学ぼう、花のスペシャリストに。水揚げ&花のケア vol.9|オンシジウム

花を長持ちさせるには、花それぞれの特性を知った水揚げや花のケアが必要です。
でも、どうやっていいかわからない。
プロになりたい人、いまさら聞けない人、もっともっと花を楽しみたい人まで、基本から学んじゃいましょう。

花を長持ちさせるためのテクニックや知識を、実際のお花屋さんの業務の中で研究し、検証してきた
フルーロン花佳の薄木健友さんに学びます。

これまでの連載一覧はこちら >> 学ぼう、花のスペシャリストに。水揚げ&花のケア

vol.9 「オンシジウム」おすすめの水揚げ法

具体的な品目別のおすすめの水揚げ方法をご紹介しています。今回はオンシジウムです。

オンシジウム

Oncidium
出回り時期 周年
エチレン感受性 大
バクテリアの影響 中
品質保持剤糖分 有・花店用
単子葉類

特徴
国産品に比べ輸入品の流通が圧倒的に多く、そのほとんどがタイで生産されている。
輸送中に品質が劣化する場合が多いので、仕入れる時には花のシワ、花の傷み、ステムの腐敗などに気を付けると良い。

おすすめの水揚げ

保水用のピックでの湿式輸送がほとんどだが、ステムが腐敗していたり、水が汚れている場合もあるので、必ず切り戻しする。
ナイフで斜めにカットし、糖分入りの品質保持剤を使用すると花保ちが良くなる。

管理の注意点

エチレンの影響を受けやすいので、果物の近くやしおれ始めている花の近くには飾らないようにする。
低温に弱いので、5℃以下の冷蔵庫には入れないこと。
自らの樹液で水が濁り水下がりする場合があるので、水替えと切り戻しはマメに行う。


教えてくれたお花屋さん
薄木健友 Taketomo Usuki
札幌の生花店株式会社花佳代表取締役。NPO 法人日本切花装飾普及協会認定カットフラワーアドバイザー。 第1回花のMVP大賞受賞。1988 年札幌市内の生花店に勤務したのち、1993年にフルーロン花佳を開いて独立。JFTD学園講師、切り花の水揚げと鮮度管理に関する講演や雑誌連載など、活動は多岐に渡る。

フルーロン花佳
北海道札幌市西区西野6条3丁目 1 - 1
http://www.hanaka.tv
E-mail:hana@hanaka.tv

もっと詳しく知りたい!「花の扱いのプロになりたい」という人は薄木さんの著書『水揚げ&花のケア 切り花の鮮度保持マニュアル』をご覧ください。

薄木さんの言葉:
家電販売業界から花屋に転向した私は、バラとカーネーションの違 いすらわからない、まったくの素人でした。

先輩たちから花の名前を 教わり、アレンジや花束、葬儀スタンド、祭壇、ブライダルブーケな どひととおりの技術を教わったのですが、ひとつどうしても納得のい かない技術がありました。
それが水揚げです。

キクは湯揚げして!ススキは酢に浸けて!アジサイはミョウバンをすり込んで!どの作業にも驚きましたが、それ以上に「なぜ?」という疑問を持ちました。

先輩たちに質問しても、「水が上がるから」と言われるだけ。
納得できる解答は得られませんでした。
独立後、ほかの花屋さんと交流するようになり、お店によって水揚げ方法が違うことを知り、私の疑問はさらにふくらみました。

いったいどの方法が正解なのか?
そこから 私の水揚げと管理についての模索が始まったのです。
その模索から得たことを、2008年から2年間、雑誌『フローリスト』にて連載させていただきました。

本書はその内容をさらにわかりやすくまとめたものです。

花によって、適する温度や湿度、そして水も違います。
エチレンガスの影響を受けやすい花、バクテリアの影響を受けやすい花など、性質はさまざまです。

それらの管理方法についても具体的に説明しています。
水揚げにはいくつもの方法があり、しっかりと水が上がればその方法は正しかったと言えます。
本書でご紹介するやり方が必ずしもすべ てとは言えません。
あくまでも数ある方法のひとつとして参考にして いただければ幸いです。

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