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WEEKLY OCHIAI 「ポストインバウンドの観光経済」

今週のウィークリー落合のまとめです。

テーマは「ポストインバウンドの観光経済」です。

目次
①ゲスト紹介
②コロナはリスクなのか、デンジャーなのか
③今後とっていく対策は
④コンテンツの強化の必要性
⑤現場の声Ⅰ(和多屋別荘)
⑥今後は大手企業に中小企業がどんどん買収されていくのか
⑦高齢者の消費について
⑧第二波への備え
⑨現場の声Ⅱ(ファーストエアラインズ)
⑩今後は単価を上げていく必要がある

◉皆さんから一言

☆感想・所感


①ゲスト紹介

森トラスト 代表取締役
「伊達美和子」さん
森トラストでは現在19のホテルを運営、
緊急事態宣言前に全てのホテルを休業。
現在はは再開しているがお客様の戻りはまだまだという。
夏の予約は徐々に増えている、期待したい。
今年3つのホテルを更にオープン予定。

小西美術工藝社 代表取締役
「デービッド・アトキンソン」さん
14世紀の前から観光産業はあった。
過去に起きた「ペスト」
その後もしっかりと産業は成長してる。だから観光産業が終わることはないだろう。
これまで観光産業はちょっとバブル気味だったから普通に戻っただけ。

元内閣官房参与・第二代観光庁長官・大阪観光局代表理事理事長
「溝畑宏」さん
今はひたすら反転抗戦の準備。完全解除に向けて。
観光産業はリスクがあってナンボ。
いかに対策を練るか。

②コロナはリスクなのか?デンジャーなのか?

早速落合さんが一石を投じました。
「コロナはコントロールできるもの?それとも全く予想できなかったイレギュラーなものなのか?」

アトキンソンさん
予測はして無かったが、想定内。
人類は感染症といつも隣り合わせ。
有事があたかも起きないような想定しかしていなかったのが問題。
どんな時だってコロナのような有事の時の対応策を考えておくことが重要。

伊達さん
BCP(事業継続計画:自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において手段を取り決めておく計画のこと)を練っているか。
ポートフォリオの分散、キャッシュを抑えているかをチェック。
不動産においては災害、ウイルス関係はあまり関係がなく、「何か起きるよね?」といつも構えていないといけない。
今回はたまたまウイルスなだけ。

溝畑さん
観光はリスクマネジメントの世界。
東日本の時は時間が解決したが、今回の想定外は世界中に広がってしまったこと。
2波、3波も来るだろう。持久戦になるだろうからその戦略を練る必要がある。

③今後とっていく対策は?

一年で最もお客さんが動く「夏」をどう形にしていくか?
夏に復活できるストーリーを組み立てる必要がある。

20兆円以上の海外渡航需要
国外の消費が国内に向かうのか?13億人の観光客。
単価の高いお客にフォーカスすることが大切。

国内は人口が減っていく中、
日本人は神経質なため旅行に行きたく無い人が増えている。
周知の通りレストランもガラガラ。

④コンテンツの強化の必要性
ジャニーズは何もしなくても人が来る。
そういったコンテンツが必要だ。

日本には面白い観光が少ない。「一度行けばもういい」そういった場所ばかり。
そのためインバウンドを生かし切れていない。
例えば野球見にきたら他でお金を落とす仕組みが無い。
海外は同じ場所で他のエンターテイメントが充実している。

インバウンドと国内のバランス。
インバウンドの良さは年間通して安定していること。
国内は年末年始、お盆、GWとかでないとうごかない。


⑤現場の声Ⅰ
和多屋別荘 代表取締役
小原嘉元さん
3月は前年比50%以下
今も10分の一くらいの売り上げ。完全に経営的には破綻している。
政府に融資をしてもらっていて18ヶ月くらいは持つ想定。
全体として2万坪の敷地があり、今は一部貸し出して収入を補填している。

リモート族は来ないのか?
今はプロモーションができていなかった面もあり、あまりそういった客層は少ないが今後はサテライト会社に貸し出しもあるんじゃないか。
観光での利用ではない在り方を。
これまでは学校が休校ということもあり子供がいる働き世代には利用されなかった。

⑥今後は大手企業に中小企業がどんどん買収されていくのか?

健全経営をしていなかった会社は無くなるだろう。
魅力的なホテルならコロナだろうがお客さんは来る。設備投資をちゃんとしているか。

⑦高齢者の消費

65歳以上の消費が死んでいる。1000兆円の預貯金の大半を持っているにも関わらず。
感染症対策をより徹底しなくてはならない。
休暇の分散、時間の分散、エリアの分散がポイント。
登山、サイクリングなどの屋外、自然をレジャーの希望が増えている。
お年寄りは早朝の時間を使って欲しい。

時期による分散もある。
夏はファミリー層が動く。秋以降の涼しい時期に高齢者の方が動く。

⑧第二波への備え

第二波がきたらやめる会社もある。しかしそういった中堅会社で今の観光産業は成り立っている。
いろいろなストーリーを想定して対策しないといけない。
一時的な出血止めだけでなく、有事を平時として考える。

⑨現場の声Ⅱ
ファーストエアラインズ
阿部宏晃さん
バーチャル海外旅行を手掛けている。擬似体験。食事も用意。
機内からVRを利用し、現場のいる体験ができる。
2016年から始めている。シニアのお客さんが多い。
体験していただいた後、実際に現地に行きたいと言う声が多い。
コロナでも反響にあまり影響なし。しかしは席数はソーシャルディスタンス確保のため半分。なので値段をあげた。5500円から6800円に。

⑩今後は単価を上げていく必要がある
観光の消費も富裕層が大半を占める。富裕層はPBジェットを使っての移動も可能。
富裕層へのサービスは日本の弱い分野。
消費が戻る時は富裕層から戻っていく。単価の低い層の消費が戻るのは一番最後。


◉最後の皆さんの一言

アトキンソンさん
設備投資・単価引き上げ
会社全体の70%は不健全経営。健全経営を改めて意識して欲しい。

伊達さん
キーワードは「4E」
エンターテイメント
エスケープ
エステティック
エデュケーション

溝畑さん
量から質、密から分散を

落合さん
富裕層は何もしなくてもOK。僕の親父は20年くらいホテル住まい。いくら払ってるの?
夏はファミリー、秋は高齢者。
「新しい固定費」
安い層をターゲットにしたら生きていけない。
単価を上げる動きを。


感想・所感

密を避けるためには短時間で客数を詰め込んでいくことはソーシャルディスタンスに反する。
となると今後はすべての産業において、安価なサービスはなくなっていくのだろうと感じた。
詰まるところ客単価を上げるしか無いというのが今のところ共通認識。

そうなってくると、我々の凡人はサービスを受けづらくなってくる?という不安もある。
特に都内などの人口密度の多いところは特に。限られた人間にしかサービスは渡らなくなる。
仕事もどんどんなくなっていくことが目に見えてくる中でどうなっていってしまうのだろうか。
これまでの体験は限界費用の低いデジタルにとって変わられ、リアルの体験は貴重なものになっていきそう。
ポジティブな世界だと思うが慣れるまでは違和感たっぷりありそうだ。


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