横浜Fマリノス戦レビュー     これが湘南の力だ!

遡ること26年前。BMWスタジアムにてVゴール方式でベルマーレはマリノスに勝利しました。僕はもちろん産まれてないですしましてや親もまだ結婚してなかったらしいです。ピッチ上の選手もほとんどがまだ産まれてなかったことを考えると世代を超えて紡いできたものがこの試合に出たのかなと高校生なりに考えたりしました。いつも大事なときに巡ってきたマリノス戦、今回も湘南の転換期の象徴となる素晴らしい試合を見せてくれましたね。いつか僕も結婚して下の世代にベルマーレの素晴らしさを伝えられるように頑張りますね。     

まぁ母親にお前は結婚できないって言われたんですけどね。話がズレてきたのでそろそろレビューに入ろうと思います笑。まずはスタメンから!

横浜Fマリノス予想スタメンとスタメン

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天野の予想が当たりましたね。右には若い松田を起用してきました。しかし注目するべきはセンターフォワードのマルコスジュニオールです。彼は身体のでかい言わばポストプレーヤーではありません。ストライカーというのも少しニュアンスが違います。じゃあいったいどのような役割だったのか?               詳しくは湘南のスタメンの後!

湘南ベルマーレ予想スタメンとスタメン

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スタメンは全員合ってましたね。どーせならベンチも当てたかったですけどなかなか読めないですね。今シーズンが終わるまでにいつか全員当てが出来る様に頑張ります。ベンチには坂が戻ってきました。個人で勝てる坂が戻ってきたのは本当にデカいですね。良い競争をしながらお互いに高め合ってほしいと思います。

0の概念

0という数字は古代インドの文明で産まれた物です。 昔はカレンダーなんかにも0という概念がなく数字の見分けがつかないなんてこともあったそうです。そして0という概念はサッカーにも取り入れられました。それが0トップです。まずは0トップの説明をします。

①0トップって?

0トップとは簡単に言うとFWにいる選手が下がってくるという戦術です。ポジションではFWのはずなのにそこにいないことから偽9番なんて言われ方もします。身近な例で言うとバルセロナのメッシや少し前の日本代表の本田圭佑がこの0トップをやっていましたね。そして今回のマリノスではマルコスジュニオールがこの役割を果たしていました。次は0トップの利点を説明します。

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0トップのメリット

意外と単純です。FWが下がってくるということはそれだけ中盤に厚みが生まれこちらのディフェンスはそのFWについていかなければならないのでディフェンスにズレが生じます。ゴール前に人数が少ないという弱点もありますが逆に2列目から飛び出しやすいのでラインを揃えても抜け出されてしまうなんてこともよくあるんですよね。完成度が高ければかなり有効的な戦術だと思います。


チャレンジ&カバーにラインディフェンスと偽サイドバックと0トップにカウンターとかいうラーメン大盛りトッピング全乗せ状態の前半

題名が長ぇ!笑。文字だけでもこれだけ情報量が多い前半でした。得点こそ無かったものの本当に面白かったですよね。Jリーグでも1、2を争うほど白熱したゲームだったと思います。まずはマリノスの偽サイドバックから

変形するマリノスのフォーメーション

これに関してはプレビューで言っているのでより詳しく知りたいという人はそっちを見てください。マリノスは偽サイドバックという戦術でボランチが下がりサイドバックが中に入ることで湘南はマークが外れてしまいます。そこのズレからボールを運ばれてしまい少し押し込まれますが湘南はそんなことは折り込み済みです。両サイドがチャレンジ&カバーをすることにより見事に対処しました。                    横浜Fマリノス戦プレビュー←理解が深まるかもよ!

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7のボランチが落ちてサイドバックが中に入りサイドにスペースを作るといった感じです。試合を見直すといつの間にかサイドバックがいないと思うシーンがいくつもあると思うので見てみてください。         次は湘南の対応です!

