川崎フロンターレ戦レビュー　　　　湘南はどこよりも熱く

2022年9月6日 19:47

勝ったぞー！！！！！！！！！！！！！！！　　　　　みなさんお疲れ様でした！川崎フロンターレにシーズンダブル！ここ4年間で川崎にシーズンダブルをかましたのは湘南を合わせて4チームのみと。絶対王者からもぎ取った2勝は大きく、自分たちの力の証明にもなりましたね。

アディショナルタイムの劇的弾で興奮冷めやらぬ試合でしたがピッチではやるべきことをやり、自分たちのサッカーを貫く必然の勝利でした。

それじゃあ振り返っていこう！

川崎フロンターレのスタメン

川崎は前節大勝を収めた鳥栖戦と同じメンバーで臨みました。橘田、脇坂は強度も高く走りながら高い技術の　クオリティを示せます。左のマルシーニョは好調で得点ランキングでも上位に食い込んできてますね。後ろに入った車屋も高い守備力で後押しをしているように感じます。前回対戦と大きく違うところはCBに谷口とジェジエウが入ってます。多少無茶なシーンでも広いカバー範囲を活かして止め切ってしまう2人。彼らの準備の前に　攻め切る、人数をかけることが大事でしたね。

湘南ベルマーレのスタメン

こちらは米本が累積により出場停止。誰が入るのか話題になってましたが茨田が代わりを務めます。インサイドハーフには平岡とタリクという強度の高い2人。左のウィングバックに新加入の中野が初先発となりました。　鹿島戦でお休みしていた杉岡、後半からの出場の町野の代表コンビもスタメン。ベンチには状況を読みチームのために走ることができる10番山田直輝も復帰して湘南としては万全の状態で試合に臨みます。

左は圧縮🤜右はスペースを消す

まずは左サイド。瀬川がアンカーを見ながら限定。この役割は基本町野が担っていましたが瀬川がこなすことでアンカーを見ながらCBにもアタックできるんですよね。瀬川の頑張りはこの試合を支える大事な役割でした。　そして左に追い込んだ湘南は中野を山根にアタックさせプレスで押し込みます。平岡、茨田、杉岡も寄せて圧縮させました。こうなるとスペースがない川崎、家長は裏に抜けるタイプではないので詰まらせることに成功。　前節家長、山根、脇坂の関係性で鳥栖を崩していたのでここに厳しくプレスにいけたのは攻撃力を削ぐという　部分でかなり有効でしたね。こうなると川崎は思考を変えて左サイドのマルシーニョの裏を狙います。

こっちのサイドは広教が重心低めでスタート。サイドバックにはタリクが出ていき制限をかけて蹴らせます。　しかし広教が下がっているので裏のスペースは潰して　マルシーニョの得意な形を作らせず。広教が身体を寄せて拓也がカバーで回収。橘田を経由しようとすれば拓也が寄せてタリクがプレスバックで時間を与えません。　湘南はこのプレスで奪ってショートカウンター。簡潔に攻めて川崎を押し込みました。もちろん状況に応じて　広教が高い位置でプレスをかけたり中野が下がる、平岡が代わりに出て行くなどの判断も迷わずやれていたので相手を見てサッカーできていたと思います。やっぱり　湘南は良いプレスからですね。見ていてとてもアグレッシブで心を熱くさせる。これぞ湘南。

最後をつなげるピース

湘南優位で試合を進めるもののあと一歩ゴールには届かず。すると川崎のセットプレー。ニアサイドに走った　谷口。意表を突かれて競り合えない湘南は谷口にフリーでヘッドを許します。そのボールは知念に当たり無情にもゴール方向へ。先制を許しました。うーん残念。良い形で攻めていただけに集中したい場面でした。湘南はマイナス方向に競り合えないボールを出されると弱いんですよね。流石川崎。したたかに先制を狙っていました。

湘南の良い攻撃は左サイドから。中野がドリブルで優位に立ち仕掛けることで川崎は飛び込めません。脇坂が　対面だったこともありドリブルがやりやすい形だったと中野もコメントで残していました。

