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カルマ(業)と役割

人類最大の発見の1つに「役割」がある。少し前に世界中で大ベストセラーになったサピエンス全史の文中にも書かれてありましたが、人間が社会生活を営むにあたり、絶対的に必要で不可欠、しかも重要なな概念だと私も思っています。しかし、子供でも知っている平易な言葉であるが故、普段の生活や仕事の中であまり重要視されていないような気がしており、定期的に改まって人の持つ役割について考える機会を持つべきではないかと思うのです。

役割と責任と報酬の関係

「役割」と言う言葉が持つ意味はとても幅広く、人は誰しも1つの役割を果たしていれば良いわけではなく、好む、好まざるにかかわらず数多くの多種多様な役割を担っています。自分から進んで買って出る役割もありますし、誰かから割り振られる役もあります。この世に生を受けた時点で、子供としての役割を背負っていますし、歳を重ね、ライフスタイルの変化とともに役割はどんどん増えていきますし、コミュニティーから離脱したり、人との関係を断ち切ったら役割は減ります。そしてそれらは全て人との関係性の中で生まれる、もしくは消えるものであり、一般的には役割を増やせば増やすほど社会における重要度が増し、地位は上がるとされています。また、役割には常に責任がつきまといます。その意味では、多くの役割と責任を引き受けた者がそれに見合った所得や報酬を得るべきだと思ってます。ちなみに、私が代表を務める株式会社四方継では社内での役割と責任の定義を定めて、その表に従って所得の配分を行っています。

役割の再設定は成長機会

そんな社会生活におけるあり方を決定づける役割と責任を改めて見つめ直す機会を持つべきだと私が提言する理由は大きく2つあります。まず1つ目は、人は誰しも変化に対してネガティブになる習性があり、好き好んで面倒を引き受けたくないと、新しい役割を能動的に取りに行くのを本能的に嫌がる傾向にあるということです。しかし、今の役割と責任に甘んじていると言う事は進化も成長しないことでもあり、世界が大きな変化を遂げている現代、むしろ本当はそのほうが大きなリスクになると思うのです。人は誰しも潜在能力の3%程度しか使っていないと言われています。せっかく大きな可能性と才能を持っているにもかかわらず、それを世のため人のために使わないのは非常にもったいないと思うのです。定期的に今自分が背負っている役割と責任、そして次のステップで自分が担えることを考え、目標設定することで人は成長することができると思うのです。

志は役割から生まれる

2つ目は、人は自分に与えられた役割について気づいていないことがあまりにも多いと思うことです。自分が担うべき役割と責任について考える機会がないと、今のままの自分で良い、もしくは自分はこの程度の人間だと思い込んでしまいます。自己限定はあらゆる可能性の芽を摘みとってしまい、本人にとっても、会社にとっても、社会にとっても大きな損失になってしまいます。日本人に最も読まれている書籍として有名な福沢諭吉先生の「学問のすすめ」には、額に汗をかいて一生懸命働いて家族を養う程度では、魚や鳥、虫けらと変わらない。万物の霊長足る人間に生まれたからには目的を持ち、それを達するべきだと書かれています。役割を知ると言う事は生きることの目的、人生の方向性を考える事でもあると思うのです。一度切りしかない人生を何に使うのか、その志は役割を見直すところから生まれると思うのです。


カルマ

仏典などの日本語での解釈では「業」という意味合いで使われる。サンスクリット語では「行為」、または行為の結果として蓄積される「宿命」と訳される。カルマは「過去(世)での行為は、良い行為にせよ、悪い行為にせよ、いずれ必ず自分に返ってくる。」という因果応報の法則のことであり、インド占星術の土台であるヴェーダ哲学の根底に流れる思想である。
コトバンクより引用

カルマ(業)を知るべし

私は、自分自身が若い頃、何の価値もない人間だと思っていた時期があります。浅はかな自己中心的な考え方で多くの人に迷惑をかけたし、恨みを買っていることも少なからずあると思っていて、実際、社会のクズと言っても過言でないような暮らしをしていました。そんな私でも、建築業界に拾われて、人に感謝されたり喜ばれたりする経験を通して、ひょっとしたら自分にしかできないことがあるのではないかと思うようになりました。それが「職人の社会的地位の向上を果たす」との志になり、建築業界の重大な課題である職人不足の解消に向けての現在の取り組みにつながっています。今では建築業と教育事業を生業としており、自分の役割に気づいたことが「業」になっています。カルマは宿命と言うふうに訳されることが多いですが、日本語で書くと業であり役割だと思うのです。自分の内面に深く目を向け、何のために生まれてきたのか、何のために命を使うのかを考えることで誰しもが役割を見つけ、自分自身を肯定し、生きがいのある人生を歩めるようになるのではないかと思うのです。今月4月20日の無料勉強会「継塾」では「役割とカルマ」をテーマに人生における多くの時間を使う仕事の役割について考えてみる機会を持ちます。自分が持つ業に目を向ける事で志を見いだすキッカケになるかも知れません。ご興味がある方はぜひお気軽にご参加ください。オンラインでも開放しています。

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職人の社会的地位向上に業として取り組んでいます。

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