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transformし続ける理由

実は、今春4月から、無料学習塾を始めます。あと、自社の社屋の1階の小さな空き室で同時に小さなアートギャラリーの開所準備を進めています。
私が代表を務める株式会社四方継は創業時から建築会社として住宅や店舗の設計・施工を生業にしておりましたが、2020年の創立20周年を機に事業ドメインを見直し、建築・暮らしづくりから、もう一歩先に踏み込んで、地域のコミュニティー形成と経済活性化、そして課題解決を行う会社に生まれ変わりました。その流れで、昨年にはキャリア教育を行う、職能訓練のマイスター高等学院を開校、学校の機能を付加しました。今回は地域で塾に行きたくても行けない子供達に対するサポートをスタートさせて、地方ほど顕著だと言われている経済格差に起因する教育格差の是正に取り組みます。

ステンレスアート販売開始します

不安定で不透明、複雑、曖昧な世界への畏れ

大工集団から始まったモノづくり企業だった株式会社四方継はもはや何屋か分からない状態になりつつあります。同業者の旧知の知人には驚かれることが少なからずありますが、私の中では至って自然な流れに沿っているだけのように感じています。私が創業した20数年前と今とでは、全く違う世界といっても過言でないくらい、世の中は大きく変わりました。大転換の時代だと言われますが、まさしくその通りだと感じています。
古い世界がガラガラと音を立てて崩れ去り、新たな時代がやって来ているにもかかわらず、20年前と同じモデルで同じ事業を続けられる方が驚きですし、なんなら奇跡ではないかと思います。私にはそんなギャンブルめいたことは怖くて出来ません。

本当に大切なものを大切にする社会

時代の変化や流れを読み解くには、様々な指標があります。しかし、株価や金利、為替の動向など、一般的に扱われているものはどれも旧世界の産物であり、大転換した後の時代に使えそうな代物ではありません。
「本当に大切なものは目に見えるものではなく、見えないもの。」と世界中で愛された『星の王子さま』の中でサン=テグジュペリは書いています。ベストセラーを立て続けに上梓されている田坂広志氏は10年以上前から、行き過ぎた資本主義に警鐘を鳴らし、信頼、信用、評判、文化、知識、伝統、そして人と人の繋がりなど、目に見えないものが本当に価値があり、私たち日本人は古からそれらを大切にしてきた。そこに原点回帰するべきだとその著書の中で繰り返し、提言を続けられています。目先の金が全てだと、今だけ、金だけ、自分だけ良ければそれでいいとの思考の人たちばかりの世界が悲惨なのは誰もが分かっているにもかかわらず、気づけば世の中はどんどん酷くなって格差と分断が広がり続けて来ました。

逆転のパラダイムの世界

陰極まれば陽となる。冬至の日に擬えて、中国の宋の時代の僧侶、宏智正覚師は言われました。東洋思想の根源といっても過言でない陰陽論は全ての事象は自然とバランスが取れるように成り立っているとしています。
今、世界中で戦争や紛争が起こっているのもその表れ、圧倒的に経済と情報の格差が広がった世界で、無料で使えるAIが急激に普及したのも同じ兆候、パワハラ、モラハラ、コンプライアンス違反で強い者が次々追われ、弱いとされてきたものがイニシアチブを持つようになり、最大与党の派閥や大手企業の経営層が次々に糾弾されるのをみてアンバランスが是正され、最適化されているのを強く感じます。これからは今までの延長線上にないどころか、逆転したパラダイムに生きなければならないことを示しているとしか思えません。

現在、大転換の真っ只中

時代の変遷、流れを50年前から予測して、その的中の精度の高さがしばしば取り沙汰されてきたSINIC理論では、今年(2024年)が最適化社会が極まる年とされており、来年(2025年)から自律社会へと転換するとされています。
乱暴に言い表せば格差や不平等、アンバランスを是正する力が働いて、自然に自浄作用が働いて自律する社会、もしくはそれを助ける技術や科学が開花する時代へと移行するとされています。これは人類の歴史を俯瞰してみても産業革命を超えるような、今まで私たちが予想だにしていなかった大転換になるのはかなりのリアリティーを持ってイメージ出来ます。今はまさに、最適化から自律への転換に備えてあらゆる事業、商品、サービス、そして組織の変革を行う時だと強く感じます。transformationしなければ戦うことさえできないし、生き残ることも難しい。そんな時代に既に差し掛かっているともうのです。

UXデザインからCSV、そしてインパクトビジネスへ

私は長年、マーケティングを学び、研究し事業に実装してきました。職人ばかりの会社で規模拡大ではなく、持続可能性を追求し、一切の販促を排しても組織を持続できるビジネスモデルを確立してきました。しかし、時代の大きなうねりを感じて、8年ほど前からは新たな視点を持とうとUXデザイン、サービスデザインを学びに通い続けて、マーケティング理論の先を模索しました。そこでは、ユーザーをつぶさに観察調査、そして分析し、てユーザーが意識していない潜在的なニーズを抽出、インサイトを炙り出してサービスをデザインする思想を学びました。そのアウトプットが脱建築、地域コミュニティーの形成と課題解決型ビジネスモデル(CSVモデル)への転換でした。
そして、2年半前からCSVモデルを標榜する経営者のコミュニティーである経営実践研究会に入会し、更に社会課題解決型事業の研究を続けた結果、1社では到底できないレベルのプロジェクトを立ち上げ、全国に広がりを見せています。それが、地域企業の人材不足解消と、未来を見失った子供達への生き甲斐の提供の事業、マイスター高等学院のプロジェクトです。

トランスフォーマー募ってます!

そして、今、もう一度、自社でのチャレンジに立ち戻り、新たに無料学習塾やアーティストとのコラボ企画の事業をスタートさせます。
組織の螺旋的成長を可能にするSECIモデルに示されている通り、暗黙知と形式知を往復しながら、表出化、連結化、内面化、共同化を繰り返しながら内と外、概念と事象、経済性と社会性を一体化させて、事業や人の働き方、そして業界や地域を最適化へと導く取り組みになりつつあります。
これまで20年間に積み重ねてきた、理念経営、マーケティング、UXデザイン、そしてCSVが一本の線に繋がり、これらを螺旋的に成長させることで、世の中に善きインパクトを与えられるような事業を生み出せる手応えを感じられるようになってきました。
それは、時代の変化を感じてtransformationするのを厭うことなく、ポジティブに楽しみながら向き合ってきたおかげであり、多くの方に様々なご教授を頂けた結果だと強く感じています。今後は、整理したパターンを次世代を担う若き経営者に出来るだけお伝えして、新しい時代を切り開く糧にしてもらえればと考えています。トランスフォーマーになりたい方、お気軽にお声がけください!

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インパクトビジネス創出の研究と実践、そして伝播を行っています。

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