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長い年月の果てに 始まりに戻った

『Regret Report./リグレットレポート』第51回。

毎週土曜0時に配信中のPodcast番組
『Re:creation Port./レクリエーションポート』でキャスターを務める私、武藤翔馬が配信エピソードで扱った話題を題材に、そこから更に思索生知するエッセイです。
配信と合わせて楽しんでいただけると幸いです。

『#81 現実とは何か、そう問われ脳は困惑した🧠』
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マトリックス レザレクションズ
公開初日に吹き替え版を観てきました。

配信の中で何故、吹き替え版にしたのかnoteの方で書こうと思うって言ったので、その辺の話を。

字幕か吹き替えか、悩みましま。
字幕版は俳優の声の感じや息遣いが伝わってくるのが魅力ですよね。
やはり本場という感じ。
でも字幕をチラチラ見てると、細かい表情のニュアンスやシーンを一瞬見落としてしまうことがある。

吹き替え版は、純粋に作品に集中できる。
性質上、字幕は情報量を少なくしなくちゃいけないから短い言葉で端的に書かれているけど吹き替えは言葉として、そこを拾えるからそういう意味でもわかりやすい。
声優さんの表現が加わることで新たな魅力も生まれる。

僕はどちらも好きです。

声優が決め手で映画を見たり、海外ドラマを見たりすることもあるくらいです。

そして今回、ドキドキのマトリックス。
さて、どちらで観ようか。
一回の鑑賞で済まないことは容易に想像できたので物語のわかりやすさを重視して、まずは全体像を掴もうという意味でも吹き替え版を選びました。

マトリックスは作品が扱っているテーマやキーワードが日本語と、とても相性がいいと個人的には思ってます。
哲学的な思想や禅の様な要素も多く、日本語でのやり取りに凄く自然に馴染むなと。
勿論、翻訳の方の素晴らしい仕事のおかげでもありますが。

それと僕にとって吹き替え版には、もう一つ思い入れがあるんです。

過去の配信でマトリックス一作目が公開された時、正確な回数は覚えてないけど当時13回は劇場に足を運んで映画を観たって話をしましたが、字幕版と吹き替え版を交互に繰り返し観てたんですよね。
変なことだけど、吹き替えというものを知ってはいたけど声優というものは認識してなかったと思います。
ただ、『この声』という認識だったような気がする。

吹き替え版のネオの声。

それが凄くしっくりきて好きだったんです。
プロなので当たり前と言えば当たり前なんですが。
字幕版で観てる時でも、吹き替えを担当した小山力也さんの声が頭の中で流れていて、逆に吹き替え版を観てる時にはキアヌ・リーブスの声が流れてるみたいな。
そういう不思議なシンクロというか、融合みたいなことが僕の頭の中で起きてたんですよね。

後にも先にも、そういう体験はないように思います。

月日が流れ、そういう体験の記憶が薄くなり、すっかり頭から消えてしまいましたが、何の因果か僕は声優を目指す訳なんですよね。
そして専門学校を卒業した後、20歳くらいだったかな。
僕は力也さんとお話しする機会に恵まれます。
力也さんが主演する舞台の宣伝を兼ねて、僕の母校の専門学校で講演会のようなことをすることになったんです。
講師の方のご厚意で、卒業生枠として僕もその講演会に参加させてもらえることになりました。
力也さんはとても魅力的な方で、ユーモラスに、そして情熱的にお芝居のこと、吹き替えをする時に大切にしていることを話してくれました。
そして講演会の最後に力也さんに質問できることになりました。
若く自意識過剰な僕は、その時に抱えていた芝居の悩みを相談させてもらいました。
力也さんは未熟で生意気な僕の話に耳を傾け真摯に答えてくださいました。
当時の僕にはまだ理解しきれない部分がありましたが、その時の言葉は今でも覚えてます。

声優の道を挫折し、そこから視野を広げて、より芝居のことを勉強しようと舞台、映像といくつか経験を重ね、あの時の力也さんの言葉がほんの少しだけどわかるようになってきました。
一周して、またナレーションやポッドキャストなど声を使った表現をする機会が巡ってきました。

そしてマトリックスの新作が上映される。
吹き替えは引き続き小山力也さん。
公開に先駆けて色んなところで力也さんのインタビュー記事を目にする機会が増える。
マトリックスは力也さんが初めて劇場版の大作を担当した作品というのを知って驚いたが、それとは別に力也がインタビューで語る
吹き替えをする上で大切にしていることが、あの時の講演会で話してくれたことと変わっていないことにも驚いた。

本当に凄いなぁ。
心の底から感服した。


マトリックスでキアヌ・リーブスに憧れたことがきっかけで僕は表現の世界に足を踏み入れ、声優を目指して活動していた時に、マトリックスの主人公ネオの吹き替えを担当した力也さんの言葉に触れ、そして今、マトリックスの新作が上映される。

僕は極めて個人的な運命めいたものを感じずにはいられず、初日に吹き替え版を鑑賞するに至ったのでした。

思い入れのある作品というのも勿論あるけど、色んな意味で特別な思いを抱いての鑑賞になったわけなのです。

色んな意味で素敵な体験をありがとうございますという思いで一杯です。

次は気持ちを新たに、字幕版を観に行きたいと思います!

皆さんも是非、三部作を見て劇場に足を運んでみてください!!!

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