徹底した両サイドのチャレンジ&カバー

ズレたマリノスのポジションを捕まえきれずに前に運ばれますが湘南はもうプレスだけのチームではありません。守備では前節に引き続き詰め将棋のような守り方をします。こちらをご覧ください。

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サイドバックの松原と小池が中に来た分和田と天野がフリーに。未月と茨田は相手についているし金子も真ん中のスペースを開けるわけにはいかないのでフリーになってしまいました。今までならここでやられてたんですけど湘南のセンターバックはアグレッシブな2人がいるのできちんと対応するんです。

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天野か和田にボールが入れば自分のポジションを捨てて田中と舘が前に出てきました。このチャレンジのスピードが凄まじく速いのと簡単に前を向かせない激しい守備ですぐにボールを下げさせることに成功しました。しかし田中と舘が出た分のスペースが空いています。どう対応したのでしょうか?

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正解はこちら。拓也と畑が絞ってカバーです。相手は長いボールを蹴らなければいけないのでよっぽどタイミングと精度が合わなければ決定機まで持っていけません。ましてや対人の強い拓也とスピードとパワーの畑に対して裏の一本なんてよっぽどのことがなければやられませんよ。最終的にサイドに来ることを読んで出ている選手の特徴を活かした浮嶋さんらしい詰め将棋ディフェンスでした。王手!



湘南のラインディフェンス

これは詳しくは富士石さんのブログを参考にしてください笑。僕のレベルでは本当に簡単なレベルでしか言えないので簡単に言います。田中か舘が出るとその分を畑か拓也が埋めてラインを形成しました。これによりサイドは圧力をかけられうまく抜け出せず松田のサイドはほとんど機能しませんでした。エリキのサイドも個人技で持ち込むことはあれど流れからは形を作らせませんでしたね。簡単に図で表すとこんな感じです。

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これだけライン間の距離感や真っ直ぐ統一されているとサイドとしてはやりにくいです。もっと前でプレーしたいのにできないし少しでも飛び出せばオフサイドになってしまう。これだけの精度を1試合通してコントロールしてるんですから本当に凄い。地味ですけどこのラインコントロールが湘南の好調を支えている1番の要因かもしれませんね。ですがマリノスもこんな程度では終わりませんよ。ついに0トップの出番です。


捕まえられない0トップ

マリノスはACLを見据えて0トップを試してきました。マルコスジュニオールはうまく金子と広教のギャップを取り上手くボールを貰います。先ほど言った天野と和田の横とかにいるとどうしてもプレスがかけられないんですよね。

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ここでボールを持たれてフリーの状況を作られました。正直どうしていいか分かりませんでした。これを後半もやり続けていたらもしかしたらマリノスに試合が転がっていたかもしれません。そして湘南はラインディフェンスを敷いているため2列目から飛び出されると上手くついていけないという弱点があります。15分の天野の決定機もマルコスジュニオールが落ちてそこから飛び出されてというようなシーンだったと思います。ラインの少し前から飛び出せばオフサイドにもならないですしね。戦術面でやられた場面ですが谷が素晴らしいセーブで救ってくれました。危ないミスもあるけどやっぱり頼れる存在ですね。借りパクしちゃうぞ〜!


カウンター!

こちらはプレビューで書いた通り!相手のサイドバックが出るならそのサイドは空くはず!ということでカウンターが有効になるという話をしました。湘南は見事にそれを実行してくれましたね。顕著に見られたのは金子のスルーパスから拓也が抜け出して指宿がフリーで打ったシーンですね。決まりはしなかったものの実に湘南らしい良いカウンターでした。もちろんダメだったらすぐ遅攻に切り替えてボールを回すという切り替えも素晴らしかったです。普通に強い!笑


後半。個人で攻めるマリノス。

マリノスは0トップで湘南のゴールを脅かしましたがまだ慣れてない戦術をやるのはやはりリスクも大きい。パスミスからピンチというシーンや湘南の詰め将棋ディフェンスに手こずったことを考えて路線を変更してきました。機能していない松田とシャドーの和田を変え前田とジュニオールサントスを投入。いつものマリノスのスタイルでサイドで個人技勝負という形にしてきました。

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湘南はチャレンジ&カバーとラインディフェンスでサイドのスペースを消しているので前田のスピードに関してはある程度守れたと思います。しかしエリキと1対1になったりジュニオールサントスに収められたりするとどうしても個人の差で負けるシーンが多いなと感じました。こればっかりはしょうがないですね。


