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【プロキオンS(G3)2024】予想ファクター比較シート

1.はじめに(予想ファクター比較シートとは)

過去のデータや登録段階での出走表に基づき、「能力」「展開」「ローテ」「血統」という4つの観点で各馬を評価し、各項目1~10点で採点しております。
枠順や当日の馬場傾向によって最終結論での評価が大きく変わることもありますが何卒ご了承ください。


2.評価基準

① 能力

過去の好走実績から各馬の純粋な能力を評価する。また、近走のパフォーマンスを考慮して勢いや衰えも評価対象とする。

② 展開

小倉ダート1700mはスタートから初角までの距離が約343mと極端に長いわけではないが、先行争いにおいてはそれほど影響はない。小回りコースで基本的には先行馬が有利であるためポジション争いが激化しやすいが、1~2コーナーが上り坂となっているためここで一旦ペースは落ち着く。しかしながら、その後は基本的に下り傾斜が続くため常にスピードが求められ、また、最後の直線が短いことからロングスパート勝負になりやすいため、とにかくスピードを持続させるスタミナが重要になる。

上記を踏まえて今回の登録メンバーを見てみると、ダート中距離戦にしては若干先行馬割合は高めで、尚且つ注目度が高いヤマニンウルスも先行脚質であることを考えると、コースの特徴通りタフな流れになりそう。但し、小回りで最後の直線が短いため、いくら前が厳しい流れでも後方一気の末脚には期待できず、ある程度流れに乗れる追走力ハイペース適性を重視して考えたい。また、速い流れの中でもポジションを上げられる機動力にも注目したい。

③ ローテ

先行馬割合が高めでタフな流れが想定されるため本来なら距離短縮馬のスタミナが活きる形だが、コース形態上とにかく流れに乗ること、そしてスピードで押し切ることが重要になるため距離延長馬にも一定のメリットがある。特に雨が降った場合は更にスピードが求められるため、むしろ短距離経験のある馬の方が有利になる。したがって、事前のレース傾向としては特に定めず、各馬の得意ローテレース間隔前走の有利不利などを重視したい。

④ 血統

小回りコースで最後の直線が短いダート戦で、尚且つ終始スピードが求められるレース傾向から日本の主流条件(例えば東京芝2400mなど)とは大きくかけ離れており、血統的にもサンデー系を中心とした日本の主流血統が走りにくい。その一方で、小回り適性やスピードの持続力に優れた米国型血統大系統ミスプロ系が好成績を残している。米国型血統の中でもナスルーラ系ノーザンダンサー系には特に注目。その他、各種牡馬の特徴にも注目する。


3.予想ファクター比較シート

プロキオンS2024の予想ファクター比較シートは以下の通り。


4.注目馬(総合点上位馬)短評

○ スレイマン(総合点1位タイ)
大型馬だが器用に立ち回れるタイプで、ある程度の先行力と決め手も兼ね備えているため小回りコースでも高いパフォーマンスを発揮できる。同コースの実績も十分で、特に3走前の門司Sは好位追走から上がり最速の末脚を使い4馬身差の圧勝。今回も同様に走れれば信頼度は高い。姉にジェンティルドンナがいるため芝向きの血統ではあるが、これまでの実績から今更ダート適性を疑う余地はなく、むしろ父が同コースと好相性の大系統ミスプロ系なのは好材料。但し、前走の平安Sは前有利の展開でこの馬自身も先行できていたのにもかかわらず最後の直線で失速したのは非常に気になる。距離短縮ローテと得意な舞台替わりで巻き返す可能性は十分に考えられるが、想定オッズに見合うかどうかは微妙なところ。

○ デシエルト(総合点1位タイ)
スピードの持続力という観点では今回のメンバーの中でも最上位レベル。前走の三宮Sは勝ったオメガギネスが圧巻のパフォーマンスだったが、この馬自身もハイペースで前が厳しい中、道中2番手からの競馬で3着に粘り込んだのは評価できる。しかも距離延長ローテだったことを考えると相当な持続力を示したように思う。今回はこの馬の持ち味を活かしやすいコース形態で、尚且つ距離短縮ローテも良い。ドレフォン産駒の特徴的にも短縮ローテでスピードの持続力を活かせるのは好材料。

○ ハピ(総合点3位)
なかなか勝ち切れないレースが続いているが、実績的には間違いなく最上位。どんな展開でも最後は必ず良い脚を使うことができ、馬群の中でもしっかり追走できるのは魅力的。前走の平安Sは前有利の展開だったが、その中で中団から末脚を活かして2着に好走できたのは評価できる。近走は以前に比べて脚質に幅が出てきたため今回も中団辺りで追走するのが理想的だが、テンの速い馬が多数いるため極端な枠だと後方のポジションになるリスクも考えられる。それでも人気がヤマニンウルスに一本被りするようなら期待値は高い。


5.振り返り

1着 11ヤマニンウルス
2着 5スレイマン
3着 1マリオロード

想定通りハイペース。前に行った馬には厳しい展開だった。ただ、勝ったヤマニンウルスはその展開の中でも4角先頭で3馬身差の勝利。実績不足や血統的にも特筆すべき点がなかったことを考えると単純に力が抜けていた。今後も怪我さえしなければ間違いなくダート路線の主役になれる存在。
2着のスレイマンは総合点1位での好走。前走の大敗が不可解だったが、距離短縮と得意舞台に替わって巻き返すことができた。この馬もある程度先行して好走したため非常に評価できる内容だが、今回は勝った馬が強すぎた。

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