う人は多いと思います。しかし、「頑張って走る」という目標はとても困難で、モチベーションは簡単になくなります。私も現役時代はインカレ病を継続できませんでした。
必要なのは、「モチベーションの維持」ではなく、「モチベーションが下がっても走れるシステム」だと考えています。これから書くのは、ここ2年間で取り組んだシステム作りの成果です。

トレーニングする場所 篇

「継続して走る」ことを考えた場合、トレーニングの起点を自宅に置くのは悪手です。「家から出て走りに行く」という行為は、人間には高度すぎるので。自宅以外から出発して走ることを考えます。

① 退勤ラン
会社から(学生の場合は学校から)帰る際に走ります。家には基本的に毎日帰るので、帰宅の交通手段にランを取り入れると効率的です。
私の職場は私服通勤OKなので、ユニクロの速乾Tシャツとユニクロのジョガーパンツを身に着け、ウエストポーチか5Lのトレランザックに社員証や財布などを入れ、週に1〜4回退勤ランしています。スーツ着用が義務付けられている職場だとやや難しいかもしれません。
職場から家まではまっすぐ帰ると5kmほどですが、他にも10km, 15km, 20km のコースを作って、やりたいトレーニングに応じて選んでいました。
ちなみに、出勤ランもたまにやりますが、汗だくで息を切らせてオフィスに飛び込むのは怪しいのでやめたほうがよいです。特に夏は。

② 陸上トラック
①の亜種で、退勤したら会社から直接陸上トラックに行きます。荷物を持って出勤すればいいだけなので、①に比べると職場環境を問わず実践しやすいと思います。
陸上トラックに行くと、インターバルができます。インターバルはつらい練習の筆頭なので、「インターバルをするぞ」と思わないことが重要です。「陸上トラックに行くぞ」とだけ考えて自分を騙しましょう。行くだけなら意外と簡単です。そして、陸上トラックに行けた場合のインターバル成功率は100%です(著者調べ)。
弱点はお金がかかること(交通費+利用費)。

③ ジムに行く
②の亜種で、主に登坂トレをするための手法です。
登りが速くなることはオリエンテーリングのタイムを縮めるための手っ取り早い方法の1つで、登坂力を鍛えるためには登るのが一番ですが、都合のいい山や坂が身近にあるとは限りません。しかも、坂は登ったら下りなくちゃいけないので、効率が悪いです。それを解決してくれるのがトレッドミルです。15%まで斜度がつけられて、下る必要なしに登り続けることができます。しかも、走りながら動画見たりできる。
私は今年1年、毎週1回はジムに行き、斜度15%速度6.7km/hで1時間走るトレーニングを続けました。『ウマ娘 プリティーダービー  Season2』第10話を見ながら、ツインターボと一緒に走りました。登りにはかなり強くなったと思います。
弱点は、かなりお金がかかることと、マスクをつけて走らなきゃいけないこと。

トレーニング計画を立てる 篇

行き当たりばったりに走るより、計画に沿って走るほうが続けやすいです。そして、どうせ計画を立てるなら、自分で考えて自分で管理するほうが、やる気が出ます。自分との約束です。

①長期計画を立てる
私は陸上競技の経験もなく、トレーニングには詳しくありません。そこで、今年のトレーニングを始めるにあたり、『ダニエルズのランニングフォーミュラ』を読んで(少しだけ)勉強しました。
めちゃくちゃざっくり言うと、トレーニングにはペースの速い順に
R (Repetition) > I (Interval) > T (Threshold) > E (Easy)
があり、初めはEだけ、以降はR > I > T の順に新しいトレーニングを追加していく、という感じです。
本を参考に各トレーニングに該当する自分のランニングペースを調べ、5~6月をフェーズⅠ (E) 、6~7月をフェーズⅡ (E+R)、7~8月をフェーズⅢ (E+R+I)、8~9月をフェーズⅣ (E+R+I+T) と決めました。

②中期計画を立てる
フェーズごとに、その時点の体力レベルを反映し、1週間にどのようなトレーニングをするか決めました。例えば、総仕上げの9月には、
・インターバル:1000m(3:10)+r400m(2:00) 5本 1回
・ペース走:10km 3:30/km 1回
・登りのペース走:トレッドミル 15% 8.0-8.2km/h 30分 1回
・ロングジョグ:20km 1回
を平日にやるようにしていました。

③短期計画を立てる
中期計画を達成するために、1週間のスケジュールを考えます。仕事やらプライベートの予定やら色々とあるので、やりたいトレーニングをするためにはこの段階がかなり重要です。とは言え、不慮の残業などで予定は簡単に狂うので、柔軟に組み替えたり、時には諦めて代替トレーニングでお茶を濁すことも必要でした。
自分で予定を立てているからこそフレキシブルな対応ができるんですが、「明日は何をしよう」と毎日のように考えるのは意外とストレスでした。このあたりを相談できるコーチがいると助かるのかもしれません。

山に行く 篇

山はよいです。元気が出るので。

①トレイルランニングに行く
オリエンテーリングは山を走るスポーツなので、体力トレーニングも山でやるのが一番です。トレランに行けば、登りの練習も下りの練習もでき、足への負担は少ないので長距離走れます。

②オリエンテーリングに行く
オリエンテーリングのトレーニングはオリエンテーリングでするのが一番。
オリエンテーリングに行けば、体力がつき、読図力がつき、脳が若返り、体重は減り、金運が上がり、めまい立ち眩み動悸肩こり息切れはたちまち消え、景気はV字回復し、温室効果ガスは減少に転じ、食糧問題は解決し、世界の人口は100億人を突破し、両親は長生きし、生涯の伴侶は見つかり、子宝に恵まれ、おじいちゃんはぎっくり腰が治り、おばあちゃんの膝はグルコサミンたっぷりになり、犬は駆け回り、猫は丸まり、金魚は飛び跳ね、推しは幸せになり、悪は滅び、正義は勝ち、JOAは全世界5000兆人の競技者を抱えてウハウハになること請け合いです。