湘南ベルマーレにとっての齋藤未月

僕は湘南にとって1番欠かせない選手だと思っています。プレスのスイッチを入れるのも未月だし金子のフォローに行くのも未月、ディフェンスのカバーにも入りカウンターの時には誰よりも速くゴール前に顔を出します。苦しい時期でも湘南の色を失わなかったのは未月がいたからです。苦手なボールの配給も受け方も段違いに上手くなり今では攻撃の起点にもなっています。ですが評価はサポーターの中でも採点の記事でも高くありませんでした。それはやはり目に見えた結果が出てないからだと思います。こんだけ頑張ってるんだから結果を求めるのは酷じゃないかなと思いつつもみんな厳しい目を向けている。なぜならそれは期待があるから。未月はきっと世界に行って代表で活躍するという期待があるからこそ結果を求めるんだと思います。


湘南のセットプレー。キッカーは未月と同じく献身的に動いていた茨田。鋭いボールはニアの指宿へと。指宿が逸らしたボールは未月のもとへ。


ゴール!!!!!!!入った!!!!!!!!    ようやく…ようやく決めてくれました。数々あった決定機の分を晴らすかのようにボールを叩きつけ泥臭く、未月らしく決めてくれました。本当に嬉しかった。頑張ってる選手が報われるのはいつだって嬉しい。ですがまだまだここから。未月はここで満足するような器じゃないのをみんな分かっています。いい意味でリラックスしてここからどんどん結果も出してほしいですね。


疲れからのトラブル

順調に見えた湘南にアクシデントが起こります。タリクが筋肉系のトラブルで中川と交代。そして畑も膝の怪我で坂と交代します。焦りこそあったもののボールを引き出しプレスをかけ続けたタリク、裏のカバーとサイドで何度も松原を圧倒したドリブルでこの試合のキーポイントとなっていた畑。湘南の中枢神経とも言える彼らが後半の早めの段階でいなくなるのはかなりキツかったです。湘南は有利になれる点を失い引いて守るしかありませんでした。過密日程の影響ですかね。



粘れ!全員の力で勝つんだ!

未月、茨田 out→山田、松田 in

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湘南はサイドバックへの対応で疲弊した未月と茨田を下げ山田直輝と松田天馬を投入。坂がセンターバックの真ん中に入り畑のポジションには広教が、そしてタリクの代わりには中川がはいりました。もう明確ですね。守り切ろうというスタンスに入りました。前線に運動量のある選手を入れて何度も追いつつカウンターでは時間を作るというのが共通理解としてあると思いました。しかし戦い方が上手くなりましたね。攻められていてもじっくりと我慢して対応していました。坂はクロスに対してしっかりと跳ね返しやーまんと中川は前線でテクニックを使いキープしつつ時間を進めます。天馬はサイドの裏までカバーして足の止まってきたディフェンス陣を助けました。ヤバいのは田中君です。80分を過ぎているのにも関わらずキレのいいドリブルでプレスを剥がし前線まで運んで行きます。バケモンや。今すぐプロフィールの高校3年生を直してきた方がいいですね。あんなの海外の選手でもなかなか出来ないでしょ笑。






守り切ろうといってもドン引きするわけではない。しっかりとラインの上げ下げをしてクリアに簡単に逃げずにプレーしたからこそ決定機を作らせなかった。ですがサッカーはそんなに甘くない。最後の最後で大ピンチ。谷がクロスに対してキャッチしに行ったボールをファンブル。こぼれ球を詰められますがこれは枠の外。そして試合終了の笛!最後の最後で決定機を作られましたが見事な勝利!全員の力を合わせた今シーズンの湘南を象徴するような試合になったと思います!なによりマリノスに勝てたのが嬉しいですね。なんとなく神奈川ではレベルの差をつけられてしまった感が僕にはありました。そんな中で新しいことにチャレンジした今シーズンにこんな素晴らしい内容でマリノスに勝てた。ダービーらしくライバル同士が激しくぶつかる、そんな試合に一歩近づけたと思います。やったぜ!!!


まとめ

素晴らしいダービーでしたね。確実に成長しているチームを見ると本当に誇らしいです。マリノスも様々な戦術や選手を駆使して戦いそれに対して湘南も対抗した。こうした中身の詰まったゲームができてそれを見て勝つことができるって本当に素晴らしいことだと思います。 エンターテイメントの面から見ても湘南の試合はJリーグでもトップを争うレベルの面白さですね。(贔屓

まだまだここから。好調を維持して勝ち点を積み上げましょう!次も勝って連勝を伸ばすぞー!



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