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HoboHopeの話をしよう

『Regret Report./リグレットレポート』第25回。
これは毎週土曜0時に配信しているPodcast番組,
『Re:creation Port./レクリエーションポート』を題材にしたエッセイです。
まだ聴いていないという方は、先にPodcastを聴いてから読むと、より楽しめる内容になっていると思います。

『#51 君はもう、ほぼほぺを聴いたか』

前回に引き続きnooさんのニューアルバム『HoboHope』について話しました。
Podcastでもnoteでも二週に渡って、この内容でお送りしてます!

Podcastの配信でも少し話しましたし、過去にnoteでも書いたと思いますが、好きなものについて話すのは、やっぱり難しいですね。

好きなものなんだから、いくらでも話せそうな気がするんですけどね…

語彙力不足が招いていることなんですかね?

良いと思ったもの、好きなものって多分、感覚的に捉えているんですよね。
それが胸の内側で渦巻いてるんですよ。

イメージで言うと、ビーストウォーズのスパークみたいな。
…これは、わかる人の方が少ないですね。
気にしないでください。

内面で形無く流動的に渦巻いてるものを外に出す作業をする時に、言葉に変換したり当てはめたりするわけですが、僕はそれが上手くいってないんですよね。

なかなか適切な言葉じゃない気がして。
言葉にすればするほど違っていくような、むしろ遠ざかっていくような、そんな感覚があるので、避けて胸の内にしまっておきたくなってしまうんですよね。

配信を通じて、それをやるというのが僕の課題だったり、お勉強だったりするわけなんですが。

多分、僕は自分の心や気持ちを伝えようとしてるんじゃなくて、説明しようとしてるんですよね。

伝えるなら、言語化しなくてもいいですよね。
興奮した様子で「凄かった!とても良かった」を連呼してれば極端な話、気持ちは伝わりますよね。

でも僕は感覚的なことを言語を用いて説明しようとしてるから、余計に難しくなるんだろうな。
痛いとはどういうことか。
楽しいとはどういうことか。

こういうことを言語にして説明するのは、非常に難しい。

こうして記事を書いていて、伝えると説明するを混同してることに、今気付きました。

なるほど、なるほど。

…なるほどね。

じゃあ、それを踏まえて細かいことは気にせず、『HoboHope』を聴いて感じたこと、個人的に良いなと思ったポイントを、ただつらつらと書いていってみようかな。

全11曲、メロディー、歌詞、ボーカル、ジャケット、アルバムトレーラー、その全てが一本、共通した何かを持っていて、これが世界観というやつなんだなと心地よくなれました。
物悲しげだったり愉快さだったり、色は似てるけど、でも季節は違うというか、似た温度だけど違った質感というか、なんとも言えない安心感のようなものがあって非常に面白いなと思いました。

お気に入りの曲がいくつかあります。
まず1曲目『ネガ救世』。
タイトルからしてカッコいい。
僕が初めて救世という言葉に出会ったのは、恐らく小学4年生の時。
映画のマトリックスに出てくる救世主というワードだったように思う。
僕はキアヌ・リーブスのファンで公開当時、劇場に7回は足を運んだと思います。
いや、もっとかな。
マトリックスにのめり込んで、なんとなく自分の中に救世というものが深く刻まれているような気がする。

イントロの少しくぐもった感じが、どこか遠くのラジオから流れてる音みたいで、それかステレオになって鮮明になる。
まさに開幕という感じ。
一気に作品世界に引き込まれる感覚が堪らんです。

明暗や色が反転したネガ。

痛み分けることでさえ、貶め合うことでさえ、いつまでもままならないお前などいらないのだ。はじめから。自惚れるな。

反転してるはずなのに、それ故にか、より救世の正しい在り方を説いているように思えてくる。
どこか遠くの出来事じゃなく、あなたも当事者ですよ、と言われているみたい。


次に4曲目『opfern』。
とても好きです!
なんとも切なく物悲しい。
聴いてると色んな物語が頭に思い浮かんだきます。
もう既に全てを失い、そこから在りし遠い過去を思い返しているような印象。
大切なものを失った後に、そこから更に終末に向かっていくような。
時が止まった、と、ゆっくりと終わりに向かうが混在しているような不思議な余韻が心地良いです。
そして最後に終わりが加速する感じ。
圧倒的な喪失感が最高です。

言葉にすればするほど嘘みたいで嫌だな

その言葉が、「あなたが全て」を補強する。

「嫌だな」が独り言みたいで余計に独りを想起させる。


最後は10曲目『pool』。
青春!!!という感じ。
青春時代に未練を残したノスタルジーの亡霊たる僕には、とても眩しい。
どことなく未完成で不安定。
若さ故に危ういけど瑞々しい、そういう鮮やかな情景が✳︎染みさんのボーカルと重なってより強調される。

遊び疲れた放課後の彼 眠たそうに背伸びをした

鐘の音と赤く燃える窓 夏が不意にスイカを割った

まぁ、なんて表現でしょうか。
僕は放課後、窓、夕焼け、そういうものに滅法弱いんです。

あなたがそっと触れた 私にそっと触れた

言い方を変えて繰り返すことで、それが如何に特別なことかがよくわかるし、その繰り返しに若干の幼さを感じさせる。
この繰り返しとその後に続く言葉で、きっと何気ないことなんだろうけど、この未熟な人物にとっては何より大切な出来事だったんだと想像してしまう。

溢れたプールの上浮かべた小さな船 流されぬようオールを漕ぐ

ここでも不安定なものを大切に守りたいというニュアンスが伝わってきて、どうか転覆しないようにと願いたくなる。


以上が、僕が『HoboHope』の中でも特にお気に入りの曲です。


その他にも『Are you cranky』の
もっと混ざり合いたい 腐り合いたいや

最後の「や」がポイント。
な、でも、の、でも、よ、でもなく「や」
お気に入りポイントです。

『渦中』のセリフチックな歌詞もボーカルの声とのギャップで、なんとも愛らしい。

『Waiting』の夜のネオンを彷彿とさせるようなメロディアスな感じも好きだし、いくらでも出てくるけど、それを表現する言葉がすくなくてもどかしいです。

もっと音楽的な部分にも触れたいだけど、何分、知識がないもんで…

歯痒いなぁ。

nooさんのニューアルバム『HoboHope』良さ、伝わりましたかね?

ピンと来なかったら、この分量で感じ取ってもらえた幸いです。

まだ聴いてないという方いたら、是非聴いてみてください!

そして我々がMVを制作した『リーフバック』こちらも合わせてチェックしてね。


感想などもお待ちしてます。



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