ハーブの品種を知りたい!多種多様、ハーブカタログ

人気のハーブを分類して、特徴などをまとめてみました。

ミント

シソ科ハッカ属の総称で、そのほとんどが常緑多年草。
鎮静、防腐、解熱などの働きを持ち、お茶や入浴剤、菓子などに多用されます。
非常に多くの種と品種があり、それぞれ芳香や形態が異なります。

1.ブラックペパーミント
名前はブラックですが、黒というよりも濃い赤が葉に入り、葉色全体は濃い緑。清涼感のある香りを持ちます。

2.スペアミント
紀元前400年よりハーブとして使われた歴史が残り、最古の例と考えられます。
葉の形状は尖っていて縁に切り込みがあります。

3.シトラスグリーンミント
葉色は濃いグリーンで茎はやや赤みがかった色をしています。
香りは爽やかな柑橘系。折原園芸のオリジナル品種。

4.パイナップルミント
アップルミントの変種で葉の形などが似ています。
葉にクリーム色の斑が入っていて、甘い香りがします。

5.アップルミント
別名をマルバハッカというように、丸い葉を持つ明るい色のミント。
葉の表面のでこぼことした質感が独特。甘い香りがあります。

6.オーデコロンミント
葉色はやや褐色系を帯びており、形は楕円形。
柑橘系の香りがあり、ベルガモットミントとも呼ばれています。


ゼラニウム

フウロソウ科の常緑多年草。
観賞用を含めれば200以上の種類があり、芳香や葉の形態などで区別されます。
精油は鎮痛、リラックス、抗菌、抗炎症などの作用に優れています。
ここではゼラニウムのなかでも、センテッドゼラニウムと呼ばれる葉に香りのあるものを紹介します。

1.スイートミモザゼラニウム
濃いグリーンの葉は大きめでやや切れ込みが入ります。
やや控えめな甘い香り。

2.グループーンフレークゼラニウム
丸い葉に小さい切れ込みが入っています。
7のスノーフレークゼラニウムの枝変わり。

3.ローズゼラニウム
バラに似た香りを持ち、ギザギザとした葉が特徴。
カレンソウとしても流通します。

4.クローバーリーフゼラニウム*
クローバーのような葉の形から命名されました。
大きめの葉のためブライダルシーンで人気です。

5.クリームチョコゼラニウム*
ギザギザとした葉も茎も白みがかった色をしています。

6.マーブルチョコゼラニウム*
明るいグリーンで葉脈を中心に赤褐色が入ります。
葉はモミジのような形が特徴。

7.スノーフレークゼラニウム
切れ込みがある丸い葉に白の斑が入ります。
レモンとバラが混じり合う香り。

8.ビターチョコゼラニウム*
葉の中心の赤褐色は季節により色が薄くなります。
マーブルチョコゼラニウムよりも葉が大きく厚い。

9.ストロベリーレモンゼラニウム
ゼラニウムのなかでも類をみない、イチゴに似た香りを持つという珍しい種類。

10.セツレイゼラニウム
葉にはランダムに白い斑が入ります。
花色はローズゼラニウムに比べて淡いピンク色。

*は折原園芸が命名した商品名です。他産地とは品種名が異なることがあります。


その他のハーブ

ミント、ゼラニウム以外にも使い勝手がよかったり、おもしろい形で作品を賑わせてくれるハーブがあります。
そんなハーブをちょっとだけ紹介します。

1.ラムズイヤー
シソ科の常緑多年草。
葉が白い繊毛で覆われ肌触りがよく、羊の耳に似ています。
食用には向かず、ドライフラワーやポプリ、庭園のアクセントとしての利用が多い。

2.ケール
アブラナ科のキャベツに近い草本植物で、近年、青汁の原料として注目。
便秘改善や抗酸化力に優れ、老化防止につながると期待されています。
安眠をもたらすメラトニンも含んでいます。

3.ラベンダー(イングリッシュ系)
シソ科の常緑小低木で、多くの種類があります。
写真のイングリッシュラベンダーがハーブとしては最も使用され、精油は甘い芳香を放ち、鎮静、鎮痛、抗菌などの作用につながります。

4.ラベンダー‘シルバーストリーク’
ラベンダーの園芸品種で、オランダで作出されました。
花壇用としての需要がメイン。
シルバーの葉と茎を持ち、切り花では花というよりも、葉物系ハーブとして流通しています。

5.ローズマリー
シソ科の常緑低木で、薬用や料理用に使われています。
香りが強く、生あるいは乾燥葉を肉料理やソースの原料などに利用します。
鎮痛、鎮静、消化促進、血行改善などをサポートする効果があります。

6.セージ
シソ科の常緑低木ですが、日本では冬に地上部が枯れ、翌春株元から芽を出すものも多いです。
肉を使う料理と相性がよく、ソーセージなどに多用されます。
喉や胃腸の炎症を抑える作用もあります。

7.オレガノ
シソ科の常緑多年草で、別名ハナハッカ。
茎葉にミントに似た香りがあり、肉料理やトマトを使った料理の風味つけに使われます。
ポプリやグラウンドカバー植物としても利用します。
※写真は園芸品種、‘ゴールデンオレガノ’

8.カレープラント
キク科の常緑多年草で、葉にカレーに似た香りがあります。
料理の香りづけに使われるほか、ドライフラワーやポプリにも使用されます。
リラックス効果や血行改善の働きをもたらします。

9.ユーフォルビア・ミルシニテス
トウダイグサ科の多年草で、傷をつけると白い乳液が出ます。
ほふく性なので、下垂させたり傾斜地に這わせると楽しいです。
暑さ寒さには強いですが、過湿には弱いので注意する必要があります。

10.フェンネル
セリ科の宿根性の草本で、和名はウイキョウ。
草丈1m以上になり、独特の芳香と甘味を持ちます。
魚料理の臭み除去や、種子は薬用として使用します。
健胃、去痰、鎮静作用に優れます。

11.ジャーマン・カモミール
キク科の1年生植物で、和名はカミツレ。
西欧では最もポピュラーな植物で、花部をハーブティーやハーブキャンディなどに利用します。
主な作用は、抗炎症、抗アレルギー、鎮痛、鎮痙。

記事提供/月刊フローリスト
撮影/福井裕子
花材協力/有限会社 折原園芸、
監修/柴田忠裕[佐倉ハーブ園(薬用植物園)]

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?