モチベーションを上げる 篇

なんやかんや言っても、モチベーションは重要です。最終的には気合。

①課金する
ランニング用のギアを買いまくりました。モチベ維持のためなら、散財してもOKです。おかげで私は、ランニングが嫌いなのにランシューが好きという最悪な趣味に目覚めてしまいました。エンドルフィンシフト、ハイペリオンテンポ、HANZO T、ペガサス37、GENTEN EL+、エンドルフィンプロを使い分けています。今は新しいトレランシューズを探しています。
スポーツジムに入会したのも課金の一環です。積極的に自分の退路を断ちましょう。金でトレーニングが続くなら安いもの。

②サボる
長く続けるには、自分の機嫌を自分でとれることが必要不可欠です。自分の機嫌を良くするためなら、たまにならサボってもいいと思います。
私も、1ヶ月に1回くらいはど~~~しても走りたくない日があって、サボっていた気がします。ど~~~しても走りたくなければ走らなくてもいいですが、その次の日は走るように気を付けましょう。

③ツイートする
走る前には「走りたくね~」とツイートし、走った後は「走ってえらい」とツイートする。この黄金ムーブによってモチベーションを保っていました。あまりにも毎日のようにこの類の投稿をしているので、何人かにはミュートorブロックされていることと思います。許してください。走るためには仕方がないのです。
これの亜種に、「Stravaに投稿する」があります。

④人と走る
これは私が今シーズンうまくやれなかったことです。終盤になってようやく佐藤遼平選手とのインターバルが実現し、人と一緒にやるトレーニングの楽しさを思い出しました。これからもよろしくお願いします。神奈川の左のほうに住んでいる人は一緒にトレーニングしましょう。

おわりに

改めて書いてみると、当たり前のことばかりになってしまいました。
「自分以外にも頑張っている人がいる」という事実は、何よりのモチベーションになります。これを参考にしてもしなくても、頑張る人が増えると非常に嬉しいです。
橘選手、いつもありがとう。


おまけ インカレ運営のこと

せっかく吉澤実行委員長の翌日を抑えたので、少しだけ書きたいと思います。ただの雑感です。

改めまして、今年度インカレロング実行委員長を務めました前中です。ICMR2018以来の2日間大会を無事に開催することができ、本当によかったです。個人的にも、今年は全日本とインカレ運営を頑張る年と位置付けていたので、全日本がダメだった一方でインカレのほうはうまくいき、救われました。
中止になったICMR2019の運営に関わっていた者としても、同じテレインでインカレを2年越しに開催できたことを嬉しく思います。

吉澤が書いている通り、「秋インカレをなんとしても開催する」という思いの元、多くの人が尽力したインカレでした。夏時点では絶望的な状況でしたが、ワクチンが出回ったことにより一気に状況が好転しました。

ロングのコースはいかがだったでしょうか。私も微力ながらコースセッティングにちょこちょこ口を挟ませてもらいましたが、特に選手権はいいコースだったと思っています。濱宇津はさすがです。試走では(やぶすぎて)絶望したこともありましたが……。
一般クラスは直前に伐採が入りまくって何度も変更され、やや窮屈な回しになってしまったかもしれません。スタート誘導がめちゃくちゃ長かったり。ただ、あれだけ伐採の影響を受けながら調査依頼もなく競技を成立させたのは、競技班の努力の賜物です。本当にお疲れ様でした。

吉澤は「つらかったという記憶がない」と書いていましたが、私はかなりつらかったです。とは言っても、運営そのものがつらかったというより、自分の無力さを感じてしまったという感じでした。周囲が優秀だと必要以上にネガティブになる自分の問題という説はあります。
あんまりネガティブなことを書くのもアレですが、全然貢献できなかったなと感じています。能力不足という面もあるし、単純に自分が働かなすぎという面もありますが。
運責陣、競責陣、吉澤には本当にお世話になりました。当日のみの人も含め、運営者一同本当に天才ばかりで感服しました。

一方で、運営がめちゃくちゃ楽しかったのも確かです。対面で集まれる試走や直前準備は特に。EAを除くと最年長の代でしたが、後輩たちに良くしてもらいました。同期もたくさんいて楽しかった。

楽しくも辛い運営でしたが、大会後に学生が何団体も挨拶に来てくれて、冗談でなく全て報われた気持ちになりました。あれは実行委員長の役得ですね。特に、学連幹事長の若月くんが嬉しそうだったのには熱くなりました。彼には1年間本当にお世話になりました。

以下、その他
・ロングの地図名が危うく「舞え!前高原」になるところだった。私のあだ名にかけたそうです。「前中原」も案にあったけど却下した
・前日準備中に皆既月食をみんなで見たのはいい思い出
・石山の誕生日を祝ったのもいい思い出。世界の石山
・要項3公開直前、Word Onlineで共同編集していたら、Wordが落ちて編集内容が吹き飛び、深夜に泣きながら復元した。Word Onlineはダメ。公開が遅れてすみませんでした
・秋インカレ史上稀にみるレベルで早く解散した。手伝ってくれた学生のおかげだと思います。ありがとうございました
・ハウスに泊まるのはこれで最後でしょう。山川さんには渉外を全面的に担っていただきました。ありがとうございました。お体ご自愛下さい。
・インカレが開催され続けているのは本当にすごいことだと実感しました
・Slackがストレッサーすぎてインカレ終わってから全然開いていない。すみません……

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