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未来創造企業認定への厳し過ぎる選択

私が代表を務める株式会社四方継では2年前にリブランディングを行い、社名と共に事業ドメインも変更、建築請負業から地域コミュニティ事業へと再構築し直しました。自社職人によるモノづくりの特色は生かしつつ、明確に地域課題解決型モデルへと舵を切って、モノづくりでは無く地域やご縁を頂いた人達、取引先や地域の事業者や専門家の方々へ「良い暮らし」を手に入れて貰える様な事業をスタート。顧客満足と社員、協力業者満足、そして持続可能な収益のみを重視するのではなく、地域を包括した課題解決や貢献に出来る限り取り組む姿勢を打ち出して事業に実装しています。そんな自分達のビジネスモデルを地域の人に認知して貰える様に、現在「良い会社の基準」を明文化、定量と定性の両面で審査、評価する未来創造企業の認定を受けるべくエントリーして認定研修に参加しています。この度、東京でその最終の研修があり参加したところ、衝撃の出来事が起こり本当に驚きました。

未来創造企業認定研修

地域課題解決型モデル認定へのチャレンジ

私達は以前から地域課題解決型モデルへのシフトと事業への実装を進めていただけにエントリー当初から認定基準に達していると言われておりました。それでも、認定にチャレンジする中で、ちょうど編纂していた知的資産経営報告書でSDGsに対する具体的な指針と目標を明記して植林事業への参画を計画したり、エシカルPCの導入を決めるなど、今まで以上に環境に配慮する取り組みを進めてきました。今回私達が参加している第5期未来創造企業認定では同期で20社程の事業所がチャレンジしており、皆さんESG経営へのシフトに取り組まれております。その中には様々な業態のメンバーがおりまして、中には大手広告会社による企業向けの採用サポートサービスの代理店のインセンティブが給与規定の中心になっている様なガリガリの営業会社や、アウトソーシングをメインにして従業員の雇用をしないITシステムやweb制作事業所等も含まれていました。地域貢献や社会課題解決とはずいぶんと縁の遠そうな業態の事業所の経営者が社会課題解決型モデルへのシフトを目指されている事に驚きつつも、これが時代の流れなのだと妙に納得してみたり、とにかく時代は大きく変わりつつあります。

SSC認定研修 第5講終了

営業会社社長の驚愕の決断

この度の最終の研修では同期のチャレンジ企業のプレゼンテーションを聴いて大いに刺激を受けました。中でも上述の広告営業の事業所の経営のプランには正直、度肝を抜かれました。と言うのも、未来創造企業とは、本業を通した継続的な社会課題解決を第一目的に掲げる企業であり、地球、社会、地域、顧客、取引先、従業員(家族)、経営者について85項目もの多くのチェック項目で認定基準の数値を挙げることを求められます。広告代理店の経営者はこの未来創造企業の基準があまりにも自社で構築してきたスキーム、企業文化とかけ離れていることに非常に悩まれておられました。私はそれを傍目で見ながら、どの様に改革を進めるのかと疑問に思っておりました。そして、今回の最終の研修でその経営者が事業プレゼンテーションに立たれて、未来創造企業に認定されるためのプランを発表されたのですが、それが仰天する内容だったのです。その方は自社の企業文化と社会課題解決型モデルのと親和性の低さに真っ直ぐに向き合い、なんと、広告代理店業から学生へのインターンシップのアテンドなどの地域企業への本質的な採用サポートを切り離して分社化を行った上に、元の事業所の代表を退任したと発表されたのです。流石にこれは前代未聞というか、ここまで劇的な事業再構築を行った経営者を私はこれまで見たことも聞いたこともありません。

日本的経済システムへの胎動

私達は今回、元々自分たちが進めてきた社会課題解決型モデルへの事業再構築を第三者機関から認定してもらうために未来創造企業へのエントリーを行いました。ESG経営コンサルティングの第一人者である泉先生にレクチャー頂きながら持続可能で社会性を高めるビジネスモデルに更にブラッシュアップを図りながら認定へのチャレンジを続けてきました。その取り組みの中で感じたのは2年前のリブランディングに備えて、6年前からUXデザインや自然経営などの勉強会に参加して学びを重ねて来ていた事が漸く実を結ぶ段階になってきた事であり、日本の資本主義経済の父である渋沢栄一が唱えた「論語と算盤」、上杉鷹山公が実現し、山田方谷が実践された、リーダー、組織が在り方を正し、愛情と思いやりを持って関係性の質を高めることで経済合理性を叶える日本的経済学が現代に蘇り、事業と社会課題解決を一体にする企業がスタンダードになっていく時代の大きな変化の胎動です。

第5期未来創造企業認定チャレンジの仲間たち

志ある所に人あり

その時代の流れを最も強く感じたのが、上述の広告代理店を分社し、代表を辞任して新しい事業を立ち上げられたK社長の決意と覚悟、そして決断です。企業の在り方、在るべき姿を根本から学び、その理論を自分自身で咀嚼して実践を通して血肉へと転換されようとしている姿には胸に熱いものが込み上げる様な感覚を覚えました。現状の社会の歪み、経済社会における必要悪とも言える欺瞞、不条理に目を背けることなく、真正面から向き合って何がなんでもクライアントの不利益を、業界のシステムを、社会を変えて世の中を良くする企業に生まれ変わる、そんな事業を組み立てるとの意気込みは天晴れという以外の言葉が見つかりません。これから新規事業を立ち上げ、これまでになかったビジネスモデルを作り上げるのは決して簡単ではないと思います。しかし、志あるところに人が集まり、欠けているリソースが補完されるはず。人材にまつわる事業に取り組まれるとのことでしたので、私も教育業界に足を踏み入れたこともあり、微力ながら出来るお手伝いをしたいと思います。志を同じくする同志が集う、このような場にご縁を頂けたことに心から感謝します。K社長、気張って参りましょう!

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志×キャリア×未来を学歴マイノリティーの若者に提供する高等学校プロジェクト進めてます!

https://www.shokunin-kigyoujyuku.com


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