《新訳》ハイパワー・マーケティングを読んでみた！-第1章あなたの飛行計画-ビジネスを大きくする3つの方法

はじめに

今回は、マーケティングの名著「ハイパワー・マーケティング」の新訳版を読んでみました。この本は、フォーブス誌が選ぶ米トップ5のコンサルタントで、メンターのメンターと称されるジェイ・エイブラハムの世界的ベストセラー『Getting everything you can out of all you've got』を新たに全訳し直したものです。
本書は非常にボリュームがあるため、今回はまず第1章「あなたの飛行計画」のp.19～p.21に注目し、その洞察を現代のマーケティング、特にウェブマーケティングの文脈で解説していきたいと思います。この記事を皮切りに、シリーズとして本書の重要な部分を順次解説していく予定です。

そして、「この読んでもみた！」シリーズの読者ターゲットは、これからマーケティングを勉強したい人、もしくは、１年目～２年目など初級マーケターの方です。ぜひ何か感じるものがあってくれればと思います。

ビジネスを大きくする3つの方法

ビジネスを成長させる方法は、たった3つしかないそうです。これらは、どんなビジネスにも、どんなマーケティング戦略にも適用できる普遍的な原則です。ジェイ・エイブラハムは、これらの方法を掛け合わせることで、ビジネスを劇的に成長させることができると主張しています。

クライアントの数を増やす

これは最も基本的な成長戦略です。新規顧客を獲得し、顧客基盤を拡大することを意味します。多くの企業がこの方法に注力しがちですが、実はこれだけでは十分ではありません。
現代のウェブマーケティングの文脈で考えると、これはウェブサイトへのトラフィックを増やし、より多くのリードを獲得することに相当します。

具体的な方法としては以下などがあります。
・SEO対策：ウェブサイトへのオーガニックトラフィックを増やす
・リスティング広告などのウェブ広告：有料で新規顧客を獲得する
・SNSマーケティング：ソーシャルメディアを通じてブランド認知度を高める

クライアント1人当たりの平均販売額を増やす

これは既存顧客からより多くの収益を得る方法です。多くの企業がこの方法を見落としがちですが、実は非常に効果的な戦略です。既存顧客は既にあなたの製品やサービスの価値を理解しているため、追加の販売がしやすいのです。

実践方法としては：
・クロスセリング：関連商品を提案する
・アップセリング：より高価値な商品やサービスを提案する
・バンドル商品販売：複数の商品やサービスをセットで提供する

クライアントが購入する頻度を増やす

これは顧客のライフタイムバリューを高める方法です。一度きりの顧客を常連客に変えることで、長期的な収益を確保できます。著者は、既存顧客のリピート率を向上させることの重要性を説いています。

具体的な戦略としては：
・メールマーケティング：定期的な情報提供やオファーの送信
・ロイヤルティプログラム：リピート購入を促す仕組みづくり
・リターゲティング広告：過去に興味を示した顧客へ再アプローチ

この部分を読んでみての感想

ジェイ・エイブラハムは、ビジネスを大きくする３つの方法は、「実に当たり前なことばかり」だと述べています。しかし同時に、多くの企業がこの単純な真理を見逃しているとも指摘しているように感じます。
特に注目すべきは、新規顧客獲得だけでなく、既存顧客の価値を最大化することの重要性だと思います。
多くの企業やウェブマーケターは特に、新規顧客の獲得に力を入れがち（SEOだけやりがち、コンテンツマーケティングだけやりがち）ですが、2番目と3番目の方法、つまり既存顧客からの収益を増やすことにも大きな成長の機会があるということを改めて気づかせてくれているように感じます。
これら3つの方法を掛け合わせることの重要性を以下のような言い回しで示しています。
「それぞれの方法で10%の改善を達成すると、全体では1.1 x 1.1 x 1.1 = 1.331、つまり33.1%の成長となります。」と。

この部分のマーケ実体験

ある企業のマーケティングを担当した際、既存顧客向けのパーソナライズしたメール配信を実施したところ、購入頻度が20%増加し、平均注文額も15%上昇しました。これは新規顧客獲得にかかるコストと比較して、はるかに効率的な結果だったと感じています。
このように、現代のマーケティングにもかなり有効で重要な考え方だと感じています。

まとめ

「ハイパワー・マーケティング」が教えてくれるのは、マーケティングの本質は時代が変わっても変わらないということです。新しいツールや技術に目を奪われがちな現代のマーケターこそ、この基本的な3つの方法を常に意識することが重要です。ただし、限りある予算の中で最大の効果を得るためには、自社のどの部分に課題があるかを見極め、その課題に対する戦略を立て、適切な施策を実行していくことが大切です。
「ビジネスを大きくする3つの方法」をみなさんもどのように活用できるか、考えてみてはいかがでしょうか。次回は、著者のジェイ・エイブラハムが最も重要と言っている「卓越論」について解説をしていきます。

エンディング後の裏話し

定価2,100円。現在ではAmazonで10,000円以上で取引されている本書。(30,000円以上の値をつけていることも...)

実は、旧訳は数年前に読んだことがある。新訳は読んだことがなく、何とか読みたかったがなんせ高くて....私が住む区の図書館にもあるらしいが、ずっと貸し出し状態。ほんとにあるのか？？怒

痺れをきらし、お盆休みに読むために、12,000円で購入。高かった〜。笑　実はバットストーリーはこれで終わらず、お盆休み用に購入したのに、仕事が忙しくお盆休み返上！
なので、毎日少しずつ読んでます。。

ここまで読んでくださった方、よろしければ定価の約6倍で買い、お盆休みなしの私にこの記事のスキをください。笑