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森とつながる、山で遊ぶ、木が好きな男の挑戦

人は生まれながらに宿命を背負ってこの世に生を受けると言います。私は名前は人生の呪い(祈り)だと思っていて、それが良いとか悪いとかではなく人は大まか名前をつけられた通りに人生を生きてしまうものだと思っています。実際、私自身も「剛い志」と命名されて名前の通りに志を問い続ける人生をなぞってきたと自覚しております。そんな私でも希に、よくぞここまで親御さんの意図通りに育ったものだと驚くような人にも出会います。

屋久島森と生きる協議会総会にて

木が好き

そんな一人に、浮村晋也さんと言う若手経営者がいます。30歳そこそこで父親である先代社長から事業を引き継いで工務店の代表取締役に就任した彼は、製材所と木材卸業と工務店を経営する親のもとで生まれ、学生時代は建築業を引き継ぐつもりはなかったようですが、社会に出て実家の会社に入社して今は立派に工務店経営者として活躍しておられます。もうすぐ、製材所の方の事業も受け継がれることになっているとの事で、若くして木にまつわる川上から川下までのいくつもの事業を手がけることになるそうです。私が凄いと感心してるのは、建築業界広しといえどもその彼が誰よりも1番「木が好きです」とまっすぐに言われることで、私も元大工であり地元産の木材を使った建築を行っているので基本的に木の内装や木を触ること自体が好きではありますが、彼に比べると木に対する思い入れは足元にも及ばないと痛いほど自覚しています。

多可町への視察研修

地域産木材活用の若きリーダー

意外と山が多く、国内でも上位の部類に入る林産地である兵庫県の木材活用の啓蒙活動を目的とした「ひょうご木づかい王国学校」と言う団体があります。5年前に兵庫県が作った地元材利活用の啓蒙施設の運営を民間で引き継ぐ形で建築、木材関係の事業者を50社募り、任意団体として立ち上げて現在も活動を続けています。当初から私がその団体の代表を務めていたのですが、昨年、誰よりも木が好きだと自認する浮村さんから代表を変わりますと主体的な申し出を受けて、私よりも彼の方が適任だと感じていたことから会長の座を譲り渡しました。他にも、私が副会長を勤めている兵庫県林務課が組織したひょうご木の匠の会の理事にも彼を推薦し、若きリーダーに団体を横断して地域の山と街をつなぐ役割を託すようにしました。そんな私の期待に応えて、浮村さんは非常にアグレッシブな活動を展開してくれています。

屋久島への視察研修

地域材利活用建築デザインコンテストin兵庫

そんな彼が現在最も熱心に取り組んでおられるのが、兵庫県の地元の木を活用した建築デザインコンテストです。これも浮村さんが運営メンバーとして関わっている地元産の木を使った建築にこだわった事業者の団体「兵庫木の住まい協議会」の主催、「ひょうご木づかい王国学校」共催、「木の匠の会」をまとめる兵庫県、神戸新聞社の後援を受けて、県下の地元産の木の活用に関する主たる団体を全て連携させての幅広い取り組みになっています。しかも、建築や木材関係だけでなく、広く生が好きな人を募ってアンバサダーとして意見をもらったり、気に入った作品に投票してもらうなど地域全体を巻き込んだ大きなコミュニティーを作ろうと尽力されています。さすが木の申し子というか、木材利用のサラブレッドです。

木が好きな人集めれ!

理想の実現に燃える若きリーダーの熱心な取り組みを端目で見ていると応援せずにはいられなくなります。私も出来る限りの協力を惜しみなくしていこうと思っています。ちなみに、そのコンテストには私たち株式会社四方継、つむぎ建築舎からも作品を応募しており、社員の大工と設計士がお互いの知見を出し合い、意見を戦わせながら共に良いモノづくりに向き合った結晶が作品として出されています。2年半前のリブランディング時に掲げた大工と女性設計が計画段階から協力し次世代に引き継がれる価値のある丁寧なものづくりを行っていくとのコンセプトがひとつのカタチになった事例ですのでもし良ければその作品も見て頂ければ幸いです。下記リンクから是非ともアンバサダーになってください!

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大工による現場で培われた知見と、女性設計士の細やかな視点が融合する家づくり

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