平岡が裏の選択肢を作り山根を引きつけ空いた中の空間に杉岡が突撃。個人のクオリティを活かした新しい湘南の形でしたね。中野は周囲の状況判断も優れているのでここら辺の使い分けが上手かったです。ドリブルで仕掛けて空いたとこを使う、無理ならまた平岡と杉岡を使い相手を動かしてスペースを作る。時間も作れますし技術も高い。ペナルティエリアでFWがポジションを取る時間を作ってくれるのも魅力。補強ドンピシャ！

逆に良くない時は孤立してしまいます。茨田が良い形で縦パスを供給するも落ちているのは町野だけ。　　　　瀬川、タリク、平岡は裏抜けが得意な選手たちなので　町野が孤立してしまいます。茨田→町野の次の繋がりがないんですよね。同様に左サイドでも中野のドリブルだけに頼って選択肢を作ってあげないと川崎の選手は奪いにきます。選択肢を増やしてゴールまでつながりを持つ。そして得点力のある町野をゴール前に送るためにも孤立させてはいけない。町野の次、ゴールへつなげるためのラストピースが必要なのです。

忍ぶ者

後半から川崎はメンバーを変更。マルシーニョと脇坂に替えて大島と宮城。ボールを保持して攻める形へと変更しました。こうなると強度の面で優位に立てる湘南。　川崎に保持で時間を与えずこちらの土俵に引きずり込むチャンスです。するとこぼれ球をタリクが広い瀬川に。瀬川はすぐに裏へ、ジェジエウの前に入り込んだ湘南の忍者。交錯して倒れる…判定はPK！！！！！！　　　　町野が大仕事をしてPKを獲得！キッカーは町野…

決めた！エースの久しぶりのゴール！　　　　　　　　ジェジエウの前に入り込むスピードとパワー、抜け出しと反応含めて高いレベルでしたね。湘南が常に狙っていた奪ってからの裏という形も良かった。川崎がメンバーを替えて攻勢に出たタイミングでのこれですからね。　まさにエース。日本を代表するFWだと思います。

忍者🥷

フットボールはドラマチックに

同点に追いついた湘南は一気に試合を掌握。川崎は大島の不調もあってか保持で落ち着かず。家長が中に入って湘南はコンパクトな守備を形成できてしまいます。　　広げることもできず裏を狙うにもマルシーニョは交代済み。代わりの宮城に走らせるも強みが違うのでなかなか意図が合わず。拓也の素晴らしい対応もあり広教が高い位置を採れ始めました。あとはゴールへとつなげるラストピースだけ…そこに湘南の10番が帰ってきました。　チームのことを理解し今必要なことをできる選手、みんなをつなげてゴールへ導く山田直輝の復帰。スタジアムのボルテージは最高潮。池田、舘、阿部、ウェリントンを入れて湘南は最後の攻撃に出ます。

山田直輝が入り湘南の攻撃は活性化。常に中野の選択肢になり決定機を演出。前半言っていた落ちてきた選手の次の選択肢となりゴールへ向かう選手へとつなぐ。　　やーまんはこれができる。味方を理解して相手を見て　判断できる。チームのために走れる。これぞ山田直輝。試合はアディショナルタイムへと突入します。

イメージの共有と相手を見てサッカーをすること。山口さんが今シーズン求めているのはそこだと思っています。そうすることでつながりは生まれる。アディショナルタイムで頭も身体も限界な中湘南の選手は思考を止めなかった。谷は小林を引きつけて杉岡にスロー。前が空いた杉岡は運んで中の状況を把握。阿部が落ちてそれを見た山田直輝は裏へ走ります。阿部は山村がついてきてること、山田直輝が走ったことを確認してアイディアのあるスルー。フリーの山田直輝はワンフェイク入れてマイナスに。走り込んだのは阿部浩之！！！！！！！！！ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーール！！！アディショナルタイムでの大逆転！！！！！！！！！！ドラマチックな幕切れとなった試合ですがその裏では　つながりを意識して相手を見たポジショニングを取り　ゴールを目指した今シーズンの湘南の取り組んだことが詰まっていました。その中心となったのはやはり山田直輝とゴールへのイメージと最後にゴールへとつなげた　阿部浩之。素晴らしい試合を見せてくれました。　　　フットボールは熱くドラマチック。また明日からも頑張れる。