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知っている、わかっているけど出来てない理由とその解消

動物と人間との違いは数々ありますが、最も大きな特徴は人には理性があり本能に突き動かされる行動を制御したり、理性に則した行動を促したりできることだと思っています。理論や概念を聞いて、それを理解し、受け入れて信じることができるのが動物と違う発展を人間にもたらしたのだと思っています。そして、同じ認識を共有した時、人は人を信じるのだと思います。しかし、理解した事をそのまま全て行動に転嫁できるかというと、決してそんな事はなく、分かっていることと出来ていることの間には深く大きな溝があることが少なくありません。これは特にスタッフや顧問先の大工達との関わり合いの中で良く感じる事で今一度、整理してみます。

社会生活は理性の前提

人生の中で非常に大きなウェイトを占める「仕事をする」という行為は、人と人との関わり合いがそのほとんどであり、社会生活はそれがベースになっています。それはすなわち理論と認識共有の繰り返しであり、明文化された合意、もしくは暗黙の了解を積み重ねてお互いが約束を守ることによって成り立ちます。人に理性があり、その制御で本能のまま戦ったり逃げたりする事なく、信頼を成立させて社会人、職業人として認められる様になっていきます。

理解と行動の乖離はスタンダード?!

しかし、こんな当たり前過ぎる事が残念ながら成り立たない出来事が多々あるのが現実で、文章で整理すると簡単な事が(不思議ですが、)完璧にこなせる人の方が圧倒的に少なく、程度の差はありますが(私を含めて)理論を理解して納得し、分かっていることができる状態になっていない人が大半です。しかも質が悪いのは、自分ができているところまでは人もできて当たり前と誰もが思ってしまうところです。人は誰しも自己防衛本能を持っており、自分ができて、人ができていないのを見ると強く攻撃するし、自分ができない難しすぎる事はできなくてもしょうがないと自らを慰め、正当化します。

守るべき一線

そんなふうに理性と行動の不一致を俯瞰してみると、人間は必ずしもわかっている事はできない生き物だと理解してしまいます。しかし、「そうか、じゃあしょうがないね。」とそのまま受け止めてしまうと、約束を守らないことが常識的な行為となってしまい、社会システム、社会生活、ビジネスに大きな支障をきたしてしまいます。誰もが完璧な人間にはなれないのは従前ですが、できる限り理性に従って理解できたことを行動に映し出す努力をするべきだし、ある一定の線までは人として果たさなければならない義務だと考え、真摯に向き合う必要があります。そして難しいのはその線引きと塩梅、どのようにやるかとの方法論です。

最も裏切りやすいのは自分

知る→やってみる→分かる→できる→できている。これらの推移はいわば状態の変容です。理解に基づいた理性的な行動への制御、もしくは促進が人として非常に重要な「信頼される状態」に人を誘います。逆に、知っているけどやらない。わかっちゃいるけど知らんぷり。は理性への裏切りであり、本能的な逃げの行動を選択した結果とも言えます。人からの信頼を失い、自己肯定感を下げることになってしまいます。
現在、私たちが生きている日本は法治国家であり、法律と言う共通認識を無視する人はごく稀な犯罪者や違反者だけです。また、法律に縛られていなくても日本人はそんなに気軽に他人との約束を反故にしたりはしません。そのような観点から鑑みれば、理性と行動の相反は本来スタンダードでは無いし、ある程度は守られているのも事実です。そんな中、齟齬を生み出すキッカケは最も約束を破りやすい相手に対して行われます。そしてそれは自分自身との約束です。

事業承継WS

真摯さと誠実さ

経営者に最も重要な資質は「真摯さ」と「誠実さ」だと言われます。人は誰しもが自分自身の経営者であり、経営者としての事業計画だけで無く、人としての人生計画を理想的に運べるか否かは誠実さにかかっていると言っても過言ではありません。誠実さとは約束を守る姿勢であり、まず守るべきは自分との約束です。行うべき事を理解して理性に従ってその通りに行う事が出来れば、行動した分だけ状態は整います。習慣として身につければ知識も技術も人間関係における影響力も稼ぐ事の元になる顧客からの信頼も、そして健康でさえも全て手に入れる事が出来ます。この原理原則を深く腹に落とし込む事が出来れば、分かっていると出来ているの状態の齟齬を解消する事が出来るのです。

理想を実現する扉

人間社会の中で生きるにあたり、人生を価値のあるものにするには、本能のままに流されるのではなく、人の持つ最も大きな特徴であり、特性である理性を最大限に活かしたいもの。その為にまず、自分との小さな約束を守り、知っている事をまずはやってみる、そこでの気付きを元に出来る状態、それが継続出来る様になる成功体験を積むべきだと思います。最も気軽に裏切ってしまう自分との約束を守ることは自分の人生を大切にする事であり、価値ある生き方へのアプローチだと思うのです。初めは月に一度、それを一週間に、毎日にとスパンを短縮しながら緊急性の低い人生にとって重要な事に向き合い、実行する計画を立てるところから取り組めば、分かっている事と出来ていることの溝は埋まる様になると思うのです。そんな想いを持ちながら率先垂範しようとほぼ毎日、noteの更新を続けています。

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原理原則の実践研修やってます。

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