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ザルな計画しか立てられないあなた(私)へ

起業して20年以上経営者を続けてきてわかったことがいくつかあります。その一つが、経営とは「計画と実行が全て」と言うことです。当たり前でシンプルすぎることですが、経営の経と言う字は縦糸を紡ぐと言う意味があり、それは長い時間軸で事業を営むことに他なりません。短期間で荒稼ぎをしてすぐにたたむ事業を繰り返すのは経営とは言えないと思っています。当たり前に過ぎますが、長い時間軸で事業を持続継続するには、行き当たりばったりではなく、未来を見据えた計画を立てて、それを確実に遂行することが欠かせません。

すべてのものは2度作られる原則

綿密で詳細な計画は予定した通りの成果を生み出します。「すべてのものは2度作られる。」との至言の通り、計画の重要性は誰しもが認めるところだと思います。あらゆる可能性を想定して緻密なシミュレーションを繰り返し、慎重に計画を立てて事を運べば失敗する可能性は大いに減少します。
この簡単な理論が理解できて、事前の計画を立てる事に意識を集中すれば、すべて世の中は思い通りに良い方向に進んでいくはずです。しかし、残念ながらなかなかそうは問屋が卸しません。実際の世界では計画通りにことが運ばないことが山ほどあるどころか、どちらかと言うと計画通りに成果を上げる方が稀だといっても過言ではないかもしれません。

すべては、計画がザルだから

なぜそんなことが起こるのか、その問いに対する答えは簡単です。それは計画があいまいで実効性に乏しく、細部まで詰めきれていない「ザル計画」であるからに他なりません。では、なぜ実行可能で確実に成果が上がる、詳細で綿密な計画を人は立てることができないのか?との問いが次に浮かび上がります。よく、当たり前のことを当たり前に行うのが何よりも難しい。と言われますが、人は頭の中で理解できていることをそのまま行動に移せるほど単純な生き物ではありません。やったほうが良いと分かっているにもかかわらず、できない、もしくは行わないのは珍しいことではありません。
そのできない理由は様々で、非常に複雑かつ曖昧でぼんやりとしています。時間の問題や、責任の所在、誰かがやってくれるのではないかとの楽観主義、そもそも問題意識が低かったり、怠惰や快楽に溺れたりと、それらが複雑に絡み合い行動を制限したり時には計画そのものを忘れてしまったりもしてしまいます。

目の粗いザル

計画を立てられない理由

そのような人間の特性といっても過言でない思考パターンから鑑みると基本的に人は計画を立てるのが苦手、大嫌いで拒否反応を示してしまうのではないかと思うのです。そもそも、人は行動を縛られるのを嫌います。それは他人に制限されるだけでなく、自分で自分を縛るのにも苦痛を感じるもの。誰もが計画という時間と行動のコントロールの重要性を理解していて、その上で尚且つ詰めた計画を立て切れない。わかっているけどできないのは、知らなかったことを習得してできるようになるよりもずっと難しい、最も解決するのが困難極まりないパターンです。
この問題の最大の鍵は理論や理屈ではなく、感情や感性が理性の邪魔をしてしまうことであり、当然、それを乗り越えるのはロジックではありません。古来から人間は生きるために闘争か逃走を選択し続けてきたと言われますが、生存率が高かったのは圧倒的に逃走で、嫌なことから逃げるのは生存本能に由来するとも言われています。

計画とは技術の壁を越えること

志を以って万事の源となる

やったほうがいい、もしくはやらねばならないことをできるようにするには、単純にやりたい気持ちになるしかありません。そしてそれにはやる気を起こすモチベーションの設定が欠かせません。何のための計画なのか、なぜそれが必要なのかをしっかりと認知すること、その計画が達成した後の達成感や幸福感、自己承認等のワクワクとする嬉しいことをリアルに思い浮かべるしかやらないをやるに優先順位を変える方法は無いように思います。
なんのために?との問いの答えを繰り返し、突き詰めて行くと人間誰しもが生まれながらに持っている良知(良き心)に突き当たると儒学の世界では言われます。自分だけが良ければいいとの利己的な考え方は良知から外れると考えれば、結局、目的は利他の心から派生するものになり、それを私たちは志と呼んでいます。結論、志を明確に立てることこそ、計画を練り上げ、実行に移す全ての源となる。吉田松陰先生の言い遺された通りなのだと思います。何度でも志を固め直すことこそ、あらゆる計画の根本なのだと思うのです。

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11.26志と在り方を見つめ直すワークショップを行います。

計画と実行を実践する研修を行っています。

11.7沖縄の仲間を中心としたオンラインセミナーに登壇します!
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11.24 建築家の堀部安嗣氏を神戸に迎えて講演会イベントを行います。
これもなんと無料です!お申し込みは高橋まで。

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