困った時の関わり方
どうも。おはようございます。
寺子屋共育轍の代表をしている蔵田翔です。
このラジオでは、日々子どもたちと関わるなかで、大切にしたいと感じたことをまとめています。
一つの話題提供として、活用してみてください。
それでは、今日は「困った時の関わり方」というテーマでお話ししていきたいと思います。
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▼ 困っている行動を伝える
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困っている行動を伝える時には、具体的に何が目の前で起きているかを考える必要があります。
例えば学童で言うと、ビー玉をたくさん入れてる箱みたいな、プラスチックケースがあるんですけど、そこから子どもたちがバラバラーってビー玉を床に散らばらせて遊んだ後、違う遊びを始めてしまったという風になると、誰かがケガするかもしれないし、「やめろよ」ってその子が高学年からめちゃめちゃ怒られるかもしれない。
僕たち自身も困りますよね。大人としても踏みたくないし、ビー玉痛いし、っていうところを気付いたタイミングで、シンプルに事実を「ビー玉がいっぱい散らばっていて、すごい困る、なんで?どうしたのこれ?」っていう素直な気持ち、僕たちが困っている気持ちっていうのを伝えるのが大事で。
「なんでこんなことしたの?ビー玉散らかして、邪魔じゃないか、片づけなさい!」って言われたって、なかなか素直に従えないんですよね。
それよりも、事実が大事で「僕が困ってるよ」って、「踏んだら痛いし嫌だなー」って気持ちを素直に伝えるってことが結構大事だなと思っていて。
ただそれだけだと、まだ子どもの発達段階的に、社会性とか、相手の視点に立つという所に辿り着いて無い子どもたちからすると、子どもにとっての自分にとっての不利益が見えないので、「何言ってるんだろう?意味分からない、うっとうしいな」って思っちゃったりする。
子どもにとっての不利益は何かって結構重要なんですよね。
例えば、こういう風に散らばってたら嫌だなっていうのを伝えた後に、例えば、こうやって散らばってたら、君も踏んじゃうかもしれないよねって、他にも踏んじゃった人が君に怒って来てケンカになっちゃうかもしれない、ってそれって悲しくない?っていうような、あなたにとっての不利益はなんですよ、っていうのを教えてあげることで、「あ、それだったら片づけようかな」っていう気持ちに切り替えることが出来たりします。
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▼ しまった体験
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しまった体験はとても大切なんです。
でも、事前にケンカにならないようにとか、僕たちが全部回収していってしまって体験することを喪失しているパターンが起きてしまうことがあります。
さっきの片付けの話の様に、片づけてって伝えても「いやだいやだ、なんで僕がやらないといけない」ってなることがある。
そんな時に管理してその状況を繰り返さない様にするのではなく、ちゃんとしまった体験をしてもらうことが大切です。
例えば、僕たちもビー玉を踏んじゃった誰かがいたとして、「誰やねん!」って怒っているのを見て初めて気付くわけですよね。
なので、事実だけでなく状況を伝えてあげる必要があります。
例えば、「ビー玉をバラバラーって散らばらせたままにしていたから、気付かず踏んじゃって、それに対してすごい怒ってたよ。君も踏んだ時嫌な気持ちになるよね。すごい怒ってたけどどうする?」っていう話をするだけでも、「えー怒ってたのか。どうしよう」って不安な気持ちになったり、申し訳なくなったりするんですよね。
ここでやっとしまった体験ができる。謝るとか、片付けるとかはその次の話。
事前に失敗しない様に回避してしまうのではなく、「あーしまった、あの時片付けてたらよかったな」ってちゃんと経験をしてもらうことも大事ですね。
言葉で伝わればいいんですけど、言語では伝わらないことってあるので、そんな時は「タイムアウト」っていう方法をとってたりします。
例えば、ビー玉をバラバラにしたことはもう忘れていて、違う遊びをしていて楽しい気持ちになってたりすると、どんなに説明されても頭に入っていかない。
そんな時に「今ちょっとごめん、このビー玉でケガしそうになった人がいるから時間調整い」とか、「嫌な気持ちになった人がいるから、一旦その遊びやめてね」と伝えて、向き合う機会をつくる。
このことをタイムアウトって言ったりします。
1分間タイマーをして違う場所で静かに過ごしてもらって、自分のやった事でいま遊べなくなっているという、子どもにとっての不利益をちゃんと体験してもらうコーディネートをするということが大事な部分ですね。
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▼ してほしい行動を伝える
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大人かしてほしい行動を伝える時にありがちなとことしては、謝罪させることが多くて。
「こんなバラバラにして片付けないままにしてごめんなさいって言いなさい」とかって、僕すごい嫌いなんですよ。そういうの。
他にも、ビー玉を踏んじゃった子に「痛い思いさせてごめんねって言いなさい」みたいなパターンもありますが、謝罪ってほぼほぼ意味がないと思っていて。
言ったから許されるみたいな、痛い思いをした子に寄り添うこと無く、ごめんねって言ったからいいやみたいな、免罪符みたいになっちゃうのが嫌なんです。
ちゃんと寄り添ってもいないのに、ただ謝ることで許しちゃいけないと思うんですよね。
なので僕たち大人は、具体的にしてほしい行動をお願いする。
そして、行動してくれたらそれに対してすごく感謝するってことが大事だと思っていて。
彼ら彼女たちの中で筋を通して生きて来たはずなので、本人の感覚では、やらなくていいことだったはずなんですよね。
それに対して僕が提案したことをやってくれたっ訳なので、ありがとうって、すごく素敵だったよって、いうようなちゃんとフィードバックをすること。
あともう1つは、やって欲しいことを丁寧に説明して、実際に練習してみようかっていうのが結構大事で。
初めてやることに対して、誰もが簡単に1発で出来ることってほぼほぼ無いと思うので、そういった練習してみるってことがすごく大事だったりします。
というわけで、今日は、ひとり一人の育ちを感じるっていうテーマでお話させていただきました。
それでは、子どもが置いてきぼりにならない社会を目指して、今日も共に頑張っていきましょう!
文字起こし:舩津雄貴
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